日本木造住宅産業協会

(一社)日本木造住宅産業協会(略称/木住協)は、木造軸組工法住宅等の普及と健全な発展に寄与することを目的とした法人です。

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住まいの情報

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頑張る会員企業訪問記

日本の気候風土には木造住宅

日本には四季があります。また高温多湿です。そんな日本の気候風土に一番合うのは木造軸組工法住宅。
素材である「木」の特性から、調湿性や吸音性に優れ、地球環境や人の健康にもやさしいのが最大の特徴です。
そこで、木住協の機関誌「木芽」に掲載している頑張る会員企業訪問記を紹介します。

5LDKの「広い」分譲住宅に一筋 (株)エサキホーム(愛知県一宮市)

(株)エサキホーム社長「広さ」は住宅の質の一つでもある。愛知県一宮市に5LDKの広く、ゆったりとした戸建て分譲住宅をスタンダードに供給している会員企業がある。LDKも「20帖以上の広さにする」という社内基準を設け、しかも分譲価格を一般的な延べ床面積116m2前後の分譲住宅と同価格帯に抑えて販売するという、独自の「広さ」戦略を押し通している。今回の「頑張る会員企業訪問記」の取材で訪れた株式会社エサキホーム(1種A正会員)が、その会員企業である。供給する分譲住宅は全て長期優良住宅対応、大型団地の開発も得意としている。厳しい事業環境ながら平成22年度は売上高、経常利益とも過去最高を更新した。今後、エサキホームでは社員のスキルアップや資質の向上を図り、「数年後に1,000棟の分譲住宅を供給する東海エリアでナンバーワンの住宅企業に発展させたい」という。新築だけでなくリフォーム事業にも力を入れることにしており、将来が楽しみな会員企業の1社である。

株式会社エサキホーム(本社=愛知県一宮市東出町7-1、資本金1億7,240万円)は、江漢字:サキ光彦社長(66歳)が38年前に実兄とともに設立した大弘株式会社が前身。当時は不動産管理を主な業務にしていたが、設立4年後に戸建て分譲住宅の供給に切り換えた。節目を迎えたのは平成7年のこと。代表を務めていた実兄が死去し、阪神淡路大震災の発生が追い打ちをかけた。住宅業界も一転して不振になり、江漢字:サキ社長は「組織的に展開しないと、厳しい時代に生き残っていけない」と判断した。翌平成8年7月に社名をエサキホームに変更、現在地に本社を移転して本格的に分譲事業を展開することになった。

厳しい時代に500棟を販売 広い住宅を一般の住宅と同価格で

白い外壁が特徴の一つである上宿展示場最近3年間の業績は順調に推移している。09年3月期の売上高は約132億円、10年3月期に約130億円と減収になったが、11年3月期には約165億円に急成長している。経常利益も同じく順調で、11年3月期には過去最高益を記録した。約500棟もの分譲住宅を供給しているのは、中部圏では大手住宅メーカーを含めても数えるほどである。この急成長を支えているのが、エサキホーム独自の「広さ」に対するこだわりだ。江(株)エサキホーム社長社長は「当社の家造りの姿勢は、多くの人にとって住み心地の良い家を提供することです。その住み心地を追求していって辿り着いたのが『5LDKの広い住宅』でした」と説明する。

実際に名古屋市緑区で販売されている「イーズアベニュー緑区浦里」(全113棟)の第1期分譲25棟の代表的な間取りを見せてもらった。1階に8帖の和室と21帖大のLDK、浴室、洗面所を配置し、2階には7.0帖大の洋室2間、7.2帖大の洋室1間と9帖の主寝室という5LDK。敷地面積は約141m2、延べ床面積も約142m2と広い。残りの24棟も全て5LDKタイプで、車2台が楽に駐車できるスペースが確保され、隣棟との境に垣根や塀を設置せず明るいオープン外構になっていた。この広さで第1期分譲の最多価格帯は3,400万円台という。

