日本木造住宅産業協会

(一社)日本木造住宅産業協会(略称/木住協)は、木造軸組工法住宅等の普及と健全な発展に寄与することを目的とした法人です。

お問い合せ
  • 文字の大きさ
  • 標準
  • 拡大
Menu
一覧に戻る

頑張る会員企業訪問記

日本の気候風土には木造住宅

日本には四季があります。また高温多湿です。そんな日本の気候風土に一番合うのは木造軸組工法住宅。
素材である「木」の特性から、調湿性や吸音性に優れ、地球環境や人の健康にもやさしいのが最大の特徴です。
そこで、木住協の機関誌「木芽」に掲載している頑張る会員企業訪問記を紹介します。

漆喰造りにこだわり住宅供給 ジェイビーホーム(株)(愛知県豊川市)

本多一義社長「漆喰」は調湿作用だけでなく耐火性能や抗菌性能も高いなど多くの特徴を持っており、我が国の住宅に昔から使われてきた。この漆喰にこだわりを持って住宅事業を展開している会員企業が、愛知県豊川市にある。それが今回取材したジェイビーホーム株式会社(本多一義社長、資本金4,000万円、1種B会員)だ。漆喰以外にも無垢材や屋根・床材などに自然素材を多用、年間30棟前後の新築住宅を供給している。地元の公共建築物も建設するなど、木住協の自慢できる会員企業の1社といえる。

東海道五十三次の35番目の宿場町である御油宿。国の天然記念物に指定されている「御油の松並木」から車で約5分の愛知県豊川市八幡町に、外壁がすべて白い漆喰塗りで、屋根材にクールーフと呼ばれる天然玄昌石が使われているジェイビーホームのモデルハウスが建っている。平成22年にリニューアルした単独展示場の「上宿展示場」で、漆喰塗りの外壁が春の日射しに白く輝き、経年劣化でくすんだ外壁の住宅が多く見られる中で、ひときわ目立っていた。この自慢のモデルハウスで「木芽」の取材に応じていただいた本多一義社長(58歳)は、「ジェイビーホームという社名は『喜び溢れる家造り』という想いを込めて命名しました。家族の間で笑いが絶えない家、お施主様が喜びに溢れた幸せな毎日を送ることができる家造りが私たちの願いです」と切り出した。

お客様の快適生活を考え漆喰塗りを採用

白い外壁が特徴の一つである上宿展示場ジェイビーホームは昭和4年に地元で創業された本多木材が母体。昭和58年4月に設立され、来年で30周年という節目を迎える。豊川市や隣接する豊橋市、東三河地域を商圏にしており、これまでに1,000棟の新築工事と1,500棟以上ものリフォーム工事の実績を誇っている。本多社長は「当社では素材へのこだわりやノウハウに自信を持っています」と語っている。最大の「こだわり」は漆喰塗りを採用したこと。周知の通り漆喰は我が国古来からの建築手法の一つ。化学物質によるシックハウス症候群の発生の心配がないだけでなく、微細な多孔質の素材であることから吸湿・放湿性が高く、室内湿度を適度に調節して結露を防止し、家の耐久性を維持することができる。夏には湿気を吸い込み、冬は湿気を放出して居心地の良い室内環境を創出できる"優れもの"である。本多社長によると、「化学物質に過敏な人が増えているが、ホルムアルデヒドやVOC物質を放出しないため安心して生活していただける」。漆喰自体が強アルカリ性で有機物を分解する殺菌作用も持っており、黴やダニの発生を防止できるという特徴も備わっている。昔の城郭や城にも採用されているように耐火性能も高く、加えて表面に付いた汚れも消しゴムなどで簡単に消すこともでき、全体が汚れてしまった時にはローラーなどで漆喰を薄く塗ることで修復が可能という高いメンテナンス性も持っている。

本多社長は、「当社も最初の頃はローコスト住宅を中心に事業展開をしていましたが、質を度外視したローコスト住宅を建設する風潮が高まったため、これでは同じ土俵に乗ることはできないと判断しました。それで、お洒落な外観デザインで居住者の健康も考えた漆喰塗りの住宅を供給することにしました。人の健康と誰もが安心して生活することを突き詰めたら、漆喰塗りなどの自然素材に辿り着きました」と語る。続けて「厚生労働省が示しているホルムアルデヒドの指針値(0.08ppm)以下でも、化学物質に過敏な人が多いのが実状です。漆喰塗りはシックハウス症候群の原因となる化学物質や化学糊を一切使用していないため、発症することはありません。漆喰塗りの施工は複雑になりますが、逆に大手住宅メーカーではできない技で、当社の得意分野になっています」と強調する。ジェイビーホームでは漆喰塗りの優秀技能者を揃えている。漆喰塗りを施した住宅のシェアは高く、年間供給戸数の8割強に採用されているという。

