日本木造住宅産業協会

(一社)日本木造住宅産業協会(略称/木住協)は、木造軸組工法住宅等の普及と健全な発展に寄与することを目的とした法人です。

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頑張る会員企業訪問記

日本の気候風土には木造住宅

日本には四季があります。また高温多湿です。そんな日本の気候風土に一番合うのは木造軸組工法住宅。
素材である「木」の特性から、調湿性や吸音性に優れ、地球環境や人の健康にもやさしいのが最大の特徴です。
そこで、木住協の機関誌「木芽」に掲載している頑張る会員企業訪問記を紹介します。

驚異の紹介受注率と“定借”積極活用を叶えた「地域密着」という覚悟 第一伊藤建設株式会社(静岡県浜松市)

伊藤社長取材陣が招かれたのは、華やかにしてどこか歴史の趣を感じる気品漂う応接室。
聞けば、入居当時から先代社長の意向で、地元の名士を中心とした地域の方々のためのサロンとして一般開放され、活用されてきた空間なのだとか。“地域と共に”―その伝統は現在、“地域に良い家を”というより深い想いとなり、地域密着という覚悟となってこの地に根を下ろしている。

伊藤社長の掲げる“良縁づくり”が結実した驚異的な紹介受注率。
今後の住宅購入の切り札となり得る『定期借地』の積極的活用など、独自の思想で地域密着型の事業を成功させる第一伊藤建設を取材した。

驚異の紹介受注率

浜松市東区半田山に登場した等身大モデルハウス。公開終了後は分譲住宅として販売予定。「これといって特別な戦略はないんですよ」と苦笑をもらす伊藤社長の言葉とは裏腹に、第一伊藤建設の特徴的な強みを示す一つのデータがある。それは、紹介受注率である。同社では、なんと約60〜65%と驚異的な数字を達成している。それでも伊藤社長の目指す先はさらに高い。

「まだまだ満足はしていません。目標として80%は達成したいと思っています。紹介に関しては、積極的に“攻めて取る”姿勢で挑んでいるんです」その紹介受注強化の一環として、同社では建設協力業者をはじめ、司法書士、税理士、事務機器業者、銀行や金融関係者など、日々の業務で協力を仰ぐあらゆる関係者を招いての親睦会を3ヶ月に一度開催している。他にも施主様を招いての感謝祭や、自社で建設管理を行ってきたアパート入居者に対するアプローチなども積極的に行っている。

しかし、驚異的な紹介受注率を達成する秘訣はそれだけではない。
なぜ紹介にこだわり、なぜここまでの受注を獲得できているのか?その疑問を解く手がかりは、同社の辿ってきた道のりに垣間見ることができる。

苦渋の決断から得たもの

創業77年という歴史を持つ第一伊藤建設。創業者である先々代が大工業からスタートした小さな会社は、やがてパナホーム等のハウスメーカーの代理店業と、自社の建物を建築販売する木造住宅メーカーという2つの顔を持つ会社として成長する。その後、パナホーム静岡が、第一伊藤建設より分社。改めて第一伊藤建設として再スタートを切った当初は、店舗や商業施設、軽量鉄骨アパートの建設などが大半を占めていたが、その後、木造注文住宅を中心に事業拡大を図る。販売エリアも西は大宮、東は名古屋まで拡大し、自社プレカット工場や天竜杉の社有林も所有。東京都内に展示場も出店するなど資本投下を惜しまず住宅メーカーとしての成長を遂げていった。しかし、15年程前、折しも東南アジアの経済混乱のあおりを受け日本経済が不況に瀕した時代、同社にも経営の危機が訪れたという。そんな苦境の中、会社の将来を見据えて導き出した答え、それは“無駄を削る”というシンプルにして大胆な決断だった。

「静岡から出ない。そう決めて販売エリアを限定し、住宅メーカーから販売管理会社としての役割に業務を集約することにしました」販売エリアは静岡県の西部エリアに限定し、原則として常設展示場は持たない。多くのお客様と常に出会うことで受注の機会を得ると考えると、一見不利な環境に陥ったかのように見えるが、この環境こそが第一伊藤建設の今日の強みを育むこととなったのだ。

