満足度を追求する
空間づくりの総合建設業へ
株式会社岡本建設(山口県)
代表取締役岡本 匠史 氏
山口県のJR新下関駅から車で約5分、国道259号に面した角地に株式会社岡本建設がある。2017年創業。地元企業の建設関連業務を主体として、山口県内や福岡県北九州市など近隣地区を対象として実績を積み重ねている。戸建住宅やマンション、医療・福祉施設、教育・保育施設、商業施設、事務所・工場など多種多様な建造物を手がけ、施工の幅を広げる。土地探しから建物の企画、設計、基礎工事、施工、引き渡しまでをワンストップで行い、総合建設業を目指す。近年の仕事の依頼は、個人、建設業・不動産業界だけではなく、金融機関からの紹介も増えているという。創業から約5年の若い会社だが、岡本建設のルーツは創業者である岡本社長の祖父が経営していた「岡本工務店」にまで遡る。その創業の思いや事業内容、今後の目標、木造住宅へのこだわりなどをお伺いした。
あきらめない 負けない、根っこがある
確かな技術と続く伝統と、新しい情報技術により、ハイエンドな注文住宅を実現。
岡本建設の創業の切っ掛けは、岡本社長の祖父が経営し倒産した「岡本工務店」を復活させたいという思いからである。「祖父の工務店が私の生家でした。幼少の頃から身近にあったのは、木製の墨つぼやノコギリなどの大工道具一式で、家づくりの現場は私の遊び場のようなものでした。そんな環境で育ち、自然と建設の仕事を目指して大人になり、いつかは祖父の会社を継ぐつもりでしたがその前に倒産してしまいました」。岡本社長は新卒でとある建設会社に入社したが、その会社は倒産したという。祖父の会社が倒産した時は、下関の建設会社に勤めていた。「倒産から10年以内に祖父の会社を復活させるため、自分の会社を立ち上げるという目標ができました。当時勤めていた会社では建設部で建設会社との調整が仕事だったので、自分の会社を立ち上げれば、将来的にもお付き合いできると考えました。そして会社勤めをしながら、一級建築士の資格と宅建の資格を取得し、倒産から8年目に復活、創業が可能となりました。社名は岡本工務店から岡本建設に変更し、総合建設業を目指すこととしました」。前に勤めていた会社とは今も良いお付き合いが続き、とても感謝していると岡本社長は言う。
岡本建設の看板や名刺には、会社のスローガンが書かれている。『負けない、根っこがある。わたしはあきらめない、どんな困難でも。世の為、人の為、自分の為に。こけても立ち上がれ、あきらめない限り失敗ではない。夢を夢で終わらせない。絶対に実現してみせる。今までもそうして生きてきた。家族に支えられて。仲間に支えられて。お客様に支えられて。これからも絶対にあきらめない、それがわたしからの恩返しだ。誠実、謙虚、熱心、そして感動を。いつも、まんなかにひとのおもいを。』岡本社長の熱意が伝わる文章である。「植物などもそうですが、根っこが強ければ、雑草魂じゃないですが、何があってもまた生えてきます。そういう強い気持ちを持ち続けたいという考えです」と、熱く語る。
創業から約5年間で事務所を3回移転したという。「創業当時は小さな事務所で、何年かは私一人で仕事をしようと思っていました。始めの頃は、売上の約半分が前の会社からの仕事でした。前の会社の会長に、設立資金を出資していただいた関係もありました。その後思った以上に受注があり、人を増やせばまた仕事が増え、広い事務所に移っていき、現在社員は9人になりました。仕事も始めは下請け事業の分譲住宅が主でしたが、創業から一年経つと元受けの仕事も増えてきました。一番の転機は、特定建設業許可を取得したことです。金融機関からの紹介や大きな仕事が取れるようになりました」と、当時を振り返る。
木を知り尽くした、実力のある棟梁が作り上げる匠の技。
祖父の岡本工務店時代のヘルメットと現在のもの。歴史を大切に受け継ぐ。
確かな技術と続く伝統と、新しい情報技術
現在の売上の比率は、建設事業が50%、住宅事業が30%、修繕・メンテナンス・リフォームが20%。工場などの非住宅の仕事も増えているという。「非住宅は売上が大きいので比率も高くなります。施工には建築基準法により、建てる土地に用途規制が生じるため、お客様が安心して土地と建物を所有していただけるように全面的なサポート体制を整えています」。住宅事業は、高品質なCG建築パースを用いて完成予定の建物を立体的に表現し提案する。「棟梁でもあった祖父は、墨付けから棟上げまで一貫して行う大工でした。その姿を見て育ちましたので、実績のある熟練職人の確かな腕と丁寧な施工でお客様に満足いただきたいと思っています。確かな技術と続く伝統と、新しい情報技術を駆使した注文住宅を提供します」。また今後は、メンテナンスやアフターフォローに力を入れたいという。「創業から今までは全速力で突っ走ってきたので、今後は今のお客様を大切にし、メンテナンスやアフターフォローを重視していきたいと考えています。このまま突っ走るとお客様も付いてこないと思っています」。
木造建築についてのこだわりは、お客様のニーズに合わせているという。「当社のお客様はインスタグラムなどをすごく見ているので、デザインへのこだわりが強い方が多いです。そんなニーズに合わせて、HPにも手がけた物件の写真を多数載せています。デザインの好みはお客様によって様々で、木の素朴さを前面に出したデザイン、木を使ったスタイリッシュなデザインなど、お客様が求めている家づくりを心がけています。私は工務店で木や木屑に囲まれて育ちましたから、木のぬくもりや香りなどの良さをよく知っています。木の良さを活かし、お客様のニーズに応えるデザインでリーズナブルな価格の住まいを提供することを大切にしています。また、最近は住宅だけではなく、施設や事務所などの木造建築も手がけています」と、岡本社長の木造への思いが伝わってくる。
