日本木造住宅産業協会

(一社)日本木造住宅産業協会(略称/木住協)は、木造軸組工法住宅等の普及と健全な発展に寄与することを目的とした法人です。

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頑張る会員企業訪問記

日本の気候風土には木造住宅

日本には四季があります。また高温多湿です。そんな日本の気候風土に一番合うのは木造軸組工法住宅。
素材である「木」の特性から、調湿性や吸音性に優れ、地球環境や人の健康にもやさしいのが最大の特徴です。
そこで、木住協の機関誌「木芽」に掲載している頑張る会員企業訪問記を紹介します。

“自社完結型”へのこだわりと将来に繋ぐ“地域の絆” 株式会社サトー住販(山形県寒河江市)

佐藤社長「とにかくここですべてを完結させたいんですよ。」
インタビュー中、佐藤社長は何度となくそう口にした。“長く大切に住まえるいい家を”をモットーに、住宅の高性能化と、コスト面、構造、施工プロセスにおける徹底的な合理化を追求するサトー住販。その目標達成のための重要なキーワードとなるのが、“自社完結”である。

社長自らが開発した独自のJGS工法。その工法精度を保つための自社工場。そして、自社設計、自社施工の実施。将来的には長期優良住宅に続き、長期性能タイプの認定取得と、リフォーム物件における瑕疵保証を取得し、新築・リフォームを問わず、高性能で安心安全が保証された“自社完結型”の家づくりを目指す。

一方で、営業面での顧客獲得戦略には全く無頓着だと語り、どこか排他的にすら感じられるが、佐藤社長は意外にも、地域の工務店をはじめとした地元の仲間と強く結びつきながら展開していく姿を将来像として描いている。その近い将来に向けて“自社完結”にこだわり続けるその理由に迫ってみた。

家を建てるなら“足元”から

設計自由度と耐震性の高いJGS工法なら、ダイナミックな吹抜けの空間も実現。十数年程前のことである。将棋の駒の生産で知られる山形県天童市。そこにサトー住販が当時公開していたモデルハウスで、佐藤社長は一組のお客様と出会った。奥様の実家がモデルハウスにほど近く、帰省ついでにたまたまご主人と訪れ、同社の住まいをすっかり気に入ったというのである。もちろん、断る理由はない。商談が進み建築予定地を訪ねると“浦安”との返答。珍しく耳慣れない地名だと思っていたら、なんと千葉県浦安市だったのである。

「まさかそんな遠方のお客様だと思わないから、いいですよと答えたまではいいけど内心焦りました。それでも引き受けたからには建てなくてはいけないってことで、現地に見に行ったんですが…。」実際に建築予定地に足を運び、地盤調査を開始。調査は義務化されてはいなかったが、当時からの社長のこだわりで綿密な敷地・地盤調査を行った結果、一筋縄ではいかない“軟弱地盤”であることが判明したのである。「このまま家を建てるなんてとんでもない。地盤改良をしないと絶対に建てられないとお客様に伝えたんです。ところが、当時その地域に戸建て住宅も高層マンションも建てていたが、地盤改良が必要だなんて話聞いたことがないと大変不信がられましてね。」

浦安市と言えば市の大半が埋立地であり、東日本大震災直後は液状化現象が広範囲にわたって発生し、甚大な被害のあった土地である。しかし、その時、誰がそんな事態を予想し得たであろうか。結局、半信半疑ながらも、佐藤社長の熱弁に説得されて、そのお客様の家は、しっかりと地盤改良を施したうえで建築に至った。そして、完成した住まいは十数年後に、未曾有の震災をほぼ無傷で耐え抜き、佐藤社長が多大なる感謝を受けたことは言うまでもない。建築地からは遠く離れた山形の地での出会いが、まさにそのご家族の運命を救ったのである。

「地盤のことには私もうるさい方だからね。」と語る佐藤社長。その理由を尋ねると、長年の現場経験だけでなく、生まれ育ったこの山形県寒河江市という土地にも関係するという。「このエリアは山の中腹に古代の窯跡があるんですよ。さらにその上には砂利のような、川の跡が残っている奇妙な土地。そして山のふもとは平地と、昔は動物の水のみ場だったと思われる一段低い土地があるんです。それが最上川の水が抜けたあとの湿地帯みたいな場所だから、軟弱地盤なんですよ。父親も建築関係だったので、傾いた建物をジャッキアップしたとかそんな話も良く聞いていました。」佐藤社長自身も、以前は現場での建築施工に従事していた時期があり、自分が手掛けた以外にこのエリアの土地で地盤が崩れ、傾いてしまった家を目撃したことも少なくないという。それほど軟弱地盤が身近にあり、“家を建てるなら足元から固めなければ”という意識が自然と強く根付いていったのだという。