逃げないお付き合い

豊かな自然と歴史の風情薫る浜松市。地元への愛情が“地域密着”の覚悟となっている。エリアを限定するにあたり、創業の地である静岡県浜松市を中心とした西部エリアに的を絞った。地縁血縁の結びつきがあるこの地域なら、業者手配のひとつをとっても信頼できるパートナーを得やすいと伊藤社長は語る。また、営業担当も地元の人間を採用している。

「お客様にとっては、いい家を建ててくれるのは当たり前。その上で、対面する営業担当がどれだけ信頼できる人物かが重要になってきます。だからこそ私たちは人で勝負しようと考えています」以前は販売エリアを拡大することで、より多くのお客様と出会う機会を得てきたが、その反面、遠方のお客様と建築後に疎遠になる傾向があったという。
その反省を活かし、お客様と同じ地域に生活の基盤を置く営業担当が、建築後もしっかりとフォローしながら末永くお付き合いをしていく。

営業担当にとっては、プレッシャーのかかる環境だが、だからこそ“逃げない”覚悟でお客様の家づくりに真摯に向き合っていける。そして、こうして築き上げた信頼関係が、多数の紹介受注へとつながっているのである。

所有の概念からの脱却

ホンダ、スズキ、ヤマハと名だたるメーカーが拠点を構える工業都市、浜松。このエリアで事業を展開する第一伊藤建設にとって、こうしたメーカーにお勤めのお客様がメインターゲットとなる。しかし、リーマンショック以降、お客様の年収の推移に伴い、家づくりにかけられる費用も大幅に削減された。その限られた予算の中で、お客様に満足していただける住まいをご提供するために同社で積極的に活用しているのが『定期借地権(定借)※』である。「このデフレ時代、土地を買っても地価は下がりますし、買った時点で8割がけというのが現状です。考えてみたら、土地を購入する理由が見当たらなかったんですよ」自らも定借を利用して自宅を建築したという伊藤社長はこう語る。しかし、日本人に根付いた所有の文化が壁となり、土地を持たずに家づくりをすることに大半のお客様が抵抗感を示す。それでも同社では敢えてお客様に本当に土地を購入すべきかと問いかける。

定期借地権―「一般定期借地権(50年以上で返還することを条件とした借地権)」を利用して、土地は地主さんと借地契約を結び、建物は自分で建築する新たな家の持ち方。土地価格の約2割程度の保証金と毎月の地代で庭付き一戸建てマイホームの夢がかなう。

「お客様が土地を所有したい理由として、財産になるということがあります。しかし、果たして土地で残す必要があるか?お金で残すこともできるし、土地を購入しないことで借金を減らし未来にゆとりを残すことができる。モノを所有することで、面倒やリスクも生まれます。そう考えれば、不要なモノを持つ必要はないと思うのです」  ここにも同社の“無駄を削る”という思想が見えてくる。“所有”という概念から脱し、本当に必要なものを見極めることで、満足度の高い家づくりが実現すると誠意を持って伝え、ご理解いただくことで“定借”を活用した家づくりの実績を伸ばしているのである。

定期借地を文化に

土地購入の約半分の予算でマイホームを実現できるとなれば資金面であきらめていた方にも家づくりのチャンスは広がる。借りた土地は、相続や貸与もでき、地主さんから買い取ることもできる。そんなメリットの多い“定借”だが、難点は常時用意できるわけではないということ。さらには、土地担保の関係で住宅ローンの利用が制限されるということだ。

「第一伊藤建設では、こうしたデメリットへの対策として、まずは、県西部エリアの定期借地を一手に提供・管理し、お客様の条件にあう土地を適宜ご提案できるよう定借センターを設置。また、地元信用金庫の協力を得てフラット35以外でも利用できるローンを用意するなど、各所との連携プレーで克服している。「浜松で“定借”を文化にしようというのが私たちの目標なんです」伊藤社長の言葉通り、全国に先駆けて“定借”を活用しやすい環境を整え、土地を借りて家を建てるという新しい家づくりを積極的に提案している。