無垢材や柿渋、天然石など自然素材を多用

漆喰加工した吹き抜け上宿展示場のモデルハウスを見学してみた。外壁は良質で白度の高い高知産の石灰岩が使用された自慢の漆喰塗りで、白い輝きがまぶしいくらいだ。内壁と天井にも、消石灰に麻スサや海草を混ぜた自然素材による漆喰塗りが施されている。モデルハウスに入って気が付いたことは、不快な臭いがまったくしないこと。本多社長は、「これも漆喰が厭な臭いを吸収したため」だという。上宿モデルでは、多くの自然素材が使われていた。米のりや海藻(ぎんなん草)、膠(にかわ)といった自然素材の接着剤が使われ、化学接着剤は一切使用していない。断熱材にはポルトガルで生まれた炭化コルクが使用され、空気の浄化や調湿作用を高めている。床材には素足にも心地よい天然の無垢材が採用されていた。樹種を聞くとバーチ(樺)やインドネシア松などで、お客様が自由に選択できる。

ジェイビーホームの自然志向はまだある。防腐・防かび材には、日本古来の知恵を現代に生かした「柿渋」を使用しており、化学薬品は使われていない。玄関ドアや建具にも重厚な無垢材が採用されている。柿渋やオリーブオイル塗装仕上げが施されており、本多社長は「玄関ドアなどは経年とともに風合いが深まり、お客様から喜ばれています」と胸を張っている。バスルームには天然石が採用され、洗面室も漆喰と無垢材に囲まれ、水回り独特の湿気を感じることがない。玄関回りの壁などには断熱性や吸湿性に優れ、珊瑚や貝殻の化石であるコーラルストーンも使用されており、要所要所に中に取り込まれた珊瑚や貝殻の化石が見られる。ダイニングキッチンの天板には自然石、床は磁器質タイル、シンクもホーロー製が採用されており、ジェイビーホームの自然素材へのこだわりが一目で分かった。

お客様第1で、紹介受注は30%を突破

壁と天井を漆喰加工したジェイビーホームが建設する新築住宅には、全邸にメーターモジュールが採用されている。廊下は壁芯で1メートルを確保されており、車椅子利用でも容易に行き来できる。本多社長は木の使い方にも一家言を持っている。「当社の職人は一定レベル以上の技術を持っていますが、若い職人などには木表と木裏が分からないまま工事を進めていることも見受けます。いい加減な木の使い方をすると、その場で工事をやり直しさせます」と語る。子供の頃から「檜の丸太の中で育った」という、木の特性などを知り尽くしている本多社長ならではの言葉だ。 ジェイビーホームでは最善の家造りのために、お客様に5つの約束を提示している。それは(1)明確なプランニング、(2)安心の施工・管理、(3)完成工事検査、(4)トータルなバックアップ、(5)万全なメンテナンス――ということ。この5つの約束に合わせて、新築営業部と不動産部、特建賃貸事業部、リ・ホーム工房、保険事業部という5つの事業部にそれぞれエキスパートを配し、事業部間で緊密な連携を取り合い、お客様の家造りをサポートしている。

自然素材の多用以外にも、きめ細かい対応を行っている。新築現場ではお客様の家族写真を室内に掲げ、職人には写真に向かって一礼してから毎朝の工事に着手するようにしている。本多社長は「現場がわれわれのショールームです。資材や道具類が散らかっていては満足な施工はできません。現場の清掃には特に気を使っています。また、プラスターボードの端材や曲がった釘の1本もお客様のものと職人たちに言い聞かせています」と語る。「われわれにはファン作りが必要です。『売らんかな』という姿勢ではお客様は絶対に来ません」というのが本多社長の持論。このため、お客様の上棟式と引き渡しには、「どんなに忙しくとも私自身が顔を出します」と言う。引き渡し後には、お客様宅の敷地調査から地縄、着工、建て方施工、竣工、引き渡しまでを撮影したDVDを全戸にプレゼントしている。

イベントも数多く開催している。昨年の10月以降だけでも完成現場見学会や土地分譲フェア、展示場1周年記念フェア、クリスマスワールド、開運新春フェア、新タイプ発表フェアなどといった具合に、毎月2~3回のペースで何らかのイベントを実施している。アフターケアもしっかりしている。建てた家に末永く安心して住んでいただけるよう、お客様とのコミュニケーションの一環として、7年前に「杏の会」を発足させた。東洋医学で「杏」は喘息の治療薬として用いられ、中国の故事では良医を表す果実。「お引き渡ししたお客様の家の住医になりたいという想いで発足しました」と本多社長。「杏の会」では季節ごとに花見やバーベキュー大会、夏祭り、流しそうめん、餅つき大会、ボウリング大会などを開催、毎回多くのお客様が参加し喜ばれているという。漆喰塗りや自然素材の使用に加え、お客様を大切にする姿勢から、ジェイビーホームの紹介受注比率は30%を超える高さという。

