株式会社いちい(島根県)

デザイン性に優れた新築注文住宅で
地元一位の工務店をめざす

株式会社いちい(島根県)

代表取締役渡部 智司

島根県松江市内山陰本線玉造温泉駅から500メートルほどの市街地に株式会社いちい松江本社がある。2014年にいちい建築株式会社として設立し、2017年に株式会社いちいへ社名を変更するとともに、この松江市玉湯町へ社屋を移転した。2019年には出雲支店も開設し、地元・島根に根ざした家造りのための専門家集団として、お客様それぞれの要望に応える提案を通して、各方面からのご依頼を多数いただいてきた。事業内容としては、注文住宅の設計・施工を主体として、商業施設の店舗改装、住宅のリノベーションなども行なっている。個人経営として独立してから約16年、会社設立から約10年、優秀な大工職人の育成を図るとともに、地元密着の信頼される工務店をめざす渡部智司社長に、創業の思いや事業内容、今後の目標、木造住宅への思いなどを伺った。

縁起の良い銘木イチイが社名の由来

黒と木目を基調としたモダンなデザインのオープンスペースがある邸宅。

渡部社長の会社創業に至る経歴は挑戦に満ちたものである。松江開成高校を卒業し、下水道会社に新卒入社するも一年ほどで退社。友人と二人で飲食店サウンドを開店。このお店を共同経営のパートナーに譲って、アルバイトで大工の見習いを始めたのは23歳の時であった。そこで大工の師匠に出会って弟子入りを決意。親方のもとで修業を始めたがもともと器用だったため大工仕事の腕をめきめき上げていった。31歳の時に親方の元を離れて渡部建築として独立し、新築戸建ての現場仕事を始めるようになる。
「自宅のある嫁島町での個人経営での創業でした。この時期は、元請けの担当営業が施主様に褒められるような仕事をしていくようにつとめました」。おかげで腕の良い大工職人として評判を呼んで、元請けからの指名受注も増えるようになった。そして3年後の34歳の時に、屋号をいちい建築へ変更した。社 名の由来は「一位の木」の伝説から名付けられた。その昔、鬼神が降伏した標(しるし)としてイチイの木でつくった笏(しゃく)を仁徳天皇に献上したところ、これに感動した天皇はイチイに高貴な木として「正一位」を授けたことから「一位」と呼ばれるようになったという。
「銘木いちいは縁起の良い木とされています。新しい屋号は、このような高貴な木を扱える職人集団になりたいという思いからいちい建築としました」。
いちい建築の仕事ぶりは地元での信頼を得て、請け負う現場の数も増えていった。38歳の時に、個人経営から株式会社に法人登録し、自宅から大庭町に事務所を開いたが、この時期には多くの職人を抱えて、すでに手狭であったという。
「ちょうど下請けから元請けへと事業内容を変えていく手探りの段階で、それだけに人員も増えて、社内の風通しも悪くなってきました」。
折り合いの悪かった当時の役員には辞めてもらい、一時期30人近く抱えていた社員も半数以下に減らすこととなった。

他社では真似できないデザイン性を前面に出す

2017年41歳の時に、社名を株式会社いちいへと変え、現在の松江市玉湯町へ社屋を移転したのは、会社として再出発の狙いがあったという。
現在の社員は、渡部社長を筆頭に、総務・経理1名、監督3名、職人3名、営業3名、コーディネーター 1人(ピカイチ社員の女性)に、新卒者を含めて計14名だが、この人数で安定して業務をこなしている。
「社員への指導については現場での仕事をしながらその都度教えていくスタイルで、現場での経験が一番大切である」と考えている。
それ以外は外部の協力会社に依頼しているわけだが、昔から頼んでいる信頼の置ける会社があり、付き合いが長いだけあって現場でのチームワークはとても良いという。
自社のホームページに「松江でデザイン性の優れたおしゃれな一戸建て新築を建てるならお任せください!」とあるように、株式会社いちいが手がける建築物で、最も重要視しているのは「デザイン」とのこと。
「基礎やパッシブ工法など一通りのモノは手がけていますが、他社との差別化がしづらいため価格競争になる可能性が高くなります。そのため他社には真似のできないデザイナーズ住宅を前面に押し出しています」。
自社の住宅づくりは、お客様がどのような家を建てたいのか、好みのスタイル、デザインなど大切な内容をヒアリングしながら、一緒に新しい建築物へのイメージを創り上げていく。そして、お客様からの受注後、営業が細かな希望や予算を設定し、設計を起こして、全体のデザインを固めることとなる。ここまでは、ほぼ全ての物件で渡部社長自らが確認とアドバイスをしながら完成させていく。全体の施工計画についてお客様の了承が得られたら、コーディネーターが内装や建具などをお客様と相談しながら決定していく。こうした現在の役割分担がお客様との信頼関係を築くことに役立っているとのことである。

