日本木造住宅産業協会

(一社)日本木造住宅産業協会(略称/木住協)は、木造軸組工法住宅等の普及と健全な発展に寄与することを目的とした法人です。

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頑張る会員企業訪問記

日本の気候風土には木造住宅

日本には四季があります。また高温多湿です。そんな日本の気候風土に一番合うのは木造軸組工法住宅。
素材である「木」の特性から、調湿性や吸音性に優れ、地球環境や人の健康にもやさしいのが最大の特徴です。
そこで、木住協の機関誌「木芽」に掲載している頑張る会員企業訪問記を紹介します。

“高満足度”と“高効率受注”の両立を目指すバランス戦略 近藤建設工業株式会社(静岡県焼津市)

近藤社長近藤社長の案内で訪れたのは、意外な場所だった。そこは、日用品からインテリア、家電やカー用品までズラリと並ぶいわゆるホームセンター。実はこれも近藤建設工業の展開する事業の1つである。

漁港の街、焼津市内にこの店舗を含め3つの拠点を構える同社。市の中心部からアクセスのよい場所には、営業拠点となるショールーム。そのほど近くには、地元の人に多彩な商品を提供し愛され続けるホームセンター。そして郊外の工場地帯には、製材工場を有する本社がある。

この拠点配置が物語るように、同社はこの地域全体を“地元”として深く溶け込み、各拠点が適材適所の役割を果たしながら確実にその歴史を積み重ねている。そして今、さらにお客様の信頼を裏切ることなくリピーターを育てるための“高い顧客満足度”と、限られたエリアで長年にわたり事業を継続していくための“効率的な受注”のベストバランスを模索している。今回は、そんな同社の次なるビジョンを追う。

入口は“歴史”

近藤建設工業を初めて訪れる人の中には、「長年続いている会社だから」という理由で、同社に信頼感を感じたことがきっかけという方が少なくない。まもなく創業100周年を迎える老舗企業だからこその強みである。 歴史を辿れば、大正7年(1918年)に創業。木製建具を扱う木工会社としてスタートした。そこから、自社で山林を所有し製材部門へと事業を拡大していく。さらに終戦後には、先代の社長が住宅を含む建築業に着手し、ハウスメーカーの下請け施工や、自社建築などを手掛けていくようになる。

当時から、単なる施工会社としてではなく、木材を始めとする材料手配等まで含めた施工管理を行っていたため、材料に関する知識から現場での施工技術まで、この時代に家づくりのノウハウを着々と蓄積していった。その後、設計事務所で病院・大学・研究施設など大規模な建築物の設計を手掛けてきた現社長が加わり、本格的な注文住宅の建築を中心とした事業へと展開していく。

そして現在、近藤建設工業がたどり着いた住宅の魅力とは何だろうか?1つには、お客様の描く住まいのカタチに合わせて伝統的な在来工法でも先進の木造工法でも建てられること。そしてそのいずれにおいても高い耐震性能を発揮できること。また、2020年の省エネ基準適合住宅の義務化を始めとする時代の流れを見据えて、パッシブデザインを採り入れた心地よくエコな住まいを実現できるということ。 つまり、これからの快適な暮らしに必要不可欠な住まいのクオリティをクリアしながら、一邸一邸、お客様と語り合いながらフルオーダーでつくる“世界にひとつしかない高性能なわが家”を実現できることだと言える。

理想の家づくりをかなえた出会い

住宅街にあっても開放感と明るさを採り入れることのできる中庭のある住まい。“歴史”という入口から、顔をのぞかせたお客様の心をグッとひきつける“世界でひとつしかない高性能なわが家”。それを実現できるようになるまで、近藤社長は理想の家づくりをカタチにできる工法を探していた。「これまでに施工現場で様々な木造工法に触れ、実際に施工をしながら、自分たちの家づくりに相応しい構法を検討し続けてきました。そんな中で雑誌だったか、新聞だったか、ふと目にとまった記事に掲載されていたのがこのSE構法だったんです。」