現場で感じた疑問への答えを探して

基礎がめり込み、地面に吸い込まれるように傾いてしまった家…。生まれ育った町で目にしたその景色が盤石な地盤への強いこだわりを育んだように、佐藤社長が建築現場で見て、肌で感じた経験や疑問が、現在のサトー住販の家づくりの重要な核となっている。「柱ひとつとっても、せっかくこんなに立派な太い木なのに、どうしてここまで欠きこむ必要があるんだろうか?こんなスカスカな木で強い家にできるんだろうか?と疑問に感じてたんです。昔なら、そんなやり方しか柱と柱を接合する方法がなかったというのもわかりますが、今の時代ならもっと方法があるはずだと。」

木材の強さを最大限に活かし、合理的かつ制度の高い工法を―そんな長年の想いが、同社独自のJGS工法を生み出した。JGS工法では、一般木材の1.5倍の強度がある構造用集成材をSマークの仕口金物で強固に連結する。耐力壁は耐震性に優れたパネルを採用し、内部の石膏ボードとあわせて、壁倍率最高の5を実現。木造3階建ての耐震実験でその強度は実証済みだという。“長く大切に暮らせる家を”という佐藤社長の信念から生まれ、社長自ら独自に開発したこの工法は、国土交通省の外郭団体(公財)日本住宅木材技術センターの合理化システムの認証を10年前に取得し、その性能の高さを客観的に認められている。

徹底的な合理化の追求

かつて建築現場で疑問を感じた、旧来の在来工法に起こる柱の断面欠損を解消すべく、金物工法にこだわり、さらに強度を高めるパネル化を採り入れ、外断熱工法を用いたJGS工法。佐藤社長はこの独自の構造に自らが描いた理想形を見出した。「今までの在来工法より、もっと簡単、もっと合理的で、しかも強度も耐久性もある。パネルを使って外断熱工法にしているので断熱性、気密性も高まる。構造材やパネル、金物もオリジナルで精密につくっているので、建築時に熟練の施工技術が必要ということはなく、大工さんの費用も半分以下におさえられるし、若い人の雇用にもつながります。その分断熱材やサッシといった部分にいい材料を使うことができる。そう考えるとこれしかないと思ったんです。」

この理想の工法を実現化するには、精度の高い構造材の生産体制が必要であった。しかし、当時佐藤社長の求める精度を既存の構造材で実現することは難しく、自社で生産ラインを整備することを決意する。高精度のプレカットラインがあると聞いて福島県まで視察に行くなど、情報収集に労を惜しまず、満足の行く製造設備を厳選して導入。50mにわたるオートメーション化された製造ラインを確立した。自社生産の高品質な構造材による自社工法の高性能で合理的な住まい。佐藤社長が、かつて感じた建築現場での疑問に出した答えがそこにあった。

“自社完結型”からはじまる地域の絆

「今は長期優良住宅の認定を受けているが、今後は長期性能タイプの認証取得も受けて、弊社に頼めば安心が保証されているという風にしたいんです。」佐藤社長の描く3つのビジョンがある。まず一つ目は、敷地地盤の調査に始まり、精度の高い構造材の生産、従来の在来工法を凌ぐ独自の自社工法、そして設計から認証取得まで、“安心して長く住まえる家づくり”をトータルに自社で完結できる仕組みづくり。この点についてはほぼ完成形に近づいている。 そして2つ目に、その“自社完結型”のシステムを広く地元の建築業者に活用してもらいたいというもの。「山形県のなかでも、一生懸命に努力されている工務店や施工会社がたくさんいらっしゃると思います。ですが、納期やコストの問題や技術面、性能面の問題を抱え、なかなか受注するのが難しい時代です。チャンスを逃してしまうケースも少なくないと思うんです。そういう場合に、弊社のシステムに交わってうまく活用していただけたらと考えています。」

