≪開発の軌跡≫YKK AP株式会社への取材インタビュー

防犯関連商品 「高強度面格子 FLA」

YKK AP 株式会社

侵入盗犯対策に最適な面格子
「高強度面格子 FLA」
最高前年比約600%の驚異の売り上げ

1934年に吉田忠雄が東京日本橋に設立したファスナーの販売業であるサンエス商会(現YKK)を設立。
1946年からは「YKK」を商標として使用しているYKKグループの建材事業の中核会社として発展したYKKAP。ファスナー生産で培ったアルミ加工技術を活かして、1966年からは一般木造住宅用サッシの生産を開始し、その後断熱サッシや複層ガラスなどの生産も進め、2002年にYKK AP株式会社に商号変更。2003年にYKK株式会社の建材製造事業本部と統合し、現在住宅用サッシ出荷数の国内シェアは第1位を誇る会社だ。
近年は窓・サッシ、ドアなどの住まいを彩る住宅建材から、エクステリア商品やカーテンウォールなどの住宅商品、建築用工業製品を幅広く提供している。
そんな同社が手掛ける「高強度面格子 FLA」が、前年比600%近くという驚異的に売り上げを伸ばしている。 その類い稀な防犯性能と強度、そして開発にまつわる秘話などを、YKK APのエクステリア本部の藤田康人さんに聞いてみました。

近年の防犯対策に求められるものは なんでしょうか?

近年、侵入窃盗や強盗の被害が増加傾向にあり、その侵入手口も空き巣だけでなく、いわゆる闇バイトを使った強盗などの凶悪犯罪に代表されるような、住民が就寝中に侵入する忍込みや在宅中の隙をつく居空きなどの被害も数多くございます。
警察庁が発表した侵入窃盗の資料によると、戸建て住宅の5割以上が窓からの侵入で、最も多いのが直接庭に出入りできる1階居室の窓。そのため1階窓にはシャッターを付けるなどの防犯対策をされる場合も多いのですが、見過ごされがちなのが、家の裏手にある洗面やキッチン付近の小窓や勝手口のドア。家の裏側という死角が多い場所の窓を破って侵入するというのは意外と多いのです。
そうした窓を保護するのが面格子で、物理的に窓を保護することで防犯に役立つだけでなく、強風や台風などによる飛来物が窓に接触して破損することの防止効果もあります。

藤田さん
エクステリア本部 エクステリア商品部
ウォールエクステリア商品企画室長

「高強度面格子 FAL」の特徴とは?

弊社にはオーソドックスな「たて面格子LA」をはじめ、デザイン性を高めた鋳物による「シャローネ面格子」など、さまざまな種類の面格子がございますが、その中でも防犯建物部品としてCP マークを取得している製品が2007年に商品化された「高強度面格子FLA」です。
CP とは防犯を表す「Crime Prevention」の頭文字を取ったもので、5分以上の抵抗性能を有する防犯建物部品のこと。これは侵入盗犯が侵入に5分以上時間がかかった場合、約7割近くが侵入をあきらめるというデータを根拠とするもの。実際この基準は大変厳しく、侵入者が格子外し、格子の切断や取付け部の破壊などの各商品に定められた試験を行い、抵抗時間が5分間以上ある事を確認された商品が防犯性能の高い建物部品と定義されています。
「高強度面格子 FLA」は、幅20mm ×奥行30mmの太く丈夫なアルミ製の格子を採用しています。たて格子、横格子、グリッド格子の3種類があり、住まいの印象を損なわないスマートなデザインが特徴で、家のスタイルやお好みに合わせてお選びいただけます。グリッドデザインは見た目的にも堅牢で、安心感があるデザインだと思います。
またこちらの商品の最大の特徴の一つが、躯体側ブラケット取付部にはねじ頭が外から見えない様に、ブラケットカバーを標準設定していること。ねじが見えないことにはねじを取り外すことはできませんからね。

 

 唯一見えているねじがブラケットカバーを留めているねじですが、一般工具(+/-ドライバー)での取外しができないワンウェイねじでカバーを使用しています。その上、壁付ブラケットカバーはブラケット本体に引っ掛ける方法を採用しているのも他社製品との大きな違いで、こじ開けに対しても高い防御性を発揮します。
実際、同商品の開発段階で試作試験などして研究したのですが、直接壁に付ける方法では、バールなどで力を掛ければカバーが浮き上がることがありました。それを改善するために引っ掛ける構造としましたので、弊社の製品は安心できると思います。
また、面格子というとどこか武骨なデザインというか、重々しい印象を受ける方もいるかと思います。しかし、上下・左右枠は緩やかなアールを描く形状として柔らかみを帯びたデザインにするなど、細部にもこだわって仕上げることで、外観の印象を損なわないように配慮しています。
 最近の新築住宅の特に水回りなど窓が少なくなっている傾向ですが、窓がある場合は面格子を付け、しっかりと防犯対策をしていただき、一般的な面格子が取り付いている既存の住宅では、今回ご紹介している防犯建物部品(CP)商品へのリフォームもご検討していただきたいと思います。後付けブラケットタイプですので、簡単にリフォームが可能です。

防犯対策の取り組みとして

闇バイトを利用した強盗や住居侵入など凶悪事件の影響を受け、面格子の需要は2024年10月から急激な高まりを見せており、2024年10月は前年比190%、11月 445%、12月380%、2025年1月 588%にまでに達しました。弊社にとっては、全くの想定外の事態であ、見込みをはるかに超える量の注文が殺到し、ご迷惑をおかけしてしまった期間もございますが、何とか乗り切ったというのが正直なところです。現在でも依然として昨年より高い需要があります。
 また昨今の強盗侵入は以前よりも派手に破壊する傾向が見られるので、より性能の高い防犯製品が求められてることもありますので、高グレードの高強度面格子 FLA をお薦めいたします。  近年は夏の暑さ対策として、窓を二重にする方も増えましたが、面格子と二重窓を組み合わせることでさらに防犯性が高めることができます。現在、窓のリフォームは自治体によっては補助金を出すなどの施策を行っているところもあります。弊社としても、行政や関係団体などと連携しながら、さらなる防犯意識向上の啓発や啓蒙を働きかけていきたいですね。
 エクステリアは、なくても住むことができる付加価値商品ですが、取付けることで各機能(防犯、目隠し、日射遮蔽など)を住宅に補完し、快適性をプラスします。面格子をはじめ、二重窓や窓シャッター、玄関ロックなどをフルにご活用いただき、防犯意識を高めていただくと同時に、安心の毎日をお過ごしいただければと思います。

ご入会メリット
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