日本木造住宅産業協会

(一社)日本木造住宅産業協会(略称/木住協)は、木造軸組工法住宅等の普及と健全な発展に寄与することを目的とした法人です。

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住まいの情報

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頑張る会員企業訪問記

日本の気候風土には木造住宅

日本には四季があります。また高温多湿です。そんな日本の気候風土に一番合うのは木造軸組工法住宅。
素材である「木」の特性から、調湿性や吸音性に優れ、地球環境や人の健康にもやさしいのが最大の特徴です。
そこで、木住協の機関誌「木芽」に掲載している頑張る会員企業訪問記を紹介します。

狭小敷地で理想の家造り展開 (株)リバティホーム(東京都江戸川区)

三浦社長読者の会社では平均敷地面積が20坪たらずという狭小地で、お客さまから満足を得られる注文住宅を建設できるだろうか。今回の「頑張る会員企業訪問記」で取材に訪れた株式会社リバティホーム(本社=東京都江戸川区、三浦新一社長、資本金2500万円、1種B正会員)の営業エリアは、狭小敷地が大半を占めるという住宅事業が難しい地域。そんな厳しい中で、同社は住宅事業を開始して以来、延べ650棟を超す注文住宅を供給してきた実績を持つ。全国から視察に訪れる同業者からも、「こんな狭い敷地で、よく事業を…」と感心されている。実績の背景には、施工法のほかに通風や日の光の取り入れ方、ロフトや収納の活用など、同社独特の工夫があった。

リバティホームの前身は、三浦新一社長(50歳)の父親である清孝会長が昭和41年に創業した栄光社不動産。不動産の売買からスタートして、地元の東京・江戸川区を中心に家族経営で不動産・建築業を行っていたが、平成7年1月から木造軸組工法による注文事業に切り替えた。平成9年に社長に就任した三浦社長は、当時を振り返り「あの頃はバブルが弾けた後で、不動産業界は氷河期のような状況。あのままの事業を続けていたら今のように会社が存続できたかどうか」と胸をなで下ろす。

平均敷地は23坪 車も入れない厳しい条件

狭小敷地では隣家とのスペースもなく、難しい施工を余儀なくされる木造住宅事業を開始したとはいえ、営業エリアに定めた地域は東京でも1、2という住宅密集地。細い道路が網目のように走り、敷地面積は極端に狭い。どのくらい狭いのか。平成23年の江戸川区の住宅地面積を世帯数で割ると、1世帯あたりの平均敷地面積は23.2坪になる。これは東京都の一戸建て住宅の平均より13.5坪も狭く、全国平均の3分の1以下という狭さだ。三浦社長は「江戸川区の大部分が建蔽率60%で準防火地域に指定されています。土地の新規供給はほとんどなく、昔の建売住宅を建て替えるお客さまが受注物件の半数以上を占めています。建設した住宅の敷地は13坪から25坪という狭小地が大多数を占めています」と市場性と建設物件の特性を語る。

敷地面積が極端に狭いため、住宅建設には困難が伴う。先ず部・資材の搬入が思うようにならない。極端な地域では軽自動車も入れないような狭い道路。進入できても駐車スペースがない。必然的に部・資材は「担ぎ込み」になってしまう。駐車スペースに置いた車から、部・資材を肩で担いで現場に搬入せざるを得ない。場所によっては200メートル以上も重い部・資材を担ぐことになる。基礎工事も大変。通常なら現場で生コン車からコンクリートを直接流し込むだけだが、長いパイプを敷き込むことから始め、ポンプ車で遠く離れた場所から圧送しなくてはならない。建て方も重機が使えず、人力に頼ることになる。施工側にとっては過酷な環境とも言えるが、三浦社長は「もう慣れてしまいました」とあっけらかんとしている。こんな中でリバティホームは、注文住宅事業に切り替え5年後に累計100棟、平成16年に累計300棟、平成19年には累計400棟を受注。昨年4月までの累計受注棟数は600棟に達している。ここ3年間の新築完工棟数も44棟、50棟、58棟と右肩上がりだ。

あふれる採光と通風を取り入れる工夫

狭い敷地に建てられた3階建てモデルリバティホームでは営業活動やプラン作成でさまざまな取り組みを行い、工夫を取り入れている。営業段階では徹底して近隣関係や敷地調査を実施することにしている。解体後に測量をしたところ、隣家の住宅や敷地が越境していたり、権利書よりも敷地面積が狭かったりといった思わぬことも。近隣とのトラブルにならないよう、お客さまとの打ち合わせ以外に営業マンには隣家や近隣との調整能力も必要になるという。建物が密集していることが多く、隣家との関係からどこに明かり取りを設置したのが良いか、風の流れはどの方向から取り入れるのが最適なのかなども調べ、設計陣に伝える。このため、お客さまとの折衝期間は3ヵ月以上もかかってしまうケースも多く、三浦社長は「狭小地での営業では、お客さまとのヒアリングが重要になります。セールステクニックだけでなく、法律面や設計や間取り、設備機器などの知識も必要になってきます」と語っている。