土地仕入れに独自のノウハウ

漢字:サキ社長は「バブル崩壊を機に同業他社との差別化を図るため、供給する分譲住宅の間取りを全て5LDKとしました。小は大を兼ねることはできませんが、大は小を兼ねることができるという発想がそこにはあります」と強調する。購入層は30歳前後の夫婦と子供2人の4人家族が中心だ。5LDKと広くしたことで使い方の可能性は広がる。子供が成長してから個室を与えることができるのはもちろん、和室を設けていることから将来の親との同居も可能となる。また、趣味の部屋として利用できるほか、収納スペースも不足することがない。間取りを広く、大きくすることはどの建設業者でもできる。問題は売り値との兼ね合いだ。エサキホームはどの様にしてコストダウンをしているのだろうか。第1の秘密は土地仕入れのノウハウだ。

エサキホームでは本社に用地担当を5人常駐させ、各支店にも適宜人員を配置している。仕入れようとする土地にどの様な街ができるのか、建築した分譲住宅が幾らで売れるのかをイメージすることから仕入れの仕事を始めるという。南向きで間口の広い分譲住宅が1棟でも多く建てられ、5LDKの分譲住宅が魅力的に見える土地を厳選して購入する。「これができると、街としての魅力が高まり、お客様に受け入れられる商品になります」とある用地担当者は語る。エサキホームの企業規模になると、地元の不動産会社や金融機関、大手不動産企業から土地情報の提供も多い。本拠を構える一宮市は繊維産業で栄えた都市。今、その繊維産業が衰退し、工場跡地が持ち込まれる。江漢字:サキ社長は「環境と収益性を重視して土地購入を決めています。高コストになる土地には一切手を出しません。幾らに設定したらお客様にお値打ち感を感じていただけるのか、ということを常に考えています」と語る。

一括仕入れ、施工は区画単位で LDKも20帖以上という基準

第2の特徴は施工方法だ。まずは、購入した土地の造成から着手する。分譲住宅の建設にあたっては区画ごとの一括工事を行い、職人の手間待ちを防止するなどして工期短縮を図っている。部・資材の購入も数社に絞って一括仕入れを行い、コストを大幅に引き下げている。設計から施工、販売、アフターメンテナンスまで、自社一貫体制を整えているのも特徴で、お客様にお値打ち感を与えることができるノウハウの一つでもある。「各セクションの連携を強化して施工工程を短縮し、絶えず工程の見直しを行っています。住宅産業はともすると無駄が多く、そのため予算管理をしっかりさせて本部が掌握しています。決して特別なことをやっているわけではありません」と江漢字:サキ社長は強調する。

5LDKといっても、1部屋あたりのスペースが狭く細切れの住宅では、消費者は決して「広い」という実感は沸かない。エサキホームでは2階居室の最小スペースを6帖以上とし、その最小の6帖は、あっても1部屋。それ以外の部屋は7帖以上と広くとる。また、LDKも20帖以上とし、「広さ」の社内基準を設けて、部屋自体のゆとりも大切にしている。チェックも厳しい。江漢字:サキ社長は「お客様が毎日を暮らす上で大切なものは、『間取り』と『日当たり』だと思っています。図面に関しては最終的に私が全てをチェックし、設計を直させることもあります。使い勝手を良くし、お客様に満足を感じていただくためには当然のことです」とキッパリと語る。この様な企業姿勢で分譲住宅を供給するエサキホーム。売れ行きも上々で、チラシを1回も配布しないうちに完売したほか、予定地に立て看板を出しただけで問い合わせが相次いだ物件もあったという。

