頑張る会員企業訪問記

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独自の仕組みと長期優良住宅を追求

フレンディーホーム(株) (山口県下関市)

フレンディーホーム(株) 新道社長(左)と兄の新道専務住宅供給に技術開発は欠かせないもの。今回の「頑張る会員企業訪問記」は、木造軸組住宅に独自の技術開発や工夫を取り入れているフレンディーホーム株式会社(1種B正会員、本社=山口県下関市、資本金4000万円)を訪れた。白蟻や腐朽菌の被害から住まいを守るために、床下の空気を循環させる独自の仕組みを考案して取り入れた。外壁も独自の塗り壁を採用し、クラックの発生を未然に防ぐと同時にコストの低減を確立した。長期優良住宅の供給にも積極的に取り組んでおり、社員数10人というこぢんまりとした住宅企業だが、将来が楽しみな会員企業である。

数多い木住協の会員企業で、本州の最西端にあるのがフレンディーホームである。維新前には高杉晋作や坂本龍馬などが行き来し、30年ほど前までは通運や漁業で賑わったという下関だが、今はその面影もなく、駅周辺にはシャッター商店街が続いている。下関駅から約5分、周辺のビル街の中にあってひときわ目立つフレンディーホームの本社社屋があった。実は代表取締役の新道修社長(59歳)は、熊本県水俣市の出身。幼い時に両親を亡くして下関に移ってきた。地元の工務店で施工現場を担当したが、その当時は「家を造ればたちどころに売れるという住宅ブームの時代でした」と新道社長は語り出した。この間、23歳の時に独学で二級建築士の資格を取得したのに続き、36歳の時には一級建築士の資格も取得したという頑張り屋でもある。

フレンディーホームが施工した明るいリビング

価格競争から脱却、品質向上を

兄と一緒に独立して事業は順調に推移したが、ある時、同業他社との価格競争に巻き込まれてしまった。それも1回ではない。「それまでは必ず売れるという自信があったのですが、あの時はショックでしたね」と新道社長は当時を振り返る。しかし、ここで挫けてしまう訳にはいかない。新道社長は考えた。「そうだ、価格競争に巻き込まれては生き残っていけない。価格競争に勝つには住宅の品質を高め、独自の工法を確立するしかない」ということに気が付いたという。

フレンディホームの本社床下空気を循環で住み心地よく

フレンディーホームの商圏は山口県全域。温暖な地域だが、日本海側と瀬戸内側では気候風土も暮らし方も大きく違っている。客層は30歳代から40歳代の若年層で、注文住宅なら2300万円から2500万円台が中心価格帯になっている。「土地代は最高でも3.3m2あたり18万円程度で、3000万円強でゆったりとした分譲住宅が取得することができます」という。フレンディーホームが供給している木造軸組住宅は、外断熱二重通気工法である。土台に4寸角の県産材の檜を使用、室内側と外壁側に二つに通気層を造り、高い断熱性と気密性を担保している。

これだけではない。「価格競争から脱却するには、品質で勝つしかない」という反省から、さまざまな工夫を取り入れた。1つ目が屋根の耐震パネルの上に断熱材AFボードを施工すること。このAFボードは熱線反射90%以上という性能を持っており、天井裏に熱を蓄積しない。開口部にはLow-Eガラスを標準化し、直射日光を普通ガラスの5分の1まで低減する。24時間換気空調ダクトも取り入れ、床下の空気は通気層を経て吸い上げ、屋根上の棟換気から外に排出する。基礎はコンクリート蓄熱槽とし、床下にエアコンを設置したのも工夫の一つである。冬は床下の温度を温め、夏は冷やす。除湿もすることによって、白蟻や腐朽菌の発生を防止している。

