令和5年2月7日 【第1部-2】
資材‧流通委員会委員会社による商品紹介 「最高峰ハイブリッド窓のご紹介」
株式会社LIXIL 営業本部 特需営業統括部 開発第一支店 支店長 川山 剛氏

資材・流通委員会(澤田知世委員長)は、令和4年度 第8回の「住まいのトレンドセミナー」を令和5年2月7日にZoomセミナーとして開催しました。今回は1部と2部に分け、第1部の資材‧流通委員会委員会社による商品紹介では、株式会社LIXIL営業本部 特需営業統括部 開発第一支店 支店長 川山 剛氏が、「最高峰ハイブリッド窓」の紹介を行いました
株式会社LIXIL 営業本部 特需営業統括部 開発第一支店 支店長 川山 剛氏が、「最高峰ハイブリッド窓のご紹介」をZOOMで講演
株式会社LIXIL は、住まいと暮らしの総合住生活企業です。
今回は、脱炭素社会の実現に向けて住まいが担う責任と現状、住宅開口部の性能向上の必要性と自社ハイブリット窓について、川山支店長が説明しました。
「脱炭素社会の実現に向けて日本の目標は、2030年までに温室効果ガス46%削減(2013年度比較)を目指し、2050年までに実質ゼロにすることです。
しかし日本は、国連気候変動枠組条例締約国会議(COP)で3年連続「化石賞」を受賞という、化石燃料の投資が世界でもナンバー1で、化石燃料削減への取り組みが足りないとされています。これを踏まえて、これまで以上に世界でのリーダーシップをとって、気候変動対策へ取り組むことが必要だと思います」。国の地球温暖化対策計画の主な目標である温室効果ガスを、46%削減するにはどうすればよいか。川山支店長は表などの数値を見せながら説明しました。
「脱炭素型ライフスタイルの選択肢による温室効果ガス排出量削減効果の例を見ると、電気自動車、完全菜食、テレワーク、衣類の長期使用などがあげられますが、その中でも一番大きいのが「住宅の脱炭素型への転換」です。様々な選択肢の中でも「住宅の脱炭素型への転換」は、特に軽減効果が高いのです」。新築住宅だけでなく、既存住宅も高性能化していくことが不可欠だといいます。
「国は住生活基本計画でZEHの拡充を明記しています。新規住宅は2025年度に省エネ基準義務化され、遅くとも2030年までに義務基準をZEHレベルへ引き上げます。既存住宅のストックは約6,200万戸ありますが、そのエネルギー消費量の削減率は2030年までにー18%以上(2013年度比)を目指します。
しかし、2030年度の政策目標達成のために必要なZEH戸数の目安は313万戸ですが、今までのペースでの予測値では半分以下しか達成できません。ですから、国をあげてZEHの普及が大切だと思います」。
「住宅の炭素型への転換」に向けて、LIXILの取り組みの話がありました。
「日本の気候条件は、冬は北欧並み、夏は東南アジア並みで寒暖差が大きいのが特徴です。
また、住まいの中で最も熱の出入りが多いのは開口部の窓・ドアで、全体の58%を占めます。これらを考えると、開口部を広くするほど外の寒さ暑さが室内に侵入しやすいということです。
しかし、開口部を狭くすると居住者の満足度は低下します」と、開口率と採光満足度の関係グラフを見ながら説明します。
「LIXILが特に重要視しているのは、居住者の満足度を高めるために開口部をより広く確保することが大切だということです。では、この相反する課題をいかにクリアするかを考え、「日本の美しい四季を心置きなく満喫できる窓」という考えの元に窓を開発しました。さらに、新築住宅では、2022年3月期までに全ての窓シリーズを刷新し、2026年3月期までに高性能窓比率100%を目指して動いています。既存住宅は、1dayリフォーム商品で開口部の断熱性能を向上し、性能改善を促進し、CO2削減に貢献することを目指しています」。
LIXILの窓の種類は、アルミ窓、樹脂窓、ハイブリット窓があり、今回はハイブリット窓TWの紹介がありました。
「LIXILのハイブリット窓は、スリムフレームと高断熱を両立するものです。そして、圧倒的な断熱性能を実現する先進のトリプルガラスで、「採光・眺望性」と「断熱性」を両立する商品を開発しました。
大きな特長は、
①厳しい自然から暮らしを守る窓性能を上げること
②暮らしに解放感と心地よさをもたらすデザイン高めること
③安心かつ便利な暮しをかなえる使いやすさを備えることの3点です」。
窓と風景の写真や構造図を見ながら説明が続きます。
「①の窓性能は、トリプルガラス仕様(クリプトンガス入り)の熱貫流率が0.98W/㎡・K。 複層ガラス仕様(アルゴンガス入り)の熱貫流率が1.44W/㎡・K。台風の巨大化やゲリラ豪雨の増加などの気候変動の影響にも配慮しています。日本の年間降水量は世界平均の約2倍にもなり、最近は過酷な気象も多くあります。ですから、住宅用の窓として国内最高水準の耐風圧性能と水密性能を実現しています。数値でいいますと、最大瞬間風速57m/秒相当に耐える耐風圧性S-4等級。高層ビルでも耐えられるほどの水密性W-5等級を達成しています。住宅の高耐久に貢献ということについては、世界のマグネチュード6以上の地震のうち約18%は日本周辺で発生しています。ただしトリプルガラス等はどうしても高重量化してくるということがあり、躯体にかかる負荷がかかってきますが、そこを軽減する仕掛けをしています。大きくは2つあり、一つは「スマートライト構造」で、トリプルガラスでも複層ガラス並みの軽さを実現しています。また、障子による前垂れを抑制するために、品種に合わせて最適な躯体掛かり寸法を確保しています」。
②のデザイン性に対しては、「窓はガラス面積を約30%アップし、従来品と同じサイズの窓を選んでも、より多くの光・景色を採り入れることができるということにこだわっています。特に引き違い窓4枚建ては、新構造の「スレンダーマリオン」を採用し、全ての縦フレームの幅を揃えて、デザインも視界もすっきりと見えるようにしています。ご要望の多い背の高い引違い窓は、天井高2.7mにピッタリ納まるサイズもあります」。グッドデザイン賞を受賞した美しさと操作性を兼ね備えたパーツや、空間にも人の手にもなじむL-Fitデザインの採用。薄暮の時間帯をコンセプトとした新色・ダスクグレーの窓等、デザイン性を追求しています。
③の使いやすさに関しては、「下枠の段差をなくして外と内の出入りをスムーズにした、人にやさしい単体引き違い窓「フラットタイプ」を採用しています。室内とデッキが繋がり、広がり感があり眺望性に貢献しています。また、安心・安全に室内外を出入りでき、お掃除もラクになるという特長があります。また、自社のIoTホームリンク「ライフアシスト2」との連動で、スマートフォンや音声で窓・シャッターの開閉を操作でき、外出中でも安心の見守り機能を操作することができます」。
最後に川山支店長は、「人々のいつもの暮らしをより豊かで快適にするとともに、開口部の高性能化を推進し、日本の住宅の脱炭素型への転換に貢献していきます」と、意気込みを語りました。