日本木造住宅産業協会

(一社)日本木造住宅産業協会(略称/木住協)は、木造軸組工法住宅等の普及と健全な発展に寄与することを目的とした法人です。

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住まいの情報

「高齢者が住みやすい住宅」(住宅に新しい価値を付加する3つの秘訣)をテーマに
遠藤哉(株)ユニバーサルスペース代表取締役を招きトレンド情報セミナー

資材・流通委員会が開催

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高齢化社会を迎えて高齢者のための「介護リフォーム」が注目されていますが、資材・流通委員会ではこの分野で先駆的な株式会社ユニバーサルスペースの遠藤哉・代表取締役を講師に招き、「高齢者が住みやすい住宅」(住宅に新しい価値を付加する3つの秘訣)をテーマに、「住まいづくりの最新・トレンド情報セミナー」を開催しました。

遠藤講師は、①介護リフォーム市場の規模は現状で500億円程度だが、潜在的な市場は3兆円にも達する、②介護リフォーム進出にはきめ細かな高齢者対応が必要、③介護リフォームで成功するにはスピード感や専門知識の習得などが必要ーーなどと強調しました。

遠藤講師は11年間にわたって住宅大手メーカーの技術職を経験し、2009(平成21)年に介護リフォームに特化したユニバーサルスペースを設立しました。2016(平成28)年度からFC展開も開始、直営店を含め全国に26店舗を構えています。平成26年度に年間5,000件、創業以来では20,000件以上の工事実績を誇っています。こうした好業績と先進性から、平成27年度の先進的なリフォーム事業者表彰で経済産業大臣賞を受賞したのをはじめ、中小企業庁の「ものづくり・商業・サービス革新事業」などにも採択されています。

広義の介護リフォーム市場は3兆円にも

住宅リフォーム市場は各種調査で年間約6兆円規模といわれています。国土交通省の調査では、リフォーム実施世帯の世帯主年齢は「60歳以上」が46%を占めており、この比率は年々増加していることが分かっています。高齢者の在宅生活のための住環境整備として厚生労働省による「高齢者住宅改修費用助成制度」が創設され、手摺設置や段差の解消などに対して20万円を限度に改修費用の1割または2割を補助する制度が始まっています。同社ではこの助成制度の利用状況から現在の介護保険対応市場を500億円と想定しており、遠藤講師は「狭義の介護リフォーム市場は約1兆円、高齢者によるリフォームが半数近くを占めることを勘案すると潜在的な市場は約3兆円にもなります」と推計し、今後の住宅リフォームの中心的な存在になるという見方を明らかにしました。

同社では介護リフォームの受注にあたって、高齢者や親族ほかにケアマネージャーやリハビリセンターの職員なども加わって事前打ち合わせを行っています。入浴する際に浴槽を跨ぐのに苦労する高齢者も多く、打ち合わせでは高齢者がどのくらいの高さなら楽に跨げるのかなどを実測しながら進めています。遠藤講師は「一般のリフォーム工事と比べると手間がかかりますが、高齢者のニーズがつかめると同時に寸法などを詳しく調べることで、対象の高齢者の方に最適のリフォームを提供することができます」と、介護リフォームならではの苦労を説明しています。その上で「バリアフリーやホームエレベーターの導入なども良いですが、高齢者の年齢や身体状況に合わせたリフォームを行うことが本当に高齢者の住みやすい住宅と思っています」と語っていました。

成功にはスピード感と介護知識の習得が必要

同社の20,000件以上の実績は、ほとんどが介護事業者からの紹介となっています。遠藤講師は、「一般の建設企業では介護リフォームを受注する際に盛りだくさんの提案を行い、介護側や高齢者の要望がないがしろにされていることが多い」と語り、こうした不信感から介護事業者の多くは「信頼できる施工業者が不足している」と思っているそうです。このため介護リフォームでは「介護側や高齢者の本当のニーズを知り、信頼されることが必要」と述べました。

ユニバーサルスペースでは、介護リフォームで成功するにはスピード感と介護の知識の習得が欠かせないとしており、スマートフォンなどを活用したオリジナル見積もりシステムの導入のほか、価格や資料の見える化を実施しています。見える化では工事計画書を提出する際に、一般の建設企業が行っているこまかな寸法などを記載した図面ではなく、どこに手摺などを付けることが一目で分かるような工事計画案で提案しています。遠藤講師は「高齢者だけでなく親族や介護側も、どこに何が取り付けられることが容易に分かり好評を得ています」と語っています。

介護知識の習得も重要で、医師や介護関係者との会話ができるよう専門用語を理解することが最低限必要。座学のほかに身体や目が不自由な高齢者の日常を体験するため、社員などの手足に重しを付けたり、視界が悪くなるゴーグルを装着して高齢者体験を実施しています。こういう研修を体験することで、手摺の設置の重要性がわかるようになるといいます。

同社では介護リフォーム事業の深耕で今後ともFC展開を急ぐことにしており、2025年までに全国1,000店舗を構築する計画です。遠藤講師は「社会貢献と地方創生の一役を担いたいと思っています。市場規模が大きい広義の介護リフォーム市場の開拓も開始しており、介護リフォーム日本一を目指します」と述べていました。

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