プランニング段階ではロフトやトップライトなどを多用して、狭小地の住宅ながら狭さを感じさせなく、明るく風通しの良い住宅供給を行っている。サッシメーカーの協力を得て通風シュミレーションを行い、最適な通風を得られるよう提案もしている。本社近くにある「風と光と自然を遊ぶ」をテーマとしたモデルハウスを見学した。敷地面積23.7坪の3階建てモデル(延べ床面積40.84坪)で、両隣に住宅が建てられているものの、1階和室は間接照明とトップライトで明るい居室。洋間には大型の床下収納が配置され、階段下スペースとあわせて十分な収納が可能となっている。2階には27帖大のリビングとキッチンダイニングが配置され、中央部のインナーテラスからの吹き抜けを通って日の光や風が室内に入っていた。子供部屋(2室)と浴室、洗面所、バルコニー、2帖大のロフトが3階部分に設えられている。バルコニーには木製パネルの目隠しが設けられ、密集地にありながら隣近所に気兼ねせずに日光浴などができるよう提案されている。屋上には10.4帖大の庭園も設けられ、都市に生活していながら草木や緑を楽しめる工夫がされていた。このほか、無垢材フローリングや珪藻土といった自然素材や国産材がふんだんに取り入れられていた。

営業、設計、施工の三拍子が必要

ゆったりとした室内は狭い敷地を忘れそうになるこのモデルハウスから徒歩で僅か2分のところに、今年1月にオープンした2階建ての第2モデルハウスがある。3方を隣家に囲まれ、間口約5メートル、奥行き約18メートル、敷地面積29.6坪という狭小地モデルで、ここでも光や風を取り組む工夫や立体的な空間活用がふんだんに行われていた。隣家が密集していることを忘れさせるような明るい居室になっており、ロフトや大型収納によってスペースを有効利用するなど、狭小地の住宅建設を追求していることが分かるモデルだった。リバティホームの受注物件を見ると、狭小敷地でありながら約65%が3階建て住宅で占める。二世帯住宅の要望も増え、リーマンショック以後は一次取得者も増加しているという。三浦社長は「狭小敷地での住宅事業には営業、設計、施工の三拍子が揃っていなくては駄目です」と指摘する。二世帯住宅では親世帯と子供世帯の要望が異なり、営業職は双方から十分なヒアリングを行い、要望をまとめなくてはならない。設計も光と風をふんだんに取り入れる工夫が求められる。

30歳代を中心とした10人の営業職は、お客さまとの折衝を最低でも10回は繰り返す。難しい土地柄だけに、納得いただくための折衝回数はどうしても多くなってしまい、時間がかかる。当然、営業職には資質が求められ、このため営業職の全員に木住協の木造ハウジングコーディネーター資格の取得を進めている。施工についても、近隣に迷惑を掛けないよう作業時間を朝8時から夕方6時までと決めている。隣家との隙間が極端に狭いため、外壁を施工するのに内側から作業を行う内貼り工法も年間数件はあるという。三浦社長は「内貼り工法は最後の手段ですが、施工に携わる大工職も高い技術を持っており、狭い場所での施工に慣れ、作業に差し障りはありません」と自信を見せている。因みにリバティホームでは約30社の60人で結成された業者協力会「栄光会」を組織しており、スムーズに施工することなどを目的に、年4回、定期的に勉強会を開催している。また、省エネ性が重視されることから、約20人の大工職はグラスウール充填断熱施工マイスターの資格を取得している。

「家守り」精神で、地域になくてはならない存在に

室内は明るく、風通しも良いリバティホームの営業エリアは、狭小敷地が多いことに加えて地盤が良くない地域が多い。このため同社では全棟に柱状工法で地盤補強を行うことにしている。これだけではない。万一の地震や火災に対しても、制震システムを標準仕様で組み込んだほかに、木住協の省令準耐火構造を取り入れ全棟に採用している。どこまでもお客さまの安心・安全を考えた家造りを展開していることになる。因みに、同社は木住協の今年度の定時総会で、木造1時間耐火建築物の普及に貢献したとして、表彰されている。希望の家造りが無理と大手住宅メーカーから言われたお客様が、リバティホームを訪ねて理想に近いマイホームが完成したことも何回もある。これまでの47年間の社歴で培った技術は一段も二段も勝っており、同じ悩みを持つ同業者が全国から視察に訪れているという。リバティホームは江戸川区を中心としてきた営業エリアを、徐々に拡大している。集客がネット中心となってきたことから半径8キロ圏に拡大し、昨年9月からは「目の行き届く範囲」として隣接する埼玉県の三郷、八潮市のほか、千葉県の松戸市や流山、浦安、船橋市など10キロ圏に商圏を広げている。