「床下の空気循環を実施しているのは当社ぐらいではないでしょうか」と新道社長は胸を張っている。床下のコンクリート面の全面には抗菌作用や脱臭、化学物質除去などといった浄化機能のある光触媒材を塗布する。光触媒の効果は半永久的で、ペットなどの臭いも脱臭する。新道社長は「断熱性は北海道仕様、遮熱性は南九州仕様と同じとなっています。外壁側の通気層で熱を排出し、室内側通気層は24時間計画換気でさわやかに換気して湿気を排除しています。自然の力を活用した装置といえるものです」と語っている。冬期には床下全体が暖められ、蓄熱コンクリートによって新鮮で暖かな空気が建物全体を回るという仕組みだ。新道社長の兄である新道恵輔専務(63歳)は、「1階床の全面床暖房という効果で冬は暖かく、外気温が0℃に下がっても室内は18℃から21℃前後で安定しています。足元から暖かく、室内にストーブは必要ありません」と強調している。

充実した標準仕様、塗り壁にも工夫を

フレンディーホームの住まいづくりの基本理念は、「健康第一をモットーにして『幸福を生む健康住宅』創りを目指し、そこに住む家族が『毎日、心から喜びにあふれ、明日への希望と勇気がわいてくる我が家』のように、あらゆる家族が心から満足する住まいづくり」ということである。この基本理念に則って、すべての住宅に土台は4寸角の国産檜を使用したほか、柱には集成材、耐震強力筋交などを採用。AFボードやLow-Eガラス、エコキュート、システムキッチン、食洗機、IHヒーター、断熱バスユニット、石州瓦などもすべて標準仕様として採用している。「品質で勝つしかない」と経営判断したフレンディーホームらしい標準仕様の充実ぶりである。

ショールームに展示している長期優良住宅の躯体模型もう一つの特徴が同社独自の塗り壁。普通の塗り壁は施工後にクラックが発生してしまうケースが多く見られる。フレンディーホームの塗り壁は、下地材の上に樹脂モルタルを塗り、さらにガラス繊維の防水シートを貼り、その上に塗り壁を施工するというもの。新道専務は「当社の施工では絶対にクラックは発生しません。本社社屋にもこの塗り壁を採用しており、仮にクラックが発生した場合には全棟補償を実施しています」と語っている。

フレンディーホームでは引き渡しの際にすべて気密試験を実施し、熱損失も自社で計測する。新道社長は「住宅の質を向上させるには、どうしても住宅の断熱性を高めなければなりません。相当隙間面積は北海道基準の2.0を大きく上回る1.0以下で施工しています」と語っている。社員が少ないことをカバーすることから、営業手法は現場見学会と口コミが主流だ。見学会は家の暖かさや涼しさがより実感できる冬と夏に集中して、年4回開催する。営業職が少ないため、現場見学会には社員全員が取り組む。「多くのお客様から『フレンディーホームの家に住むと、もう他の家には住めない』というありがたい声をいただきます。口コミによる紹介も増えてきました」と新道社長は語る。

長期優良住宅は住宅企業の【武器】

フレンディーホームの直近の実績は新築部門が7棟、リフォーム部門が10件(平成22年6月期)。売上高も約1億5500万円となっている。社員数から考えると、まずまずの内容となっている。今後も決して高望みはせず、地道に住宅事業を展開していくことをモットーとしている。こうしたフレンディーホームが力を入れようとしているのが、リフォーム事業と長期優良住宅の供給だ。リフォーム事業では本社の2、3階にショールームを開設し、標準仕様の設備機器を展示している。また、ショールームの一角には独自の構造躯体や通気システムを展示しているプレゼンコーナー、リビングの設らいも設置されている。フラット35の金利1%引き下げや住宅エコポイントの創設により、リフォーム需要が増えており、これを機に増改築市場を開拓することにしている。ショールームの開設によって、問い合わせや来場者も増え出したという。

