きれいな空気と木のぬくもりに包まれた
かけがえのない家づくりをめざす
株式会社クレストホーム(兵庫県)
代表取締役太田黑 貞一 氏
神戸市営地下鉄西神・山手線の学園都市駅から車で10分ほど、国道2号(神戸西バイパス)に面した生活文化施設「舞多聞100年の杜」内に株式会社クレストホーム本社がある。1997年に神戸市西区池上にて創業し、2002年に神戸市西区前開南町に本社移転の後、2017年に「舞多聞100年の杜」に本社事務所を開設した。この間、2002年に株式会社サンウッド(グループ会社)を設立して、高齢者介護施設や保育園の運営事業にも参入している。「建設」「不動産」の枠を越えて、子供からお年寄りまで、地元・神戸のご家族の健康な暮らしに寄り添う存在として、末永く愛される町医者のような工務店であるために力を尽くしているという。快適性と自然素材にこだわった「ずっとまっすぐ」な家づくりに取り組むクレストホームの太田黑貞一社長に、事業内容、今後の目標、木造住宅への想いなどについて伺った。
まっすぐに家族にとってやさしい家づくりへの想いを込めて
クレストホームといえば、「ずっとまっすぐ、やさしい家を。」というキャッチコピーが印象的である。まずは、この言葉に込められた家づくりの想いについて、太田黑貞一社長に語っていただいた。
「当社は、27年という月日の中で、たくさんの新築住宅を施工してきており、工務店として手がけた住まいのご家族の声に耳を傾けてきました。会社の基本理念をつくるにあたって、社員全員にヒアリングして取りまとめたのが、ずっとまっすぐに家づくりをするプロでありたいということ、そして、家族にとってやさしい家をつくりたいということだったのです」
本当に気持ちよく毎日を過ごしていただける家とはどうあるべきか。その本質を追求し、たどり着いたのが、「ずっとまっすぐ、やさしい家を。」という言葉だったそうである。
太田黑社長は長崎県松浦市の出身。子供の頃から家づくりに興味があり、大工さんになりたいという気持ちから、地元の工業高校の建築科に進学した。その後、建築現場の監督の仕事にも関心を持つようになり、高校卒業後は中堅ゼネコンの青木建設に入社した。最初の一年間は下水処理場の現場勤務だったが、その後念願の木造住宅の現場に配属され、それから約12年間にわたって、約400件の分譲住宅や注文住宅の現場管理に携わってきた。途中SRCの分譲マンションや総合病院の現場にもかかわったものの、ゼネコン勤務の若手・中堅の時期をほとんど住宅建築の学びと研鑽に費やしてきたとのことであった。
天然木のサイディング「ウィルウォール」と真っ黒な塗り壁「ジョリパット」を使ったスマートなデザイン。
接道面に窓が無く、一般的なお家に比べるとお家の中が想像しにくい、誰もが目を惹く個性的な外観。
「住まいの空気環境」と「シンプルデザイン」への強いこだわり
平成14年に縁あってクレストホームに入社すると、地元・神戸の家づくりに誠実に向き合う砂川和美社長(現会長)の考え方に感銘して、木造住宅をメインに究極の家づくりをめざすようになる。
こうした中で、特に強く感じたのは、何よりも「住まいの空気環境にこだわりたい」とのことであった。従来は一般的に新築住宅には、独特の臭いがあり、密封された空間ゆえの息苦しさがある。新築なのに気持ちよい空気が流れる家……、これを実現するために取り組んだのが「呼吸する家」=二重通気遮熱工法であったという。通常は外壁の内側に外部通気層を設け、家の中は高気密で空気の流れを遮断するのが一般的だ。クレストホームでは二重通気遮熱工法を採用して躯体の内側(室内)にも内部通気層を設け、あえて室内に空気の流れを生み出している。木造住宅の大敵である湿気を効率良く排出することで、家が長持ちするとのこと。建材にも気を遣い、できるだけ天然素材を取り入れているが化学物質をゼロにすることはできない。ここでも二重通気遮熱工法は力を発揮する。有害な化学物質や嫌な臭いは水に溶け込みやすく、その性質を利用し湿気と共に屋外に排出するのである。冬期の冷たい空気は、温度が18℃を境に開閉する形状記憶合金換気ルーバーにより室内に入らない工夫もしている。また、夏に室内温度を高める原因である屋根や外壁の輻射熱を緩和するため、家全体をアルミの遮熱シートで覆う遮熱にも力を入れている。快適な温度ときれいな空気に包まれた住空間がクレストホームの家の最大の特徴なのだそう。