オープンスペースは開放感と共に遊び心が伝わる。

シックな色合いながら採光性の良い設計で明るい室内を実現。

落ち着きと現代の機能性を兼ね備えた和モダンな外観。

末永く地元で信頼される工務店でありたい

さて、渡部社長が思い描く株式会社いちいの将来像についても聞いてみた。
「お客様が末永く暮らせる安心の住まいを提供し続けることで、地元で信頼される工務店であり続けたい」と願っているそうである。そのために、強靭でしなやかな高耐久資材である木の特性を活かした木造住宅にこだわるとともに、通常10年の保証期間を20年に延ばして、自社独自の「初期保証20年」の保証制度を打ち出しているとのこと。
「ひとつの工務店では住宅20年保証が限界だと思うが、たとえば木住協のような大きな団体が主導して、会員会社間で引き継ぐ仕組みで、さらなる長期保証制度がつくれないものか」、渡部社長は、こんな思いを木住協に期待しているそうである。
最後に、渡部社長のプライベート面についても伺った。
「常日頃思っているのは、好きな事を好きな時にできるように、仕事もプライベートもメリハリをつけたい」という。飲食店を経営していた20歳代前半の頃にやっていたサーフィンを復活したいし、ゴルフもスコア90を切りたいとのことであった。

広いリビングからは外の景色が一望できる。

ピカイチ社員

設計課角 美紅

入社の経緯と現在の業務内容は?

就職活動では、島根の住宅関係の会社で働きたいと希望していました。ホームページでこちらの会社を見つけて、社長が大工さんをやっていたと書いてあったので面白そうな会社だなと思いました。そして、採用欄を見たらコーディネーター募集とあったので「ここしかないな」と思って応募を決めました。新卒二年目ですが、現在は、新築住宅の内装や建具を、お客様と相談しながら決めていくコーディネーターの仕事をしています。

仕事ででこころがけていることは?

地元・島根でも、デザイン重視のおしゃれな家づくりで評判の会社ですので、コーディネーターとしての経験を積むことで、しっかりとセンスを磨いていきたいと思っています。お客様の希望をよく理解して幾つかのサンプルをピックアップする際にも、ご意向に沿ったものが揃えられるように心がけています。将来はプロとしてお客様にしっかり提案できるような信頼されるコーディネーターになっていきたいと願っています。

うれしかったことや成功事例は?

最初に内装プランをお手伝いした新築住宅の検査に立ち会った時、私がつくった平面のパースが実際の造作として仕上がった様子を見て、わあ、こんなにきれいになった、と感動したのが印象深いですね。この時は図面を描いただけなのに、お客様からもありがとうという言葉をいただいて、働きがいのある仕事だと感じました。

将来の夢は?

最近、休日にカフェに行くことがあって、やはりカフェの雰囲気っておしゃれだなと感じることがよくあります。異素材の組み合わせだったり、色彩感覚だったり、私がやっている住宅の造作にもこういう感覚を活かせないものかと、ふと思うことがあります。もっと経験を積んで、周りの世界からもいろんなものを吸収して、「私だったらこういう空間をつくりたい」というイメージを育てていきたいですね。将来、私のオリジナルのプランがお客様に気に入ってもらえて、素敵な住宅が出来上がったら素晴らしいな、と思います。

株式会社いちいのこだわりPOINT

お客様の希望をデザインに反映できる
技術力とセンスを
社員みんなで磨き上げる

社長のひとこと

信頼される家造りのための専門家集団
として地元で「一位」でありたい

会社情報

会社概要

社名 株式会社いちい
代表取締役 渡部 智司
所在地 〒699-0202 島根県松江市玉湯町湯町147-1
電話 0852-61-0191

会社沿革

2014年5月 いちい建築株式会社設立
2017年3月 株式会社いちいへ社名変更
松江市玉湯町へ社屋移転
2019年1月 出雲支社開業

事業内容

一般建築工事・新築工事・リフォーム工事・店舗改装・商業建築・電気事業・不動産賃貸・宅地建物取引業法に基づく宅地建物取引業

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