日本木造住宅産業協会

(一社)日本木造住宅産業協会(略称/木住協)は、木造軸組工法住宅等の普及と健全な発展に寄与することを目的とした法人です。

お問い合せ
  • 文字の大きさ
  • 標準
  • 拡大
Menu

住まいの情報

「宅地建物取引業法の改正」をテーマに 本間・国交省不動産業課課長補佐を招きトレンド情報セミナー

資材・流通委員会が開催

著者写真

資材・流通委員会(長谷川賢司委員長)はこのほど、住まいづくりの最新・トレンド情報セミナーを開催し、国土交通省土地・建設産業局の本間優子不動産業課課長補佐が今年6月に公布された改正宅地建物取引業法を説明しました。今回の改正では、宅建業者が専門家によるインスペクション(建物状況調査)の活用を促すことによって、消費者が安心して既存住宅の売買が行えるようにした点がポイントとなっており、本間課長補佐は今回の宅建業法の改正の狙いや改正の概要、今後のスケジュール、インスペクションを実施する者の要件などについて説明しました。セミナーには同委員会の委員を中心に約20人が出席、既存住宅の流通促進と既存住宅流通市場の活性化などについて説明を受けました。

宅建業法の改正は今春に衆議院本会議、参議院本会議で可決・成立し、さる6月3日に公布されました。
本間課長補佐は、既存住宅流通市場の活性化が
①国民の資産である住宅ストックの有効活用、
②流通市場拡大による経済効果、
③ライフステージに応じた住み替えの円滑化による豊かな住生活の実現――などの観点から重要な政策課題と語りました。
ただ、現状では買主は住宅の質に対する不安があり、売主も情報提供や瑕疵担保の責任を負うことが困難になっていることが多く、欧米諸国の既存住宅流通シェアが住宅市場の約6割から8割と高いのに対し、わが国の既存住宅流通は14.7%と低い水準にとどまっている要因と指摘しました。

インスペクションの活用を促す

今回の宅建業法の改正では、既存住宅の売買に際してインスペクションの活用を促すことが狙いとされました。これによって消費者が安心して既存住宅の取引を行える市場環境の整備を図ることが目的となっています。
改正法のうちインスペクション関係は、
①媒介契約書面にインスペクションを実施する者の斡旋に関する事項を記載、
②インスペクションの結果の概要、建物の建築・維持保全の状況に関する書類の保存の状況を重要事項として説明、
③37条書面に建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項を記載――が盛り込まれ、公布から
 2年以内に施行されます。

本間課長補佐によると、改正を踏まえた標準書式などの制度の詳細は社会資本整備審議会の不動産部会で審議されており、
来年3月ころに関係省令などが公布され、インスペクション関係は平成30年春に施行される予定で検討しています。

インスペクションの内容やインスペクションを実施する者の要件、標準媒介契約約款の改正

改正では「宅建業者は媒介依頼者に交付する媒介契約書面に建物状況調査(インスペクション)を実施する者の斡旋に関する事項を記載」することとしており、現在、インスペクションの内容やインスペクションを実施する者の要件、標準媒介契約約款の改正などが検討されています。また、重要事項説明に関係することとして、①対象になるインスペクションの有効期間、②建築・維持保全の状況に関する書類の具体的な内容、③重要事項説明書のひな形の見直し――が検討される予定になっています。この中で本間課長補佐は、インスペクションを実施する者の要件について「専門知識を有し、適正な業務遂行を担保するための指導・監督などのしくみが確保されていること、円滑に調査が行われるために必要な人員が確保されていることといった観点から検討しており、例えば、建築士であって一定の講習を修了した方が想定されます」と語りました。

著者写真

インスペクションの調査対象範囲について、本間課長補佐は「まだ固まっていません」と説明しましたが、既存住宅売買瑕疵保険の対象としている範囲と同様にすることを想定しています。
既存住宅売買瑕疵保険制度では、「構造耐力上主要な部分」として基礎、基礎杭、壁、柱、小屋組、土台、斜材、床版、屋根版、横架材が対象となっており、「雨水の浸入を防止する部分」では屋根、外壁、開口部に設ける戸・枠その他の建具、排水管が対象となっています。

37条書面の記載事項に建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項を追加することに関しては、書式のひな形の検討が行われています。従来の既存住宅の取引では売買契約後にシロアリ被害や雨漏りといった隠れた瑕疵が発見され、当事者間で紛争になることも少なからずあり、双方の確認と37条書面への記載によって紛争を未然に防止し、円滑な取引を促進できるものと期待されています。

本間課長補佐はセミナー終了後の質疑応答で、「今回の改正によるインスペクションの実施によって、良いものを作って手入れをして長く住み続けられる住宅を市場で循環させることで既存住宅流通市場の活性化を図っていきたい」と強調しました。

ページのトップに戻る