平成18年に取締役となり、平成28年に代表取締役社長に就任した太田黑社長は、クレストホーム独自の家づくりのさらなる進化を模索するようになる。この頃、福岡の建設会社の講習会で出会ったのが、「シンプルノート」という新しい設計・デザイン手法であった。たとえば、「中庭のある家」……、西側の外壁に窓を無くして(小さくして)、その代わりに中庭をつくることで、採光と自然な空気の流れ、そして開放感をもたらす設計デザインは、シンプルでかつ合理的なものであった。
太田黑社長は「デザインのシンプルさ」について、こう語る。
「クレストホームの家の基本仕様は、無駄を取り除き、シンプルな機能性を追求することにより、カッコ良さと住みやすさを共存させたコストパフォーマンスの高い家づくりを提案しています」
「シンプルノート」のコンセプトによる基本仕様をベースにして、家族構成や生活スタイル、トータル予算に関しても丁寧にお話を伺いながら、プロの視点でカスタマイズしていくからこそ、家族が心豊かに安心して暮らせる家づくりが実現できるのだという。
風通しを確保しつつ外からの視線を遮ることで、カーテンをしなくてもプライバシーが守られる。
ウェブやSNSを使っての広報が新規顧客を呼び込む
クレストホームの社員は9名。営業・広報・総務の社員とともにパートスタッフも多く働いている。現場管理の仕事は太田黑社長を含めて3名で、昔からの付き合いで信頼のおける外部の協力会社がチームワーク良く働いてくれている。設計デザインは、「シンプルノート」専門の設計事務所にお願いしているが、お客様の要望がきめ細かく反映できるように、社員総がかりでのサポートは欠かせない。
20年後、30年後も続くお客様の暮らしに寄り添う工務店であるために、同社の住宅に居住されている方は車で一時間以内の神戸市周辺の立地にあるとのこと。そして、ほとんどのご家族が会社のLINEに登録くださっており、様々な暮らしの上での問題の対応やご相談ごとがあればすぐに社員に共有されて、迅速に対応できる仕組みになっている。
さらに、ウェブやSNSを使っての新規顧客の開拓も、同社のもう一つの革新的な取り組みであったという。
「それまでは新聞の折り込みチラシなど紙媒体での訴求に多くの費用をかけてきましたが、ホームページの刷新を機に、ウェブやSNSを使った広報活動に切り替えました」
フェイスブックやインスタグラムでは、当社の日常や施工現場の様子、家づくりご相談会のご案内などをきめ細かく投稿して、ご家族でクレストホームのファンになっていただくことを第一に考えているとのこと。SNSで当社に興味を持っていただいた方が当社のホームページでコンセプトや施工事例、モデルルームのご紹介、実際に住まわれているご家族の暮らしぶりを理解していただく流れで活用している。さらに資料請求や見学会、相談会などを通じてクレストホームを気に入ってくださったお客様との契約後には直接の打ち合わせだけでなく、LINEを使ったやり取りで家づくりを進めていく。時間を気にせず気軽に質問しやすく、言葉で伝えづらいようなことを画像やURLの送付で確認できるので意思の疎通がしやすいとのこと。
体系的な学び直しのために木造ハウジングコーディネーター資格試験に挑む
太田黑社長はクレストホームに入社した二年後の平成17年度に木造ハウジングコーディネーター資格試験に臨んでいる。
「会社に入社して木造の家づくりを生涯かけてやる覚悟ができたので、木造住宅について体系的に学び直すブラッシュアップのつもりで受験しました」とのこと。
大阪での二日間の講習会に出席して、12月の試験に向けて分厚いテキストを渡されたが、いくつもの現場を抱えて大変忙しい時期だったので、きちんと読み込む時間がなかったという。そこで、試験の直前にテキストをきっちり見直して、短期集中型の学習法で合格したとのことであった。
初回の3年後更新講習会、そして5年毎に行われる更新講習会も欠かさずに修了しており、更新時に送られてくる最新のテキストは、いつでも持ち出せるように会社のデスクの引き出しに入れてあるという。
「お客様に説明するにあたって、一般的な事例を最初に紹介した上で、当社独自の建築工法や仕様をお話した方がわかりやすいので、そのためのテキストとして活用しています。図解入りできちんと解説されているので、とても使いやすいです」とのこと。
少数精鋭で回している会社なので、社員たちを資格取得の講習に参加させるのはなかなか難しい現状ではあるけれど、お客様との応対に役立つことは確かなので、これからはできるだけ参加を勧めるようにしたいとのことであった。
コンパクトながらも中庭を設けることで、部屋は明るくなり、趣味のスペースとしても活用できる。
リビングでは通りを行き交う車や人からの視線を気にすることなく過ごすことができる。
さらに世代を越えて地元に根付く工務店をめざす