長期優良住宅仕様を標準で採用 171棟の大型団地も供給

白い外壁が特徴の一つである上宿展示場エサキホームでは、09年11月から長期優良住宅仕様を全棟に取り入れた。エサキホームの主な長期優良住宅仕様は、劣化対策等級3、省エネルギー対策等級4、維持管理対策等級3と各等級とも最高等級に該当している。さらに、耐震等級では国土交通省の長期優良住宅認定基準である等級2を上回る等級3とし、居住者の安心を担保している。「長期優良住宅仕様は、お客様に安心感を与えるために導入に踏み切りました」と江漢字:サキ社長。続けて「今回の東日本大震災を契機にして、お客様は耐震性に敏感になっています。長期優良住宅仕様を採用したことで、耐震性に対してもご安心いただけ、営業活動も楽になりました」と語る。エサキホームの商圏は愛知県を中心に岐阜、三重の東海三県だが、総販売棟数の8割強を愛知県内で占めている。愛知に比べ知名度の劣る岐阜・三重での販売に際しても「国の認定を受けた長期優良住宅ということで、余分な説明をせずとも、安心してご購入いただけるようになりました」と語る。

ミニ開発を主とする分譲業者が多い中、エサキホームが得意とするのは、大型団地の開発だ。同社では30棟以上の団地を「イーズアベニュー」、30棟未満の団地を「イーズガーデン」として、2つのブランドで展開している。これまでに開発した最大の住宅団地は171棟という規模を誇る「イーズアベニュー一宮市奥町」(06年11月完売)だ。もともとは繊維企業の染色工場跡地(約4万m2)だったが、地元の金融機関からの土地情報の提供を受け、販売開始から1年半という短期間で大半を売っている。これだけの開発用地を購入できるという信用力、短期間で完売するという販売力が、エサキホームを支えている。一宮市は名古屋市から15分前後と利便性が高く、ベットタウン化が進んでいることから、ここ数年、関東や関西圏などから分譲業者が進出し、販売競争も激しくなっている。なかには分譲が終了すると、その後のアフターメンテナンスなどを満足に行わないまま、他の地域に商圏を移動してしまう業者も多いという。江漢字:サキ社長は言う。「街づくりは短期間ではできません。地元に根付いた住宅企業として、当社は売りっぱなしで逃げるわけにはいきません」同社は、昨年4月に直営のカスタマーセンターを開設、業務委託をせず自社でメンテナンスを実施している。

東海ナンバー1の企業に リフォーム事業を本格化

エサキホームの4年前の社員数は130人程だったが、今年6月末には174人まで増えている。平均年齢も34.0歳と、住宅企業の中では若い企業になっている。江漢字:サキ社長に「今後の目標は?」と聞くと、「まずは販売戸数を伸ばすことです」と即答で帰ってきた。続けて「供給した住宅も累計で3,500棟を超えましたから、販売棟数を伸ばすとともにリフォーム事業にも力を入れていかなくてはなりません。アフター部門の人員を増員してリフォーム営業にも力を入れ、リフォームを通じて、ご購入いただいた家に長く住んでいただけるようにしていきます」と江漢字:サキ社長は語っている。加えて「中期的には年間1,000棟の分譲住宅を供給する東海エリアナンバー1の企業にしたいですね。そして、長期的には住宅産業がどの様に変わり、推移するのかを見据え、場合によっては関東や関西圏への進出も検討したいと思っています」と自信を垣間見せる。

漢字:サキ社長は「そのためには社員個人個人のスキルアップ、資質の向上が不可欠です」と言う。また、「資質の向上策としては、圧力をかける方法もありますが、当社は社員の仕事を容易にし、精神的ゆとりを持たせることで、自主的にスキルアップの意欲が湧くようにしています」とも。厳しい環境下においても、社員が売りやすく造りやすいようにすることがポリシーだと言い切る。

従業員の資質向上に力入れる

エサキホームでは、木住協が毎年実施している木造ハウジングコーディネーター資格試験に社員を受験させている。昨年は8人の社員が受験、このうちの1人が全国2位の好成績で合格した。「木住協のハウジングコーディネーター資格試験のように試験を受けて資質の向上を図るのは良いことだと思います。社員には住宅の知識を十分すぎるほど持って貰いたいと思っており、受験は自主性に任せていますが、今後とも会社としても後押ししていきます。設計陣の参加している設計セミナーも、実践に即した内容となっておりスキルアップにつながっていますね」と語る。

