栃井建設工業株式会社(岐阜県)

「TSUDOIE(ツドイエ)」ブランドの
施工力と設計力で
妥協のない家づくりを実現する地元工務店

栃井建設工業株式会社(岐阜県)

代表取締役社長渡邊 勳

岐阜県岐阜市郊外、JR東海道本線穂積駅から車で15分ほど、長良川右岸に拓かれた河渡の宅地の一画に栃井建設工業株式会社(以下栃井建設)がある。大工の棟梁であった栃井巌初代社長が1962年に創業した工務店で、1964年に岐阜市富沢町に社屋を建設して40有余年、折からの昭和の宅地造成ブームに乗って、住宅着工件数で県内トップクラスの工務店へと押し上げた。とりわけ、請負大工の組数は岐阜エリアでも最大級で“チーム栃井”としての結束も強い。2008年に岐阜市河渡の新社屋に移転。当時木造建築の最先端技術であったSE構法をいち早く取り入れて、施工力の栃井建設として地元で知られている。「重量木骨の家」プレミアムパートナーという呼称は、SE構法を手がける業者の中でも選びぬかれた工務店だけが使えるものである。今回は、渡邊勳四代目社長に、会社への思い、事業内容、現在の課題、将来への抱負などについて伺った。

令和の時代の“チーム栃井”を託された四代目社長

栃井建設は、木造戸建て住宅をメインに、創業から64年の歴史ある地元工務店である。2024年に38歳の若さで四代目社長に就任した渡邊勳氏に、現在に至った会社の経緯についてお話を伺った。
「栃井建設の始まりは、私の祖父である初代栃井巌が戦後に岐阜県下呂市より数人の大工を引き連れて岐阜市に進出したのが始まりだと聞いています。二代 栃井清は私の叔父で猛烈な働きぶりで岐阜県内でも有数な工務店としての基盤をつくりました。特に住友林業ホーム(現住友林業(株))の施工業者に加盟して、住宅着工件数が全国上位となり毎年のように表彰されていました。三代 渡邊浩(現会長)は私の父で、初代の娘(私の母)との結婚を機に大手ゼネコンを辞めて栃井建設で働くようになったそうです」
渡邊勳社長は、岐阜高専を卒業して、2006年に20歳で栃井建設に入社している。子供の頃から祖父に連れられて住宅建築の現場に出入りし、高専時代も大工仕事の手伝いをしてきた。さらに、入社して20年余と経験豊富であり、栃井建設の社員はもちろん、請負大工のすべての組の人たちと仕事をいっしょにしている。年齢は若いけれど「令和の時代の“チーム栃井”のために全力を尽くしたい」との強い自覚もあり、三代 渡邊浩社長が会長に退くのを機に四代目社長に就任した。
渡邊勳社長にとって印象的な出来事は、入社してすぐに三重県三岐鉄道北勢線の終着駅・阿下喜(あげき)駅の駅舎の建築工事にかかわったことである。この駅舎の建設にあたっては、大規模な木造建築の強靱化技術であるSE構法が使われていた。構造用集成材の柱と梁を剛接合することで揺るぎない強度の骨組みをつくりだす最先端の木造建築技術を実地に習得する良き機会となったのである。
2015年に社長に就任した三代渡邊浩社長(現会長)は、当時いくつかあったハウスメーカーとの施工委託を住友林業(株)一社に絞り込んだ。さらに、地震国日本で安心・安全に暮らしていくための耐震性に優れた木造住宅にはSE構法がふさわしいと考え、自社設計の注文住宅の事業展開をめざした。

自社ブランド「TSUDOIE(ツドイエ)」で実現する自由な空間設計

そこで、栃井建設オリジナルの注文住宅の新規開拓をまかされたのが、当時の渡邊勳専務(現社長)であった。地元工務店の施工力で「妥協のない家づくりをしませんか?」と、熱心に営業に邁進したのだが最初の一年ほどは成約ゼロだったという。
そこで、渡邊勳社長は考えた。栃井建設のお家芸であるSE構法の特徴は「優れた耐震性能」であるが、もう一つの特徴が「自由度の高い空間設計」である。たとえば、南向きに大きく開かれた窓、広いリビング、開放的な吹き抜けのある住空間、クルマが二台収容できるビルド・イン・ガレージなど、耐震構造計算に裏付けられたSE構法であれば木造住宅でも実現できるのである。「地元で注文住宅を新築するケースでは、お財布は親の世代ですが実際に暮らすのは若い夫婦や小さなお子さんのいる家族がよく見られました。そしてこの若い世代の方たちは、住まいに“特別”な思い入れを持っていることが多いのです」
渡邊勳社長は3年前に「TSUDOIE(ツドイエ) 」 ‒ 集う+家 ‒ という自社ブラントを立ち上げ、同時に住まいへの“特別”なこだわりや憧れを実現するための新たな設計チームの育成に取り組んだ。
施工は耐震木造住宅に熟練した現場の職人たち、設計は住まいへの“特別”をかたちにする若いツドイエ・スタッフ……、将来を見据えて隙のない“チーム栃井”をつくるためには、やはり若い力の育成が大切であると考えた末の挑戦であった。