さて、太田黑社長が見つめる株式会社クレストホームの将来像についても聞いてみた。
「究極の家づくりには終わりがないので、その本質を追求するための学びと気づきを重ねながら、技術の進歩やビジネス環境の変化にも適切に対応していきたい」とのことであった。
現在は、新築が九割強でリフォームは一割に満たないが、将来新築の需要が減っていく可能性があるので、その時のために、当社の強みである基本仕様を活用したリフォームやリノベーションのモデルプランをつくっていくことで、さらに世代を越えて地元に根付く工務店をめざしていく願いを抱いているそうである。
最後に、太田黑社長のプライベートについても伺った。現在は、神戸市の隣りの稲美町に奥様と息子さん三人 娘さん一人の大家族で暮らしている。
「長男は野球部で春の甲子園出場、長女はなぎなたで春の全国大会と国体に出場、次男はソフトボールで春夏の全国大会と国体に出場、三男はサッカーでこれからの活躍が期待されています」。子供たちがそれぞれの分野で大活躍しているまさにスポーツ一家ということである。
太田黑社長は、二十代の独身の頃バイクでツーリングを趣味にしていたそうだが、結婚してからは休日もすっかりバイクに乗ることがなくなってしまったとのこと。お子さんが幼い頃はファミリーでよく釣りにも出かけていたが、それも子供たちが部活で忙しく、なかなか全員の時間を合わせるのが難しくなってしまっているそうである。今は「子供たちの試合に応援に行くのが一番の楽しみです」とのことであった。
ピカイチ社員
広報部藤澤 誠恵 氏
入社の経緯と現在の業務内容は?
知り合いの紹介でホームページ制作のパートスタッフとしてこの会社に出入りするようになったのがきっかけです。広報担当としてホームページの更新と「現場レポート」や「スタッフブログ」といったウェブやSNSによる情報発信を中心に、クレストホームの「おいしい空気の家」をたくさんのお客様にお伝えできるように頑張っています。
仕事ででこころがけていることは?
地元・神戸で暮らす人たちの一番身近な工務店であるために、企業サイドからの一方的なアピールではなくて、家族目線に寄り添った広報であることを第一に取り組んでいます。このためには、一人の人間として現場で感じた私自身の感動を素直に伝えること、現場スタッフの想いを丁寧に拾い上げてレポートすること、そして人生の大事業である家づくりをめざすお客様の不安や心配事について親身になってサポートできる内容であることを心がけています。
うれしかったことや成功事例は?
2021年の秋に、稲美町モデルハウス計画に広報として企画から参加させてもらった経験は忘れられません。自然豊かな美しい田園風景の中に、私たちの想いを詰め込んだ販売型モデルハウス「暮らしを愉しむ家」が出来上がっていく工程を、すべて現場で立ち会わせていただけたのが大きかったですね。家づくりの素晴らしさを知り、この会社の広報活動の仕事に改めて働きがいを感じました。
将来の夢は?
初めてクレストホームのモデルハウスに入った時「木の香りが気持いい!」と感動したことをよく覚えています。今住んでいる家もさほど古いわけではありませんが、もし将来に家を建て替えるチャンスがあったならば、少し田舎に移って、自然を感じられるおいしい空気の家で家族と気持よく暮らせたら素敵だなと思います。その時にはぜひ会社にお願いして理想の家にしたいと思っています。
株式会社クレストホームのこだわりPOINT
『人』も『家』も健康であるために
きれいな空気が流れる住まいにこだわり
シンプルに建てることで
自然で豊かな暮らし方を提案する
社長のひとこと
末永くお客様の暮らしに寄り添う存在であるために、
地域で愛される町医者のような工務店でありたい
会社情報
会社概要
社名 | 株式会社クレストホーム |
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代表取締役 | 太田黑 貞一 |
所在地 | 〒655-0051 神戸市垂水区舞多聞西6-1-3 |
電話 | 0120-268-298 |
会社沿革
1996年12月 | 株式会社クレストホーム設立 |
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1997年4月 | 本社開設(神戸市西区池上4) |
2002年4月 | 本社移転(神戸市西区前開南町2-10-16) |
2002年5月 | 株式会社サンウッド設立 |
2017年11月 | 舞多聞100年の杜に本社事務所完成 本社移転(神戸市垂水区舞多聞西6-1-3) |
事業内容
建築工事(戸建住宅新築・リフォーム)