
不動産・建築領域等を活用した
「資産価値共創業」を展開する
大和財託株式会社(大阪府)
代表取締役CEO藤原 正明 氏
JR大阪駅北側に隣接する高層オフィスビル グランフロント大阪タワーB35階に、大和財託株式会社の大阪本社がある。2013年7月大阪市に大和財託株式会社を設立。当初は資産運用コンサルティングが中心であったが、2018年には土地活用事業、建設業に参入。そして土地・建物の仕入れから企画、設計、建築、リーシング、コンサルティング、販売、賃貸管理、売却サポートまで一気通貫して自社で行う独自のビジネスモデルを築き上げ、顧客利益の最大化を掲げて、資産価値を共に創る様々なサービスを行う「資産価値共創業」を展開することとなる。さらに2019年には東京に進出して首都圏での事業活動に本格的に取り組む一方、名古屋・福岡にも拠点を構えている。創業から約12年、大阪本社・東京本社双方の陣頭指揮に立ち、多忙を極める藤原正明社長(代表取締役CEO)に、創業の思い、事業内容、今後の目標などについて伺った。
不動産投資業界に風穴をあけるため起業を決断
藤原正明社長は、岩手県盛岡市の隣町である矢巾町生まれ。家業の内装工事業を営みながら空手家であった父親の指導で小学生の頃から空手を修行した。地元の県立高校から国立岩手大学工学部を卒業し、流体制御弁の製造販売メーカーに新卒入社。技術職での採用であったが、入社してすぐに広島支社の営業に回され、二年後には大阪支社に赴任した。これが創業地・大阪との縁となった。その後、転職した三井不動産レジデンシャルで、本業のかたわら不動産投資を個人で始めることとなった。
そこで気づいたのは、不動産投資で成功するには理論や経験だけでは解決できない課題があることだった。それは、誠実さを欠いた業者の対応や情報の不透明さであったという。顧客ファーストにはほど遠い業界のあり方に困惑した藤原正明社長はひとつの決断をする。
「私は不動産投資を取り巻くビジネス環境を根底から変えたいと願い、2013年に大和財託を創業しました。会社を立ち上げてすぐに私自身が考案した投資理論と実践経験を踏まえて、アメブロ(アメーバブログ)に不動産投資についてのブログを開設しました。収益不動産の条件、初心者が失敗しやすい課題など、私なりに研究した成果をソーシャルメディアで広く公開したのです。ブロガーとしての私の知名度が会社のスタートアップ時の成長を後押ししたのは間違いありません」
2013年に中古の一棟アパート・マンションの仲介・賃貸管理から始めて、2014年には自社で仕入れてリノベーションし、収益不動産として顧客に販売する資産運用コンサルティング業を本格化した。2017年には土地を仕入れて新築アパートを建築し、顧客に販売する資産運用にも着手。そこで、顧客に儲けていただくには、設計・建築・施工管理を自社でやらなければ無理であることを痛感した。
「収益不動産を所有するオーナーはもちろん、企業経営者、上場企業役員、ベンチャー起業家、高年収サラリーマン、医師といった投資家の皆さんも、当初に提案された利回りが本当に達成できるのかという不安を抱えています。私は、不動産投資の入り口から出口まで、同じ会社・同じ窓口がきちんと対応できるトータルな事業展開をめざすことを決意しました」


顧客の信頼を勝ち得た「資産価値の共創」

「当社の企業理念は、資産価値を共に創る様々なサービスを通して、お客様に経済的豊かさと人生の豊かさを提供することです」と語る藤原正明社長。そして、この「資産価値の共創」を実現するために「垂直統合型ビジネスモデル」を展開してきた。
顧客とともに資産価値を創りあげるためには、収益不動産の仕入れ(もしくは土地活用診断)から始まり、企画、設計、建築、コンサルティング、販売、賃貸管理、売却サポートと、川上から川下までを自社で一気通貫に垂直統合して、効率性と生産性を最大限に高めていくことが肝要となる。
このビジネスモデルによってもたらされた総和利益を、顧客利益、取引先利益、自社利益と適正に巡らして潤いの輪を共に創り出す「潤環シナジー」により、お客様の人生をどこまでも潤しながら、取引先を潤し、さらには自社と社員を潤していくことができる。そしてそれこそが、会社の成長の原動力となり、より大きな価値を生み出していく、という考え方である。
2025年4月1日時点の大和財託の社員数は268名(うち正社員230名)にのぼる。内訳は、大阪本社142名、東京本社113名、支店12名、ホテル事業の須賀谷温泉1名。法人営業・コンサルティング・リーシング・設計・施工監理、建築営業、修繕管理、収支管理、経営管理、ファイナンス、ホテル管理、このほか人事・DX・マーケティング・広報・総務などさまざまな部署で活躍している。
さて、32歳で創業して12年、現在は44歳となった藤原正明社長のビジネスライフとはどのようなものなのか? ご家族は、奥様と高二の長女、中三の長男の四人家族だが、女の子は中高一貫の全寮制高校におり、奥様と男の子は海外に居住しているため、ご本人は仕事漬けの単身生活であるという。
「大阪と東京の両方に居宅があり、週の半分ずつ東京本社と大阪本社に出社するハードな二拠点生活を過ごしています。趣味というのも特にありませんが、どんなに遅くまでお酒を飲んでも、必ず朝五時に起床、六時から一時間かけてジムで身体を鍛え、シャワーを浴びるのが、唯一のリフレッシュです」

