日本木造住宅産業協会

(一社)日本木造住宅産業協会(略称/木住協)は、木造軸組工法住宅等の普及と健全な発展に寄与することを目的とした法人です。

お問い合せ
  • 文字の大きさ
  • 標準
  • 拡大
Menu

住まいの情報

【4 住まいの情報】メニューに戻る

一覧に戻る

頑張る会員企業訪問記

日本の気候風土には木造住宅

日本には四季があります。また高温多湿です。そんな日本の気候風土に一番合うのは木造軸組工法住宅。
素材である「木」の特性から、調湿性や吸音性に優れ、地球環境や人の健康にもやさしいのが最大の特徴です。
そこで、木住協の機関誌「木芽」に掲載している頑張る会員企業訪問記を紹介します。

他にはない『マニアックさ』から始まる。品質管理マネジメントシステムの真髄(YK建物株式会社)

代表取締役:永田 正彦 氏

前職の大手ビルダーで、品質管理の責任者を務めた永田社長。ISO9001取得という重大な使命を果たすため、当時自社の木の家ととことん向き合い、木材の性能を研究し尽くし、ハイクオリティなモノづくりを確実にかなえるための品質管理システムの構築と運営を成し遂げてきた。本人いわく『マニアック』なまでの徹底的な探究と分析、その結果に基づくシステム化という経験から見えてきたものとは?それは、建材や人材育成の豊富な知識とノウハウはもちろん、自らの想う理想の木材を使った家づくりという新たな夢であった。

努力の末、ISO9001を取得し、自身のサラリーマン人生を掛けて築き上げた品質管理マネジメントシステムを次の世代に託し、大手ビルダーを退社。そこから、永田社長は夢の実現に向かってゼロからのスタートを切る。YK建物の軌跡をたどりながら、より深くマニアックに探究し、より広く効率的に浸透するシステム化を果たした同社の真髄に迫る。

品質管理の先に見えた夢

前職で品質管理システムの構築を担当していた永田社長が、ISO取得のた めに必要不可欠だったのがクレームの分析であった。その分析調査の中ですぐに直面したのが、“木”という素材のむずかしさ。木を扱っている会社だからこそ、その取り扱い方、お客様への説明の仕方、施工のマニュアル化が品質管理における重要なポイントであることに気づかされたという。そして、その問題をクリアしやすい材料が集成材だったのだ。

そこからは、いかに高品質な集成材を使って、精度の高い施工で高性能な住まいを実現するのかを追求する日々だった。製材加工工場の改修工事にも携わりながら集成材を深く学んでいった。世界最大級の木造つり屋根構造としても知られる、長野市オリンピック記念アリーナ(エムウエーブ)の材料供給にも携わった。そしてさらに集成材を追求し続けるうちに別の木材の可能性を夢見るようになったという。

「品質管理をしていると集成材にたどりつくんです。私も集成材を扱っていました。高品質な集成材を追求するには木材乾燥が重要。しかし、木材乾燥を極めていくうちに、集成材じゃなくても良いのではないかと思うようになったのです。マニアックな人間なんで、何が一番いいのか極限まで突き詰めたい。そう考えていくと適正な乾燥ができるなら、貼り合わせる手間のない無垢材でいい。同サイズで強度が問題になるなら断面の大きいものを使えばいいと考えるようになったんです。」

しかしながら、一度集成材で品質管理システム化してしまった状況の中で無垢材に逆行することはあまりにリスクが大きく現実的ではなかった。
「それなら、いつか会社を辞めたら、無垢材で自分の思うようにやってみよう」永田社長の中に現在のYK建物へと続く夢が芽吹いた瞬間であった。

『在庫』を抱えての起業

永田社長がいよいよ長年の夢にむかって、住宅会社を起業してから、最初の試練は早々に訪れた。永田社長が事務所をつくるより先にやらなくてはならなかった大仕事は、広大な倉庫探しとフォークリフトの購入だったという。