「他人(ひと)を喜ばせる」が創業以来の企業理念

2025年4月現在の社員数は、専属営業1 名、設計5名、自社新築担当4名、リフォーム担当4名、ハウスメーカー担当5名、経理・総務・広報3名、社員大工3名、パート・派遣、役員3名も加えると、総勢30名を超える組織となっている。
さらに、木造戸建住宅の建築現場を支える職人の育成にも独自の取り組みを行っている。
「地元の高校で将来大工になりたいと希望する若者には、当社で社員大工として大工技術を学ぶ仕組みがあり、8年以上学んだ後に独立支援も行っています。当社で請負大工をしている18組のうち5組はすでに社員大工の出身者となっています」
さらに、大工より高齢化が進んでいる左官についても「社員左官として経験を積んでもらい数年後に独立する育成計画を考えている」とのこと。
木住協への加盟は、1991年というから初代 栃井巌社長の頃にさかのぼる。現在でも、工事総合保険はもちろん、岐阜市街地の案件では省令準耐火優遇制度を採用するなど、いろいろな制度を活用しているとのこと。
渡邊勳社長は、先代から受け継いだ「他人(ひと)を喜ばせる」という言葉を企業理念に掲げている。
「お客様に感動してもらえる家づくりをするためには、まず社員が喜んで働いてもらえる職場にしなければいけないという気持ちが強いですね。そして、請負いの職人さんたちが働きやすい現場でなければいけない。 “チーム栃井”の全員が、仕事においても、プライベートにおいても、明るくゆとりある暮らしをしてほしいと心から願っています」とのことであった。
「趣味はフットサルとよく食べること」と語る渡邊勳社長……、若き経営者が率いる栃井建設の明日の住まいづくりへの挑戦に期待したい。

ピカイチ社員

新築事業部注文住宅グループ次長伊藤 和宣

入社の経緯と現在の業務内容は?

かれこれ30年ほど前になりますが、名古屋の東海工業専門学校で建築を学び、新卒で入社しました。最初の三年間は、栃井清専務(二代社長)について建築現場で働く日々。大変厳しい方で徹底的に鍛えられました。その後、地元の大規模な分譲宅地を担当し、新築住宅の現場管理として毎年何軒も建てる忙しい日々が続きました。転機となったのは30歳の時です。当時、専任の担当者がいなかった自社設計の新築部門に自ら志願したこと。以来、当社オリジナルの新築戸建て一筋で現在に至っています。最近は、若い設計スタッフに現場で培った経験や知識を継承するように心掛けています。

やりがいを感じたことうれしかったことは?

注文住宅の工事管理を始めて2年目くらいでしたか、高齢のお客様で設計図面に納得できずに施工段階であれこれ意見をおっしゃる方がいらっしゃいました。一つひとつお話を伺って変更するのですが、今度は設計担当や現場の大工さんが怒ってしまいました。まさに板挟み……、それでも何とかまとめ上げて竣工した時に、お客様から「伊藤君でよかった」と言われた時にはやりがいを感じました。これをきっかけにお客様の真意を徹底的に伺うコミュニケーションの仕方について学びました。

仕事でこころがけていることは?

お客様との打ち合わせの際に、雑談を通して様々な情報をできるかぎり聞き取るようにしています。家族構成、趣味、身長、右利き左利き、乗っているクルマ、アクティブ派がインドア派かetc。どうしても、設計先行になりがちな注文戸建て住宅を、お客様視点で改善するよう注意を払うことで、結果としてお客様の満足度を高めることにつなげていきたいと思っています。

家族との時間の過ごし方、そして将来の夢は?

妻と大学二年生の長女、高校三年生の次女との四人家族です。もともとスポーツ好きで、高校時代からサッカーの強豪校で活躍して30代前半までは地元の社会人チームにいましたが、娘二人が成長してバドミントンを始めたので、今度は結構熱心な応援パパになりました。将来の夢は、妻と新婚旅行で行ったハワイに、今度は家族四人で出かけたいですね。

栃井建設工業株式会社のこだわりPOINT

優れた耐震性能と自由度の高い居住空間
「TSUDOIE(ツドイエ)」ブランドの施工力と設計力で
妥協のない家づくりを実現する

社長のひとこと

創業以来の企業理念は「他人(ひと)を喜ばせる」
社員が喜んでもらえる会社にしよう
請負いの職人さんが働きやすい現場にしよう
お客様に感動してもらえる木造住宅を建てよう

会社情報

会社概要

社名 栃井建設工業株式会社
代表取締役 渡邊 勳
所在地 〒501-0105 岐阜県岐阜市河渡3-138
電話 058-252-0022

会社沿革

1948年 栃井 巌 個人創業
1962年 資本金100万円にて栃井 巌 会社設立
1964年 岐阜市富沢町に社屋建設
2008年まで営業(44年間)
1973年 資本金550万円に増資
特定建設業許可
1979年 宅地建物取引業許可
1986年 住友林業ホーム(現 住友林業)との取引開始
1994年 一級建築士事務所登録
1999年 会社広報誌「暮らしの瓦版」配布開始
2000年 資本金4000万に増資
栃井清が社長就任
2007年 SE構法にて駅舎 阿下喜駅施工完成
2008年 岐阜市河渡に新社屋完成
2015年 渡邊 浩が社長就任
2019年 ぎふ建設人材育成リーディング企業認定(ゴールドランク)
2024年 渡邊 浩が会長就任
渡邊 勳が社長就任

事業内容

注文住宅、リフォーム工事、小規模店舗、事務所施工 他

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