市民病院や学校の新築・改築など公共工事も

同社では個人住宅の新築以外に、公共建築の施工も数多く行っている。豊川市市民病院公舎や集会所、小・中学校の改築改修工事や耐震工事などを手がけている。取材に訪れた時も、東海道五十三次の天然記念物御油の松並木公園などの公共施設の工事に着手していた。本多社長は「公共建築の施工は信頼の証です」と胸を張っている。ジェイビーホームでは今、リフォーム事業を本格化しようとしている。本多社長の父親が脳梗塞で倒れ、既存住宅のバリアフリー化が必要だと実感したという。平成9年に「リ・ホーム工房」を豊川市にオープンし、豊橋市にも豊橋店を開設した。「新築需要の先細りが顕著になり、リフォームが大きな市場になります。この部門を強化していきます」と意欲を見せている。

本多社長に木住協に入会して良かったことを聞くと、「情報ネットワークがしっかりしていることが心強いですね。最新の行政ニュースなどがメルマガで発信され、地方都市で住宅事業を展開しているわれわれが必要としている情報が入手でき、願ってもないこと。木優住宅も事業を行う上で欠かせないものです」という返事が返ってきた。本多社長は、「同業他社との差別化が難しい時代になりました。これからはデザインをどのようにして良くし、若年層を中心にした土地なし客に少しでも良い土地を紹介できるかということが、生き残れる住宅企業か淘汰される企業になるかの分かれ道になると思います。当社は木材に精通していることから、素材へのこだわりやノウハウには自信を持っています。これからもコストパフォーマンスを追求して、『良い家を少しでも安く』を心がけて住宅建設に務めていきたいと考えています」と語っている。

※協会機関誌「木芽」2012年春号(Vol.143)より転載

当社のピカ1社員

常に「笑顔を忘れず」を心がけ 住宅アドバイザー 石井 まどかさん

住宅アドバイザー 石井 まどかさん「あっという間に1年間が過ぎてしまいました」と笑顔で語るまどかさん。昨年3月に京都女子大家政学部を卒業してジェイビーホームに入社。社員の誰もが認める頑張り家さんである。起床は6時。両親と兄、姉の5人家族で暮らしている愛知県田原市の自宅を毎朝7時過ぎに出発し、1時間近くをかけて車で通勤している。本社での朝礼を終えて上宿展示場に向かい、モデルハウスの清掃や資料作成、打ち合わせの補助など忙しい毎日をおくっている。来場者への説明や資料請求のお客様への確認連絡などをしていると、モデルを閉める午後6時を迎えてしまう。しかし、これで帰宅できるわけではない。一度、本社に戻り、その日の連絡や打ち合わせ、片づけなどを終えると、退社時間はだいぶ遅くなることもあるという。

「営業社員の皆さんが成約に結びつけられるよう、アドバイザーとして細心の努力をしています」とまどかさんはキッパリ。「商談中にお客様のお子さんの面倒をみていることも多く、笑顔で優しく話しかける」ことを心がけているという"優しいお姉さん"である。休日の水曜日も忙しい。お茶の稽古や自宅近くの図書館に行って建築の勉強も続けている。「設計を学びたいですし、営業社員とお客様との話の中にも入っていきたいのです」と意欲的に語る。図書館での勉強には、もう一つの目標がある。それはインテリアコーディネーターの資格を取得すること。社会人生活2年目を迎えたまどかさんの、今年最大の願いだそうだ。

会社概要

設立

昭和58年5月

代表取締役

本多 一義

本社

〒442-0844 愛知県豊川市小田渕5-6-2

電話

0533-88-7707

ファックス

0533-88-7708

資本金

4,000万円

従業員

28人

ホームページ

沿革

昭和58年

4月に豊川市金屋元町で建設業創業、5月に資本金1,000万円で設立

平成3年

資本金を4,000万円に増資

平成9年

「リ・ホーム工房」を豊川市にオープン

平成10年

豊川市小田渕町に本社を新築し移転

平成14年

豊川市八幡町に上宿展示場をオープン

平成15年

豊川市八幡町に新上宿展示場をオープン

平成16年

豊橋市に「リ・ホーム工房 豊橋店」オープン

平成22年

豊川市八幡町の上宿展示場をリニューアル

ページのトップに戻る