その理由は、起業早々抱えることになった木材の山。それは、長年タッグを組んで集成材の研究開発を行ってきた加工生産会社からの要請で引き取った、サンプル材の山であった。
永田社長は集成材の研究をするにあたり、その加工生産会社を通じて国内外からあらゆる木材や集成材のサンプルを取り寄せていた。それらは、そのまま構造材として使うには欠点があっても、少し手を加えれば品質を保持できるし、安価な材料として使うことができる。一方でゴミとして処分しようとすれば莫大な費用が掛かってしまうため、永田社長のビルダー時代には、そうして少しずつ活用しながら処分していたのだが、退職を視野に次の世代に仕事を引き継いでいた期間にデッドストックが大量にたまってしまったのだという。

「起業するにあたり、いきなり300坪分ほどの倉庫が必要な在庫を抱えることになりました。まずはその材料をどうやって使うかということから会社が始まったんです。世界中から集めた集成材の山を前に途方に暮れるところでしたが、有難いことに今まで付き合いのあった関係者の方々が当面の仕事を提供してくれました。受注したからには在庫の木材を使うしかない。そのために製材・加工する必要があったんです。」

倉庫に続き、必要に駆られて製材・加工設備を購入。それらを使いこなすために試行錯誤をくりかえす日々が続いたがこれが思わぬ財産になったのだと永田社長は語る。

「ひとつの設備を使いこなすのは非常に大変な作業なんです。それを一つクリアすると、次はもっとこうしたいと欲が出る。そうやって次の設備を入手し、使いこなしていくという過程が、社内のものづくりの人材育成には合致して好影響だったと思います。こんなやり方じゃなかったらもっとスピーディに業績をあげられたかもしれませんが、このプロセスで得た蓄積は言葉では表せない重要な物になっていると思っています。」

施工環境システム化の成功

大量に抱えていた在庫も順調に消費し、その後は、念願だった無垢材での家づくりへと移行していった。本格的に会社を興すにあたり、通常は設計事務所の機能があれば、施工の品質管理、材料の調達・構造関係は外注すればいいのだが、永田社長の場合、それでは納得がいかなかった。骨組みとなる構造も自社でつくりたい。仕組みやルールさえ整備して創り上げれば、トータルの品質管理まできるはずだ。前職の経験からもその自信があった。そして実際に、その考えに沿って、YK建物では製材・プレカット・木材乾燥も自社で行っている。さらに数年前からセルロースファイバーも自社で施工。内貼りシートを張ることで気密性を高め、その施工精度をさらに高めるために気密測定も行っている。

「測定してデータをとると、いい面も悪い面も数値化して見えてくる。その数値を共有することで、どういう施工をすると気密性の高い施工ができるかを現場同士で競っています。」

この気密測定の他にも、YK建物では木住協のチェックポイントなど既存のマニュアルをうまく利用したり、現場写真等の施工記録を社内外で閲覧できるシステムを導入し、施工環境の見える化を図っている。そしてこうしたシステムが整ってからお客様のクレームが激減し、紹介が増加するようになった。誤発注・施工ミスが減少し利益率の上昇にもつながっているという。

「ものづくりの人材育成についてはモチベーションを挙げながら実践できる仕組みができてきています。今年からは、営業・設計の人材を育てる仕組みも作っていきたいと考えています。」

他社とは一味違う家づくりを目指して

木材の品質については、日々の改良を重ねながらも当初に目指したレベルを達成できたと語る永田社長。その彼が自信を持って語るYK建物の特長とは、わが家をつくるプロセスが自社の製材工場から木材乾燥場、施工現場などを案内することで丸ごとすべてお客様に見てもらえるところだという。最初から構造材の品質や家づくりの詳細なプロセスにこだわるというお客様は、多くはないが、自分の眼で確かめてもらううちに、わが家により一層の愛着がわき、自分も家づくりに参加しているんだという感覚が生まれるためにクレームはほとんど出ないのだという。