地域のホームドクターに

夢広がる中収納室を活用したシアタールーム展示場営業に頼らず、日々の中で巡りあう人との縁を大切に。限られたエリアでの事業展開だからこそ密度の濃いお付き合いを。そうした“良縁づくり”が、第一伊藤建設の強みに繋がる核である。そして、この良縁をますます深めるというのが伊藤社長の今後のビジョンだ。

「地域における住まいのホームドクターになりたいですね。このエリアの住まいに関することなら何でも相談できる駆け込み寺になれればいいなと。時々、お客様から“いま白蟻業者が訪ねてきたが信頼できる業者かどうか?”といったお電話をいただきます。そうした相談をもちかけてくれることが何より嬉しいんです。自分たちのお客様をしっかりと守っていきたい。そのためには会社がなくなってはダメですし、ますます発展していかなくてはと思っています」浜松の地に根を下ろした覚悟はいまや確固たるものとなり、地域での縁を深めながら、一歩先の“地域密着型”としてますます進化を遂げていくようだ。

※協会機関誌「木芽」2013年秋号(Vol.149)より転載

ピカイチ社員

取締役 営業部長 鈴木 武彦氏

取締役 営業部長 鈴木 武彦氏Q.ご担当の業務は?
「会社全体の営業活動の統括と、新入社員の教育を担当しています。新人教育は、決まったカリキュラムがあるわけではなく、実践で学んでいくという方針です。失敗してもいいから、人とたくさん出会える場所に出向き、お客様と対面して話をすることで、ご縁が生まれるもの。その中でいい仕事をしていればお客様からの紹介にもつながっていきます」

Q.展示場営業に頼らない営業活動とは?
「例えば、ショッピングモールでイベントを開催し出会いの場を設けています。こういう場所で出会うお客様は、自分たちが家を建てられると思っていない場合が多く、本格的に家づくりをお考えになる前なので他社と競合することもほとんどありませんし、新人の営業でも商談しやすい場なんです。そこで家づくりが可能であると気付かせてあげて、マイホームへの気持ちを盛り上げることができれば、お客様を獲得できます。実際にこうしたイベントを活用して、新人たちも契約獲得に成功しています」

Q.消費税増税後の対策は?
「当社は、知名度やブランド力が高いわけではありませんが、宣伝広告費や住宅展示場に経費を費やさない分、非常にコストパフォーマンスが高い商品をご提案できると自負しています。現在は、パナソニックと協力し、私たちが培ってきたノウハウを凝縮して商品化し、その魅力を自信を持ってお客様にご案内しています。今後、一時的に市場が冷え込んで状況が悪くなったとしても家を建てたい人は必ずいるはず。ですから、建物の魅力や、当社が得意とする定借の活用などを武器に、今後もより多くのお客様のお手伝いができればと考えています」

第一伊藤建設のこだわりPOINT

ラクしてキレイをかなえる収納上手の住まい[収納が上手になる家]

社長のひとこと

「経済産業省の調べによると家を建てた後で一番不満が多いのが“収納”だそうです。建てる時には収納より居室にスペースを割きたいと考えがちですが、実際に生活してみると便利な収納が必要不可欠です。入居後のお客様の満足度まで考慮して当社では収納にこだわってご提案しています」

会社概要

社名

第一伊藤建設株式会社

代表取締役

伊藤 卓見

本社

浜松市中区砂山町324-8 第一伊藤ビル8F

TEL.

053-457-1181

FAX.

053-452-6607

資本金

2,000万円

従業員数

52人(2012年6月1日現在)

ホームページ

会社沿革

1935.10

一般木造建築業開業

1969.07

伊藤建設株式会社となる

1975.01

第一伊藤建設株式会社に変更

1979.04

株式会社パナホーム静岡と分離
(社)日本木造住宅産業協会入会
(社)全国宅地建物取引業保証協会入会
(社)全国宅地建物取引協会入会
(社)静岡県宅地建物取引業協会入会

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