運動と食生活の改善が明日の活力に
毎日忙しく働いている岡本社長に、プライベートのことを伺ってみた。「運動が好きで若い頃から空手をやり、年1回くらいはマラソン大会にも出場していました。しかし創業から約3年は仕事漬けでプライベートがなく、運動もできなく食事も偏っていたので体重が約10kg増え、体調も悪くなってしまいました。そこで生活習慣を変えなければと思い、ジムに通って筋トレを始め、食事の改善をしました」。これからの目標は、40歳から出場できる空手のマスターズ大会と、フィジークの大会に出場することだという。「フィジークとは、バランスのいい筋肉の付き方を競う新しいフィットネスの競技です。ボディビルのようなムキムキの筋肉ではありません。トレーナーを付けて筋トレをし、お弁当も自分で作っています。筋肉をつけるために鶏の胸肉が中心ですが」と笑いながら話す。
周りの自然と溶け込む、木と石を美しく使ったモダンなデザイン。
今後は、『人を大切にする計画』を
今後は、『人を大切にする計画』を進めていきたいという。「先ほどもお話しましたが、創業から今までは全速力で突っ走ってきたので、今後は従業員が働きやすい環境を作るなどの足元を固めることを大切にしたいと考えています。とりあえずこれから一年間で基礎を作ろうと思っています。私も経営者セミナーを受け、社員も木住協のセミナーにどんどん参加させていきたいと考えています」と意気込みを語る。
最後に事業面での今後を伺うと、「まず、継続できる会社を目指すことです。祖父の会社や新卒で勤めた会社の倒産、その他周りの多くの倒産を見てきたので。そのためには、地道に一年一年変わって注目される会社でなくてはいけないと感じています。その積み重ねで、市内でトップクラスの企業になることを目指していきます。また、お客様も建物も社内の人材も、アフターフォローすることが大切だと思います。さらに先のビジョンとして、岡本建設にしかできないこれからの時代に合った理想の建築物の供給を目指します」と、どんな困難にも立ち向かう岡本社長のアツイ情熱と意欲が伝わってきた。
木目や節など、木の良さを十分に活かした開放的な空間。
ピカイチ社員
設計部松本 雅美 氏
業務の内容と、入社の経緯は?
設計部で木造住宅の設計と、インテリアコーディネイトを行っています。入社は2 年前です。その前は工務店で、インテリアコーディネイトと設計アシスタントを8年間。結婚・出産が早かったので、働きながら3人の子を育てながら、二級建築士とインテリアコーディネイター、宅建の資格を取得しました。
仕事で心掛けていることは?
お客様にとっては一生に一度のことなので、初心を忘れずに何ごとも軽く考えず、お客様の立場に立ってヒヤリングし、言われたことだけではなくお客様のイメージに合わせたご提案を心がけています。お客様とお話をしても、私がご要望を正確に理解できてないことやお客様が伝えきれなかったことなどもあります。それがないように、井戸端会議の中からお客様の考えをくみ取っていきます。具体的には、専門用語を使わず、わかりやすく説明すること。できないことはハッキリ言うこと。予算を明確にすることなどがあります。
うれしかったことや成功事例は?
何社かのプランニングの競合で勝ち、お客様に私の設計が一番良かったと言われた時はうれしかったです。同じ敷地・平米数なのに、私の設計が他とは何かが違うと思って選んでくれたのですから。
将来の夢は?
まだまだ勉強不足なところがあるので、さらに日々精進して、会社にとってなくてはならない存在になりたいと思っています。そしていつになるかわかりませんが、土地を買う前からお客様に寄り添い、お話をして家づくりをしたいと思います。木造は温かみがある、家が生きているという感じがします。衣食住の「住」は、人の全てが入っていると思います。住むというだけではなく、そこで食べる、そこで服を着替える。一生そこで暮らしていくというのが大事だと思うので、どれだけ快適に過ごせるか。家を建て替えたい、引っ越したいと思われないような家を作りたいと思います。
株式会社岡本建設のこだわりPOINT
社員一人ひとりが成長し
私たちの暮らす街とそこで生きる人が
より一層発展していくように
社長のひとこと
誠実、謙虚、熱心、そして感動を。
いつも、まんなかにひとのおもいを。
会社情報
会社概要
社名 | 株式会社岡本建設 |
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代表取締役 | 岡本 匠史 |
所在地 | 〒751-0864 下関市伊倉町一丁目2番25号 |
電話 | 083-242-1688 |
会社沿革
2017年 | 下関市長府中土居にて創業 |
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2019年 | 下関市稗田町へ移転 |
2020年 | 特定建設業許可取得 |
2021年 | 現在の事務所へ移転 |
事業内容
総合建設業/一級建築士事務所/宅地建物取引業/火災保険代理業