木造軸組住宅の良さを聞いてみた。すると江漢字:サキ社長から「間取りのバリエーションも豊富で、住む家族のことを考えた自由な間取りが可能な点が魅力ですね。それから夏涼しく、冬は暖かい。これからの住まいにピッタリなのが木造軸組住宅だと思います」という回答が返ってきた。エサキホームは、今後とも「広さ」という住宅の価値を重視したプランと一貫体制による低コストへの努力を重ねることにしている。江漢字:サキ社長は最後に、「お客様の手の届く価格帯で、大きく、広い家をご提供していきたいと思っています。それが当社の使命であり、願いでもあります」と力強く語ってくれた。

※協会機関誌「木芽」2011年夏号(Vol.140)より転載

当社のピカ1社員

常に「お客様の視線」で考え、行動 工務部メンテナンス課 係長 大田黒 賢人さん

工務部メンテナンス課 係長 大田黒 賢人さんメンテナンス課の大田黒賢人さん(34歳)は、「毎日の仕事が面白くてしょうがない」と語りだした。熊本県の出身で、親の転勤で移り住んだ一宮が第二の故郷。地元の短大を卒業して7年前に中途入社した。毎朝8時45分には出社して事務所内の掃除を終え、9時からミーティング。5人の部下に具体的な指示を出し、自身が社員と同行してお客様の声を聞くこともある。1ヵ月間に寄せられるお客様の声は300件前後にも。「お客様の生の声は会社の貴重な宝です。1件1件を精査、検証して施工担当や設計担当と打ち合わせを行い、仕様の変更や部資材の見直しなどに反映させています」と胸を張る。

そんな大田黒さんが入社2年目の時のこと、猛烈な台風が愛知県を襲い、お客様からクレームが寄せられた。朝から夜中までお客様宅に伺い、謝るだけ。「針の筵(むしろ)でした」と言う。しかし、真摯な対応がお客様との信頼関係を強める契機となることを実感したのもこの時。大田黒さんは「当時のお客様とは、仲良くさせていただいています。個人の携帯電話に連絡を入れていただけるようなお客様からは紹介をいただくこともあり、私にとって良い経験でした」と語っている。常に心掛けていることは「お客様の立場にたって考え行動する」と言うこと。部下にも常日頃から教え、自身も徹底している。こんなことがエサキホームを地域ナンバーワンの企業に育てている原動力になっている。休日は毎週木曜日と日曜日。「7歳と4歳になった娘と触れ合う時間が少ない」ことが唯一の悩みだという。そんな大田黒さんの夢は、「リフォーム事業を新規事業としていち早く確立して、経営の大きな柱の一つとしたい」。エサキホームの今後が大田黒さんら若手の活躍にかかっている。

会社概要

設立

昭和48年4月

代表取締役

漢字:サキ 光彦

本社

〒491-0056 愛知県一宮市東出町7-1

電話

0586-46-4600

ファックス

0586-46-4601

資本金

17,240万円

従業員

174人(平成23年6月現在)

ホームページ

沿革

昭和48年4月

資本金500万円で大弘株式会社を設立

昭和52年4月

分譲住宅事業を開始

平成2年2月

資本金を1,500万円に増資

平成8年7月

社名を「エサキホーム」に変更

平成16年7月

資本金を5,500万円に増資

平成17年6月

資本金を9,500万円に増資

平成17年7月

名古屋北支店を開設

平成17年11月

岡崎支店を開設

平成18年6月

岐阜支店を開設

平成18年12月

資本金を13,250万円に増資

平成19年1月

名古屋南支店を開設

平成19年12月

資本金を17,240万円に増資

平成20年4月

四日市支店を開設

平成20年7月

開発・技術センターを開設

平成21年12月

東海支店を開設

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