日本木造住宅産業協会

(一社)日本木造住宅産業協会(略称/木住協)は、木造軸組工法住宅等の普及と健全な発展に寄与することを目的とした法人です。

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頑張る会員企業訪問記

日本の気候風土には木造住宅

日本には四季があります。また高温多湿です。そんな日本の気候風土に一番合うのは木造軸組工法住宅。
素材である「木」の特性から、調湿性や吸音性に優れ、地球環境や人の健康にもやさしいのが最大の特徴です。
そこで、木住協の機関誌「木芽」に掲載している頑張る会員企業訪問記を紹介します。

“ブレない”姿勢で信頼を得る。モノづくりの街で愛される、芯の強さとは。(株式会社 道下工務店)

代表取締役:道下 幸治 氏

広島県、福山・府中エリア。豪壮な意匠の家々が立ち並び、思わず目を奪われる。全国屈指のモノづくりの街として知られるこの地域では、木工家具をはじめ繊維製品や機械製品をつくる企業が多数あり、その産業構造上、「住まい」への思い入れやこだわりが強い地域のようだ。

伝統色の強い住宅街の景観が、そんな歴史的風土を静かに物語っている。この地に根ざし、約60年。地元の信頼を獲得し、成長を続けてきたのが道下工務店だ。創業者であるお父上から事業を引き継ぎ、2代目として事業をさらに発展させ続ける道下社長に、安定経営の秘訣を聞いた。

2代目ならではの苦悩

60年前、府中の地で大工をメインとして歩み始めた道下工務店。創業当時は事務所も小さく、職人気質の仕事を地道にこなしていたという。しかし、時代は高度経済成長期。道下工務店も時流に乗り、会社は徐々に拡大していく。現 社長である幸治少年は、徐々に事業を拡大させていく父の手腕を間近で見ながら育つ。職人として、そして経営者として、朝から晩まで黙々と働く父の背中を見続けてきた幸治少年にとって、建築の道を志すことはごく自然な流れだったのであろう。

建築系の大学を卒業した幸治青年。一度は設計事務所に入社し、オフィスビルやリゾートマンション建築などの大規模建設業務を通じて建築業のイロハを学んでいった。5年ほど経過したころ、故郷に戻ってきたが先代の急逝に伴い、若干20代で道下工務店を引き継ぐことになる。

現社長の本当の苦労はここから始まる。建築の業務そのものは修行によって大方こなせるようになっていたが、地方工務店の社長に求められる資質はそれだけではなかった。経営について、流通について、地方ならではの人間関係について・・・。学ばねばならぬことはあまりに多く、試練の連続だったそうだ。何かと顔の広かった先代の評判も行く先々で聞かされ、プレッシャーを感じることも少なくなかった。

それでも、「先代の息子なら」と声をかけてくれる地元企業に助けられ、その期待に誠実な仕事ぶりで応えていった現社長、地元での信頼を獲得し、事業を軌道にのせられるようになっていった。

完全自由設計へのこだわり

先代が築き上げた工務店としての施工技術、ノウハウ。そして、自らの修業時代に培った設計事務所としての高度な設計力、現場管理能力。これらを掛け合わせ発展させたのが、現在の道下工務店の家づくりだ。設計から工事の品質・仕上がりなどの全てにおいて、他社では簡単に真似できない丁寧な家づくり体制を築き上げている。

「ともかく『完全自由設計』にこだわった体制をとっています。お客様に本当にご納得いただけるまで何度でも打ち合わせを重ね、ご要望に応じた住まいを作り上げていきます。このきめ細やかさは、全てを自社で管理しないと実現できません。」
お客様と接する窓口はもちろん、設計、現場管理、さらには社員大工が直接施工に携わることで、下請け制度ではなかなか難しい、細部まで配慮が行き届いた施工を実現しているというわけだ。

「ここは家具をはじめとしたモノづくりの街なので、品質要求は厳しいんです。お客様の高い要求に応え続けてきたことが、現在の家づくりのきめ細やかさの背景にあるのかもしれませんね。」
ともすれば杓子定規になりがちな大手メーカーで家づくりをあきらめたお客様が相談に来るケースも少なくないという。それでは、施工とならび、お客様満足度の要となる“営業”はどのような体制をとっているのだろうか……。

“非営業”による“営業”

実は、道下工務店最大の特徴といえるのが、“営業マンのいない家づくり”だ。通常の家づくりでは営業・設計・施工と役割分担が明確化しているのが一般的だが、なぜこのような体制をとっているのだろうか。
「私たちは、家を売るプロではありません。住宅・建築物をつくるプロである技術者の集まりなんです。」社長は胸を張ってこう語る。口先だけの営業、人柄だけの営業、ノルマ達成のためのキャンペーン、甘い値引きの誘惑・・・。そういった成績重視の営業は行わず、ただひたすらに誠実な対応と家づくりの品質でコツコツと積み重ねてきた経験と実績を武器に、お客様満足度の高い家づくりを提供しているのだ。

言葉で語るのは簡単だが、それを実現するのは並大抵のことではない。「営業」、「設計」、「施工」と分業されていれば各担当は自身の分野のエキスパートでさえいればよく、狭く深い知識を自らのテリトリーの中で深化させていけばよい。しかし営業不在の道下工務店ではどうか。設計担当も施工担当も全員が一丸となって営業意識をもち、1人1人が家づくりの各工程を知り尽くしたエキスパートでなければならない。
「地元に根差した会社なので、売って終わりという風土ではありませんからね。あそこの家づくりは口先だけで中身は適当だ等という風評が立ってしまったら、この街では絶対にやっていけません。人数も限られていますから、丁寧な家づくりを、しっかりと進める、ただこれだけです。」 