三浦社長は「当社では着工式や引き渡し式を、携わった職方、スタッフ全員が参加して開催しています。喜ばれているお客さまの顔を見て、この地域で事業を行っていて良かったと実感します」と語っている。リバティホームでは、「協力業者を含めたすべてのお客さまに、絶対にご迷惑をおかけしないこと」を基本方針にしている。手形の発行は一切しておらず、実質無借金経営を続けている。このあたりも、お客さまから信頼を得ている要因のひとつだ。三浦社長に会社の近未来を聞いたところ、「『リバティホームにたのんで良かった』と笑顔で言っていただけるよう、地域になくてはならない会社になることです」という回答が返ってきた。昔の日本に当然のようにあったお客さまと棟梁の関係である「家守り」の精神と言うことだ。「世界の著名な建築巡りをしたい」というのが三浦社長の夢だそうだが、狭小敷地の悩みを抱えているお客さまがいる限り、夢の実現にはもう少し時間がかかるようだ。

※協会機関誌「木芽」2013年夏号(Vol.148)より転載

当社のピカ1社員

職人とのコミュニケーションづくりに細心の注意を 施工部 課長 末永 嘉彦さん

施工部 課長 末永 嘉彦さん施工部課長で二級建築施工管理技士の末永嘉彦さん(46歳)は、午前8時に出社して1日の業務の優先順位を決めたら、直ぐに車のハンドルを握る。建設現場の進捗状況や納まりの確認のためだ。1日に回る現場は8ヵ所から9ヵ所にも。午後3時頃に会社に戻るが、それからも部・資材の発注指示や業者への連絡、図面のチェックと承認などといった具合に、席が温まる隙がない。仕事が立て込んでくると、帰宅時間は10時とか11時になってしまう。

確認先の建設現場では、「清掃や職人の安全に気を使っています。特に職人とのコミュニケーションづくりに細心の注意を払っています」と末永さんはキッパリ。職人との連携がなければ、満足のいく住宅建設ができないため、とも。岡山県の出身で東京・北区で育った。専門学校を卒業後、水回り部品などを建設企業に卸している会社や建設会社を経て、33歳の時にリバティホームに入社。「以前の建設会社はRCが中心でした。無機質で冷たい感じのするRCより、施主の顔が見られる木造軸組住宅の仕事に携わりたかったのです」と入社理由を語る。

それ以来、施工部門を一筋。「解体してみたら敷地面積がお客さまの言う広さよりも狭く、設計変更を余儀なくされました」ということもあったものの、木造住宅の仕事を希望しただけに、末永さんは「充実感を味わっています」と胸を張る。狭小敷地での住宅建設は難しいことばかり。「木造軸組住宅は狭い敷地でも施工でき、ぴったりの工法。お客さまに『リバティホームに頼んで良かった』とお客さまに言われ続け、少しでも喜んでいただけるよう努力を」というのが末永さんの夢。休日には次男のバスケットの練習や試合に、愛妻と一緒に出掛けて声を嗄らして応援する。山歩きやキャンプが趣味だが、仕事が忙しくなるこれから、出掛ける機会は少なくなりそうだ。

会社概要

創業

昭和41年11月

代表取締役

三浦 新一

本社

〒133-0057 東京都江戸川区西小岩3-21-30

電話

03-3658-0101

ファックス

03-3658-0108

資本金

2,500万円

従業員

46人

ホームページ

沿革

昭和41年11月

栄光社不動産が営業開始し創業

昭和44年4月

建築部門を開設

昭和51年11月

栄光社建設を設立

平成7年2月

リバティホーム発売を開始

平成7年12月

資本金を1000万円に増資

平成9年8月

三浦新一氏が社長就任

平成11年4月

「新世代ハウス」AQトラストトステム発売

平成13年9月

現住所に新本社社屋竣工

平成19年5月

狭小住宅ブログ、ホームページリニューアル

平成21年1月

株式会社リバティホームに社名変更

平成21年12月

東京三菱UFJ銀行を通して社債発行(私募債)

平成22年3月

東京三菱UFJ銀行を通して社債発行(私募債)

平成24年11月

新ショールーム(家づくり体験工房)をオープン

平成25年1月

第2モデルハウスをオープン

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