令和6年11月5日
第2部「LIXIL 『エコカラットプラス』商品誕生の背景と現在まで」について
株式会社 LIXIL タイル事業部 タイル商品部 グループリーダー 西村 羊一 氏

資材・流通委員会(入山朋之委員長)は、令和6年度第4回の「住まいのトレンドセミナー」を令和6年11月5日にZoomセミナーとして開催しました。今回は、資材・流通委員会の2種正会員会社2社による商品紹介発表会を開催。第2部は、株式会社 LIXIL タイル事業部 タイル商品部 グループリーダー 西村 羊一氏が、「LIXIL 『エコカラットプラス』商品誕生の背景と現在まで」について発表を行いました。
株式会社 LIXIL タイル事業部 タイル商品部 グループリーダー 西村 羊一氏が、「LIXIL 『エコカラットプラス』商品誕生の背景と現在まで」について発表。
○エコカラット誕生の背景
発売から25年が経ち、今や誰もが知る内装素材「エコカラット」。
その誕生の背景には、当時、住宅の高気密・高断熱化が進むことによりシックハウス症候群や結露による健康被害が社会問題に。そこで、パッシブに住環境を改善することを目的にエコカラットの開発に着手したそう。
さらに当時INAXはサスティナブルな考えを基にした『人と地球を考えたものづくり』を推進。古来の建物の技術に着目する中、日本に古くからある『蔵』は、他の建物に比べて湿度が安定していることに着目。蔵の土壁にはナノサイズの孔が多く存在し、調湿機能を果たしていることを突き止め、様々な素材配合・生産条件を試行錯誤し、構想5年で製品化に成功したといいます。
○エコカラットの進化
発売から25年間、エコカラットは新しい技術の開発に挑戦しデザインを進化。
シンプルなデザインからフェミニンなカラー展開、高精細なデジタル加飾を用いたデザインまで幅広く展開。原画データがあれば、複雑な柄でも再現できるため、将来的にはお客様からのお個別オーダーにも対応することを検討しているとしました。
さらに最新のエコカラットプラスでは、909×303㎜角のこれまでにない大きな形状のものや溶岩石の深い色合いを新規釉薬調合で再現するなど、より豊かなデザインが室内環境の可能性を広げていることに言及しました。
○エコカラットの機能とご採用空間での提供価値
ここで改めてエコカラットの4つの特徴である①調湿機能 ②有害物質の吸着 ③消臭効果 ④汚れ防止性能に触れ、住まいのどの空間にエコカラットを用いるのが最適なのかを解説。
リビングやダイニングキッチンはもちろん、近年はランドリールームなどの洗面室や玄関にもよく用いられているとしました。
さらに近年は賃貸住宅が住まいの価値を高める手段としてエコカラットを採用するケースもあり、賃料や入居率の向上に一役買っているとのことでした。
○施工が容易な新商品も登場
技能工が少ない時代に先駆け、タッカーでベースシートを壁に貼り付け、マグネット付きのエコカラットを取り付け・取り外しが簡単な「エコカラットセルフ」も登場。インテリアをおしゃれに魅せる豊富なバリエーションを揃え、新柄が発表されたら交換も容易。アイデア次第で独創的な空間を生むことが可能な商品は、今後のニーズの高まりも感じさせました。
最後に知的障害のある作家の感性豊かな作品を次々と社会へ送り出すブランド「ヘラルボニー」 との連携したアイテムも発売していることに言及。素材が生み出す快適さだけではなく、多様性が生み出す心の豊かさにより、より良い住まいづくりの可能性を探求している述べて、セミナーを終えました。