資産運用の優位性が高く評価されている木造耐震建築
木住協への加盟についても伺った。設計部門からの要請があり、協会が提供しているサポートが当社の事業に役立つと総合的に判断して決めたとのことであった。
「当社では、土地の規模・用途・地域特性に応じて、RC造・木造・鉄骨造といった工法の中から建築プランを策定します。そして、いずれの工法においても設計・施工管理の一切を自社でまかなえる体制となっています」
木造建築は、資産運用における優位性が高く評価され、プレゼンの決め手となるケースが多いという。直近では、大阪市阿倍野の好立地に竣工した土地活用プロジェクトがある。約500平方メートルの敷地に12部屋の三階建て賃貸マンションを建てる案件だが、土地オーナーから既存の生垣を活かしてほしいと要請された。大手ハウスメーカー数社と競合したが、木造耐火建築の設計プランや生垣を活かしたデザイン力と圧倒的な高利回りが決め手になり選ばれたという。木住協の耐火コンテンツで建てられ、木住協の瑕疵保証も活用しているとのことである。
最後に大和財託の未来像について、藤原正明社長に伺った。
「私たちの事業領域はまだまだ進化の途上にあります。これからも大和財託は、時代の変化より一歩早く領域を拡張し続けていきたいと考えています」
すでにホテル事業に参入しており、将来は医療介護や都市型データセンターの建築領域にも参入していきたいと考えているそうだ。
「2040年には売上1兆円を目標に、将来は日本有数の企業の仲間入りを果たしたい」と語る藤原正明社長。急加速で事業領域の拡大にチャレンジし、今なお進化し続けている大和財託のこれからの躍進に目が離せない。


ピカイチ社員
設計部大阪木造設計課チーフ浅田 拓也 氏
入社の経緯と現在の業務内容は?
2023年12月にネット求人に応募して入社しました。地元大阪の専門学校を卒業して設計事務所で住宅設計の仕事をしていましたが、30代になってもっと様々な建築物の設計に携わりたいと思ったのが応募の動機です。現在は、設計部で木造物件の設計を担当しています。つねに複数の案件を抱えて、提案時期を逆算しながらスケジュール管理して、クオリティを高めつつスムーズに仕事を進めていくリズムが、私には合っていて充実感を感じています。
うれしかったことや成功事例は?
大阪市阿倍野で木造三階建ての賃貸マンションを建てる案件に取り組んだことが一番印象深いですね。オーナー様から生垣を残したいという要望がありました。大阪市の景観計画では生垣が厳しいとのことでしたが、生垣を活かす方向で市役所の認可を得ることができました。設計にあたっては、土地活用の収益性を最優先に、かつ生垣の景観に映える重厚感のある木造耐火建築のプランを策定しました。この3月のお引き渡しの時には「頑張って良かった」という働きがいを感じました。
余暇の過ごし方や趣味についてお聞かせください
気ままな独身一人暮らしで、基本的にインドア派です。最近では、休日も帰宅後も余暇は2月末にリリースされた「モンスターハンター ワイルズ」に没入して過ごしていました。趣味といえば、会社のボードゲームサークルに参加しています。サークルの部長が法人営業課長で、私が副部長、毎週水曜日の開催日には、定時に仕事を終えて参加できるように、事前に頑張って時間をやりくりしています。
仕事面でも、プライペートでも、将来の夢について聞かせてください
建築雑誌や芸術関連の本をよく購入するのですが、積み上がった本を読み進めていきたいというのが、プライベートでの目標です。昔の上司の方に「見たものが引き出しになって、それが線に表れる」と、設計者の心得を教えてもらったことがあります。読書であれ、趣味であれ、これからも心の動く体験を積み重ねていきたいと思っています。
大和財託株式会社のこだわりPOINT
不動産・建築領域等を活用して
「資産価値共創事業」を展開する
社長のひとこと
「真にお客様の為になること以外はやらない」
という顧客ファーストの精神を貫いて、
お客様の人生をどこまでも潤すことで、
取引先を潤しながら、自社と社員を潤していきます

会社情報
会社概要
| 社名 | 大和財託株式会社 | 
|---|---|
| 代表取締役CEO | 藤原 正明 | 
| 所在地 | 〒150-0002東京都渋谷区渋谷2丁目17番1号渋谷アクシュ22階(東京本社) | 
会社沿革
| 2013年 7月 | 大和財託株式会社を設立 収益不動産を活用した資産価値創造事業を展開 | 
|---|---|
| 2018年 5月 | 土地活用事業開始 新築RC造マンション供給事業開始 | 
| 2018年 7月 | 本社を梅田阪急ビルオフィスタワー29階に移転 | 
| 2019年 9月 | 東京支店開設 | 
| 2020年 9月 | 東京本社設立及びオフィス移転 | 
| 2023年 3月 | 大阪本社をグランフロント大阪タワーB 35階に移転 | 
| 2023年 6月 | 名古屋支店開設 | 
| 2023年 7月 | ホワイト企業認定『ゴールド』2年連続取得 | 
| 2024年 8月 | ホワイト企業認定『プラチナ』を初取得 | 
| 2024年10月 | 福岡支店開設 | 
事業内容
資産価値創造業
資産形成に関するプランニング及びコンサルティング
不動産・金融に関する市場調査及び情報提供
不動産の管理・賃貸及び売買
プロパティマネジメント業務及びアセットマネジメント業務
宅地造成等不動産事業用地の開発
建築物の設計及び工事監理
建築工事業・塗装工事業・電気工事業・管工事業
その他建築業
建物のリフォーム・リノベーション
ホテル等商業施設及び介護・障がい者福祉施設の企画・運営・管理