フレンディーホームの施工例長期優良住宅の普及では、木住協の「木の家モデル・地震に強い設らいの家」の共同提案者の一社になっている。新道社長は「木住協が福岡で開催した長期優良住宅のセミナーに参加したのですが、話を聞いて『これだ!』と思いました。同業他社との差別化策として長期優良住宅は願ってもないものです」と語り、「お客様にとっても耐久性や耐震性が高く、さらに補助金が出るとあって大きなメリットになっています。日本の住宅の質を向上する大きな策といえます」と続ける。このため同社では今年6月から、供給する住宅をすべて長期優良住宅仕様に切り換えた。山口県内で長期優良住宅を供給するのは、大手住宅メーカーを除けばフレンディーホームしかなく、ユーザーの間から問い合わせも相次いでいるという。「われわれ中小の住宅供給業者が生き残っていく上で、長期優良住宅は大きな【武器】です」とも語る。

フレンディーホームが木住協に入会してまだ間がないが、「省令準耐火造の取得はユーザーにとって火災保険料が割安になり、メリットが大きい。われわれも他社と差別化が図れることになり非常に良かった」と強調、また「法律改正などの情報が瞬時がインターネットを通じて入手することができ、セミナーや勉強会も相次いで開催されており、願ってもないことです。欲をいえば山口などの地方都市でも開催していただければ…」と続けている。木や木造住宅の良さについては、「木は蓄熱効果もあり暖かいし、『現し』によって重厚感や木の美しさが味わえます。適切なメンテナンスを続ければ、木造住宅は長く生活することができます。サスティナブルな唯一の素材であり、こうした点をお客様に強調して、今後も木造住宅の普及に活躍していきたいと思っています」と将来を語る。フレンディーホームは、供給する商品といい、住宅事業に対する取り組み姿勢といい、木住協を代表する優良会員企業の一社である。

※協会機関誌「木芽」2010年秋号(Vol.137)より転載

当社のピカ1社員
営業主任 新道 洋志さん

1人のお客様に30ヵ所の土地紹介

営業主任 新道 洋志(しんどう・ひろし)さん

昼間は住宅施工現場で工務に汗を流し、夕方から営業職に変身するという八面六臂の活躍を見せているのが新道洋志さん(32歳)。専務の息子さんである。毎朝7時すぎに出社し、午後4時頃までは施工現場。会社に一度戻り、作業着から背広姿に着替えて、見込み客宅を訪問するという毎日が続く。折衝の具合にもよるが、帰宅するのは午後11時を過ぎる。「お客様と話し込んだり、相談にのっていて午前様になったことも」と、苦を意識していない明るさが新道さんにはある。親子4人で、自社の分譲住宅を購入して暮らす。新道さんは「いやぁ、参りました」と苦笑する。何故かと聞いたら、「コンセントや電話線の取り付け位置が、実際に生活する身になって取り付けられていませんでした。不便でした」と明かしてくれた。使いづらさを会社にフィードバックしたことは当然。本人は「現場でいつも造っていたので殆どのことは把握していましたが、生活者という視点が欠けていました。勉強させていただきました」と謙虚である。

昼は現場、夜は営業職に変身
営業職を兼務したのは2年前から。1人のお客様に30ヵ所もの土地を探したこともある。ようやく希望の土地が見つかり新築にこぎ着け、「お客様と喜びを共有することができ、住宅営業の醍醐味を知りました」と、この時ばかりは住宅営業マンの顔になっていた。来年1月に3番目の子供が産まれる。「外断熱床下空調システムの家を、世の中に浸透させたい」ということが新道さんの夢だそうで、この日もそそくさと営業活動に出掛けていった。

会社概要
創業
昭和42年4月
設立
平成18年6月
代表取締役
新道 修
本社
〒750-0067 山口県下関市大和町1−10−11
電話
083-266-1021
ファックス
083-266-1022
資本金
4000万円
従業員
10人
ホームページ
http://www.friendyhome.co.jp
沿革
昭和42年4月
下関市内で個人創業
平成18年6月
資本金500万円で下関市豊前田町にフレンディーホームを設立
平成18年6月
下関市清末に分譲住宅の第1弾として9棟を発売
平成20年5月
資本金を4000万円に増資
平成20年6月
現住所に本社を移転
平成21年6月
供給する木造軸組住宅を長期優良住宅仕様に転換

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