近藤社長が注目した耐震SE構法とは、(株)NCNが提供する頑丈な柱と梁で建築を支えるラーメン構造を木造で実現した画期的な工法だった。強度や品質に優れた集成材の柱と梁を強靭な金物で剛接合することで揺るぎない強度の骨組みをかなえる。構造躯体全体で建物を支えることで高い耐震性と柱や壁の少ない開放的な大空間を実現できるというものだ。 「冬季オリンピックの舞台となった長野県のエムウェーブにつかわれた集成材を住宅用に利用できないかという発想から生まれたそうなんです。その記事を偶然見つけて非常に興味を持ちましたね。」 その後、木工や製材の事業でつながりのあった関係各社から情報収集し、遂には登録施工店としてこの構法を駆使した家づくりをスタートする。さらに、登録施工店の中でも選りすぐりの工務店だけで結成されるグループにも選ばれ、同グループのメンバーと協力しながら研究を重ね、SE構法を極めている。

一方で、「気持ちのいい空間をつくりたい。」という近藤社長の信念にかなうもう一つの出会いがあった。特別な機械装置を使わずに、屋根や開口部・床など建物そのものの建築的工夫によって太陽エネルギーを利用するという家づくり“OMソーラー”である。「すごくいい空間をつくっているなと感じましたし、自然の力を活かすという考え方もシンプルでとても共感できるものでした。」偶然の出会いと長年の歴史の中で築いてきたネットワークを頼りに、自分達の目指す家づくりをカタチにする先進的木造構法と、家づくりの思想に巡りあうことで、近藤社長の目指す住まいづくりの原型が整った。そして、これまで培ってきた同社の高度な施工力がこの理想の家づくりを厳密に形にし、高性能な住まいを確立したのである。こうして自分達の目指す家づくりをカタチにし、時代のニーズをいち早く読み解きながら進化させ、補助金制度等を有効に活用しながら付加価値の高い家づくりを提案している。

オーダーメイドのための時間

「うちの家づくりはオーダーメイドですから、お客様との会話のキャッチボールを何より大事にしています。」実際に日々お客様との接客に追われる営業担当の斎藤氏はそう語ってくれた。「昔なら、敷地の中に駐車場が何台分欲しい、LDKと対面式のキッチンがあって、子どもが何人だから子供部屋がいくつ必要という条件から間取りを考えていたんです。しかし、最近はご家族の住まい方に合わせて考える時代です。新しい家にこれからどんなスタイルで暮らすのかを考える。将来のことを考えてひとつの空間を間仕切りできるようにとか。どんな材料で建てたいかとか。当社の注文住宅では、コストの問題と相談しながらお客様がひとつひとつ選べるようにご提案しています。当然時間はかかりますが、お客様にとっては一生に一度のことですからね。」

この丁寧で誠実な家づくりのプロセスが、近藤建設工業の家づくりの熱心なファンをつくり、高い成約率に結びついている。しかし近藤社長はこの点を自社最強の長所と認めながらも、最大の改善点だと考える。 「例えば大手のハウスメーカーさんなら、注文住宅といってもオーダーの基準となるプランが用意されています。そのプランもニーズを分析して練り上げられたものが多いし、注文住宅を効率的に受注する上では悪い方法ではないと思います。私たちの場合、成約率は高いが時間がかかる分どうしても受注棟数が伸びません。そこは課題なんです。」

弱点克服の鍵は“小さな家”

近藤社長が課題とする受注の効率化。その問題解決の鍵となるのが“小さな家”だ。「当社のお客様は比較的大き目のおうちが多いんです。逆に言うと、2000万円前後の小さ目な家の受注には弱い。一次所得者層をつかめていないというのが現状です。」この弱点克服に向けて、近藤建設工業では起爆剤として新たなモデルハウスの建築・公開を予定している。「家自体がサイズダウンする分、コストも抑えることになりますが、基本的な家づくりは変わりません。同じ2000万円の家でも、これだけ広がりのある心地よい家を建てられますよということをモデルハウスという形にしてお客様にお見せしたいと思っています。」

将来的に長く使える強い構造で、可変性もあるから増改築時にも心配はない。その上、温熱環境にも十分に配慮しているので、20〜30年経ったら壊さないととても住めないという家には決してならない。限りある予算の中でも、これだけの住まいが実現できることをわかりやすい形で提示しようとしている。「小さくても本当に品質のいいものを提案したいんです。」家づくりのこだわりはそのままに、新たなターゲットに向けて発信する“小さな家”。近藤建設工業が次に目指すのは、このモデルハウスでのカウンターセールスによる“顧客満足度”と“高効率受注”の両立であった。

リフォームで活きる “オーダーメイド魂”