道下工務店主催のイベントやセミナーでも、強引な勧誘は一切せず、お客様に情報を提供することを最重要視しているという。お客様の家づくり成功を最優先し、家づくりのための正確な知識を身につけて頂くことで、自分のペースで勉強、納得しながら、家づくりを楽しんでもらいたい。そんな想いが、営業不在体制を築き上げているというわけだ。

デザインに宿る職人の精神

道下工務店の住宅デザインは、木質感あふれる落ち着いたテイストをベースに、モダンなスパイスがさりげなく加えられた、シンプルなものが多い。
どの実例も、いかにも暮らしやすく、飽きが来ず、家族が安らげそうな設計ばかりだ。その真髄は、無駄なものをそぎ落とした潔さにあるのではないか。過度な装飾を排し、白壁はどこまでも白く。木や石、塗り壁などの素材本来の美しさを引き立てる。

凛とした、いわば家づくりの「美学」のようなものを感じる住まいである。これはおそらく、家具関連企業の多い土地柄、木や自然素材への親しみが強く、トラディショナルなデザインに触れ続けてきたという地域性が背景にあるのではないだろうか。

設計面にも、浮つかずにどっしりと構える社風が表れているかのようだ。とはいえ、近年ではデザイン志向の強い若年層の家づくりも増加傾向にある。そんな若年層に向けて、建築家とのコラボレーションデザインへの対応にも乗り出したという。硬軟両面に柔軟に対応する懐の深さがうかがえる。

竣工時には一邸一邸撮りためた写真をまとめた家づくりアルバムをすべてのお客様に渡している。元々は建築記録写真をたまたまアルバム化したことがきっかけだったが、これが思った以上に好評だったため恒例化したそうだ。今では実例集的役割も担うなど、様々な発展を見せている。

人材育成がキー

道下社長はあらゆる面で「良い仕事」をすることを継続していくことが、会社の未来につながると考えている。そこへ向けた当面の課題は人材育成だ。自らの苦労体験を教訓に、若手の育成に積極的に取り組んでいる。技術者や職人の高齢化が進む中、熟練の技術を若いスタッフにつたえるため、技術勉強会や物件ごとの打合せを頻繁に行っている。
その甲斐あってか、20〜30代の若手スタッフが、徐々にその才能を開花させているそうだ。特筆すべきは、若手女性の活躍で、女性ならではの細やかな配慮と粘り強い対応で、お客様ご家族の心をとらえている。

伝統的な家づくりを重んじる風土が残る地域において、しっかりとした芯をもちながらも、時代に合わせて柔軟に進化し続ける道下工務店。地域に愛され、長らく安定経営を続ける秘訣は、芯の強い、ブレない姿勢にあるようだ。

ピカイチ社員

現場監督/コーディネーター 高岡 秀頼 氏

部長兼設計室長 高岡 秀頼 氏Q.入社したきっかけは?
16年前、建築系の大学を卒業した後に新卒社員として入社しました。もともとこの地で生まれ育ったので、会社の存在は知っていましたが、決め手となったのは祖父の後押しですね。地域での評判が非常に良いので、入社するのなら道下工務店だ、とアドバイスをもらって。今となれば、経営面だけでなく、採用面でも地元の評判は大事なのだと実感しています。

Q.担当している仕事内容は?
現場管理の仕事を担当しています。現場でのお客様とのやりとりや部材、素材メーカーとの調整などなど、全体的な段取り役を担い、家づくりがスムーズに進むようコーディネートする仕事です。
「現場の人間にしては珍しく、お客様としっかり話せるタイプ。彼に任せておけばまずクレームにはならず、お褒めの言葉もいただけるほどで、非常に頼りにしています。(社長談)」

Q.仕事のやりがいは?
やはり住宅が出来上がった後にお客様の喜ぶ顔を見た瞬間が一番ですね。1つの住宅をつくるにしても、長い期間をかけて紆余曲折を経て、小さなトラブル、大きな問題を乗り越えてようやくこぎつけた竣工ですし、ここからご家族にとっての新たな物語が始まるわけですから、何度竣工に立ち会っても、毎回感動し、やりがいを感じられますね。

道下工務店のこだわりPOINT

地域に根差し、地域の皆様に必要とされ、愛される工務店

社長のひとこと

これからも、地域密着型の身近で親身な工務店として、そして「家づくりのプロ」として、お客様の夢をカタチに変え、地域の人々のお役に立ち喜んで頂けるような仕事を続けてまいります。

会社概要

社名

株式会社道下工務店

代表取締役

道下 幸治

本社

広島県福山市南蔵王町1-2-25

電話

084-926-2820

FAX

084-926-2821

ホームページ

会社沿革

1956年

創業

1961年

(株)道下組 設立

2009年

(株)道下工務店に社名変更

事業内容

一般注文住宅の設計・施工・リフォーム工事
店舗・事務所・工場・倉庫の設計・施工
医療・介護・福祉施設等の企画・設計・施工
賃貸マンションの企画・設計・施工

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