こうしたお客様の心を堅実につかむ方法論を確立している一方で、最近では新規のお客様を獲得する戦略も積極的に打って出ている。
「4、5年前に高崎に展示場を建設しました。これをきっかけに、受注スタイルも変わってきましたしエリア的にも付加価値の高い商品を購入できるキャパのある層がターゲットになり安定的に受注できるようになりました。」

また、老人ホームなど住宅以外の仕事も口コミで受注が入るようになったり、展示場に出すことで地元の木を使って、自社製材で適正価格の高品質な家ができるというブランド特性を示すことができた。こうした好況の中、永田社長は飽くまでも冷静に今後の家づくりについてこう語ってくれた。

「今後は年間50~60棟規模の企業を目指したいと思っています。ただ、当たり前のものをつくるのではなく、他の企業とは違う、高品質な無垢材を扱えるという点を活かしたい。他の建築会社が不得意なところをやっていきたいですね。他社との共存のためにも。最終的には、和風の美しい家を建てる会社や、地域の特性を活かした家づくりをしている会社など特長ある家づくりで生き残っている先輩企業を見習いながら、そこを目指して近づいていきたいと思っています。」

※協会機関誌「木芽」2015年夏号(Vol.156)より転載

ピカイチ社員

営業・設計 高木 聡 氏

営業・設計 高木 聡 氏Q.担当している仕事内容は?
営業設計を担当しています。7年前の入社当時、当社にはお客様の前に出る設計はいませんでしたが、私の場合は前職(実家の設計事務所)の流れで自然と営業設計の形になりました。個人的にはお客様と接しないと家づくりはできないと感じています。お客様との間に入った人間が、要望をすべて汲み取って伝えるというのは難しいと思うんです。そう考えると設計がお客様と対面するのは自然だと思っています。

Q.1週間のスケジュールは?
お客様を常に追わなくてはいけない立場なので、週末はお客様と会って商談をします。そのための資料作成に平日は時間を割いています。
その他の時間は申請関係や情報収集、地鎮祭をセッティングしたりと営業担当としての雑務に追われています。お客様はほとんど媒体を通じてアクセスしてくる方が多いですね。チラシや雑誌を見てHPにたどり着き、問合せをいただいたり、DMを見て来て下さったりという感じです。

Q.印象的だった仕事は?
長期優良住宅の補助金対象物件として受注したのですが、お客様がスキップフロアで十数畳の広大な吹抜けのあるお住まいを要望されていて、条件をクリアするのに大変苦労しました。木造の構造計算を手計算できる専門家を探すところから始まり、技術的に試行錯誤してなんとかお客様の満足のいく住まいに仕上げました。苦労しましたがこのお客様は今でも当社のことを大変評価してくれています。当社の場合、他社で断られたり条件が合わなくて困っているお客様が最後に訪れるという側面もあるので、正直大変ですが、お願いされると何とか答えなくてはと思ってしまいます。

CROSS HOUSE(YK建物)のこだわりPOINT

「顔の見える木材」を用し、自然素材や無垢材に囲まれた健やかな暮らしを

社長のひとこと

大自然の恵みである木を見つめ続け、私たちがたどりついたのは、群馬県産をはじめとする近県産の木材を使うこと。地域で生まれた木。
地域の気候で育った木々たち。そんな「顔の見える木材」が与える心地よさ、安心感を大切にして木にこだわる。それは、住む人の心と体を健やかにするクロスハウスのこだわりです。

会社概要

社名

YK建物株式会社
設計:クロスハウス建築設計事務所

代表取締役

永田 正彦

本社

群馬県伊勢崎市下触町841-2

電話

0270-40-0740

FAX

0270-40-0741

会社沿革

設立

平成15年5月16日

グループ会社

有限会社 木辻/事業内容 木材加工(プレカット)

ページのトップに戻る