モダンなデザインから本格和風まで幅広い外観を実現。室内も機能的で住み心地の良い空間を提案している。新たなビジョンを掲げ、邁進する近藤建設工業だが、新築受注が頭打ちに近いと言われるこの時代、リフォームへの挑戦も避けては通れない道だ。営業担当の斎藤氏は、リフォームニーズにも高齢化社会を実感する要望が高まっていると語る。

「確実にバリアフリーリフォームの要望が高まってきていると思います。ただこの分野は建築のプロだけでは難しい。ですからお客様をお世話している介護のプロの方とお話をしながら、間違いのないリフォームをしていかないとダメなんです。」

ゼロから作り上げる新築注文住宅のプロセスとは異なり、よりマニュアル化の難しい臨機応変な対応力と高度な技術力が問われるリフォームの世界。ここでも近藤建設工業は、積み上げた確かな技術を発揮するとともに、それだけでは得られない高評価を得始めている。「初めはお客様に紹介された介護士さんやケアマネージャーさんが、一緒に進めていくうちに当社のファンになってくれるんです。ですから次からは介護士さんたちがご指名でリフォームの物件を紹介してくます。そんな中で自然と口コミでネットワークが広がっていっているんです。」

お客様にとって長年住み慣れ、愛着のあるわが家に、確実により快適な機能を付加しなければならないリフォーム。施工技術の難しさだけでなく補助金手続きから介護アドバイスの理解など手のかかる分野でもある。しかし、だからこそお客様の要望を丁寧に、確実に誠心誠意で形にする“オーダーメイド魂”が、浸透し認められ、図らずも新たなターゲットを開拓しつつあるようだ。

※協会機関誌「木芽」2014年夏号(Vol.152)より転載

ピカイチ社員

計画営業部 部長 齋藤 正司

計画営業部 部長 齋藤 正司Q.1日の仕事内容は?
「まず、前日にスケジュールを確認して翌日の行動計画を立てます。午前中は、打合せ(建築現場・お客様)に行きます。午後は、打合せしてきた内容を帰社後に各担当へ連絡します。その後は、お客様へのプレゼン資料の用意をしておきます。その間、急に入るリフォームやアフターサービスのアポを空いた時間で対応し、夜は社内の進捗状況を確認して、翌日の計画を立てるようにしています。」

Q.貴社の魅力は?
「長年やっている会社だということで、信頼感を持って訪ねてきて下さるお客様が多いですね。あとは、耐震性や断熱性といった性能面や可変性に優れた家であると同時に、オーダーメイドで世界に一つだけのお住まいをじっくりとつくりあげることができるという点ではないでしょうか。」

Q.今後の目標は?
「当社もあと数年で創業100年を迎えます。長年やっているからどうしたと言われるのでは意味がありません。100周年という節目を迎えるにあたって、より頼もしい会社、地元で愛される会社になっていかなければと思っています。そのためには、とにかく日々勉強していかないと追いつかないんですよ。ですから、今後も頑張って勉強しながらお客様に提案していくことが大事だと思っています。」

近藤建設工業のこだわりPOINT

自然素材を活かしてつくる これからの時代にマッチした高性能住宅

社長のひとこと

「ライフスタイルの変化に合わせて間取りの変更が柔軟にでき、地震に強いSE構法の家(重量木骨の家)や、太陽熱を利用して室内を暖めるOMソーラーの家、和風建築にこだわった在来軸組工法の家など様々な工法に対応し、自然素材やオリジナル家具等に包まれた木の温もりを感じる住まいを提案します。」

卓越した設計力・施工力を活かし、スタイリッシュなデザインと木質感溢れる空間づくりで心地の良い住まいを実現している。

会社概要

社名

近藤建設工業株式会社

代表取締役

近藤 吉典

専務取締役

近藤 友一

本社

静岡県焼津市一色1075-1

電話

(054)624-8100 (代表)

FAX

(054)624-6597

e-maill

会社沿革

大正7年3月

創業、建具工事業開業

昭和22年3月

近藤木工株式会社に改組、製材業開業

昭和33年1月

建築工事業開業

昭和36年1月

建築工事業県知事登録

昭和42年11月

焼津市小川98番地に移転

昭和50年12月

現在地に移転

昭和51年6月

建具工事業県知事登録

昭和56年2月

県知事登録一般建設業を特定建設業に変更

昭和56年8月

宅地建設取引業県知事登録

昭和59年12月

近藤建設工業株式会社に社名変更

昭和60年4月

小売事業部ジョイフルパル設立

平成9年9月

ジョイフルパル、パルボックス増設

平成15年8月

OMエコショップパル開設

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