自由度の高いJGS工法なら洋風住宅から本格的な和風住宅まであらゆるオーダーに対応できる。また、精度の確かな構造材を、基礎設計とともに用意することで安定した高性能住宅を短納期で建築できる。さらには標準仕様での長期優良住宅、長期性能タイプの認証取得といった安心感がある。こうしたメリットを“自社完結型”でパッケージングした住まいを広く配信していくことで、自社の事業発展だけでなく、地域の建築業者とともに成長を目指す将来を見据えているのだ。

“新築中心”からの脱却

モダンなデザインから本格和風まで幅広い外観を実現。室内も機能的で住み心地の良い空間を提案している。サトー住販では、県下の住宅会社の中でも先駆けて長期優良住宅に取り組んできた。制度開始直後から新築分野での先導的モデル事業に採択され、いち早く耐久性、強度等が約束された安心な家づくりを実施してきた。さらに、震災後の平成24年以降は、リフォーム物件が対象となった同制度において、引き続きモデル事業に採択され、中古物件のリフォームにおいても新築同様に高性能住宅の提供を行ってきた。豊富な地盤の知識、木造工法への精通と高度な技術力。そうしたサトー住販の特長はもとよりリフォームにおいてもその成果を大いに発揮する。佐藤社長はそれゆえに、リフォームについても“得意分野”だと語る。

「一般在来工法のリフォームなら、耐震化・省エネ化・長期優良仕様、なんでもできると自負しています。これからは新築の割合が減り、いかにストック住宅を活用するかという時代でしょうが、弊社としては今後は瑕疵保証付きリフォームを仲介請負することで中古物件の流通に貢献していきたいと思っています。」中古物件を購入する買い手側で考えた時に、住宅の性能品質についての保証がなければ安心して購入することはできないし、それでは中古物件の流通は普及しないと佐藤社長は語る。瑕疵保証を行うことにより売り手にも買い手にも安心なリフォームを“自社完結型”でできる仕組みを構築することで、今後のストック住宅時代を支えていければと3つめのビジョンを語ってくれた。

※協会機関誌「木芽」2014年春号(Vol.151)より転載

ピカイチ社員

設計/二級建築士 安達 由香氏

設計/二級建築士 安達 由香氏Q.現在の仕事内容は?
「基本的なプラン内容は社長がお客様と打合せをします。私は、そこで聞き取った内容を図面に落とし込んでいく作業です。具体化する時に、問題が出てきたらその都度、社長と相談しながら進めています。あとは確認申請などの手続き関係とかですね。」

Q.貴社の魅力は?
「ひとつは、外断熱工法が標準という点ですかね。高校の建築科を出てからすぐに住宅会社に勤め、そこから何社か経験しましたが、標準というところが今までなかったので。それから、社長が新しいものを色々と先を見据えて採り入れるので、それも会社の魅力になっているのかなと。私もそれについていけるように情報収集して、常にお客様が今の時点でベストな家を建てられるようにお手伝いできればと思っています。」

Q.設計担当として心掛けていることは?
「安全面での性能を保ちながら、いかにお客様のご要望にお応えできるかという点ですね。他にも、平面図を見ただけだとなかなか立体的に住まいのイメージが湧かないお客様もいらっしゃると思うので、実際に建てた時、形にした時にどうなるかというところをわかりやすく説明できるようにしたいと思っています。」

サトー住販のこだわりPOINT

自社システムでつくりあげる 長く大切に住まえる高性能住宅

社長のひとこと

「自社工場での生産、独自の「JGS」工法、自社での設計、施工、分譲地まですべて自社開発により、高性能でも予算は大幅圧縮を実現しています。木住協の省令準耐火構造(T構造)なので火災保険料も割り引かれるうえ、長期優良住宅なので国の優遇制度も受けられる高品質高耐久な構造体の木造住宅です。」

会社概要

社名

株式会社 サトー住販

代表取締役

佐藤 茂利

取締役

佐藤 敏恵

本社

山形県寒河江市大字柴橋(木の沢)1454番地10

TEL.

0237-84-5061(会社代表番号)

FAX.

0237-86-5442

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会社沿革

昭和26年1月

創業 初代:佐藤孝助が建築業を始める。

平成4年12月

会社設立 株式会社サトー住販となる。

工法認定等

財)日本住宅木材技術センター 合理化システム認定取得 「JGS」工法

NETIS(国土交通省)新技術登録 「ユナイテッドコンクリートシステム」

営業品目

宅地分譲・分譲住宅の販売

注文住宅の設計施工

リフォーム工事

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