日本木造住宅産業協会

(一社)日本木造住宅産業協会(略称/木住協)は、木造軸組工法住宅等の普及と健全な発展に寄与することを目的とした法人です。

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アクセントカラーとしてのインテリアの壁 アメニティ&カラープランナー 葛西 紀巳子

イラスト:アクセントカラーとしてのインテリアの壁これから家を建てようとするお客様や、リフォームを考えている方々から、インテリアの色彩について質問をお受けすることがあります。よくあるのが、「一壁だけ色を変えて部屋をつくりたいのですが、どのような色にしたらまとまりますか?」「アクセントとする壁の色を選ぶとき、注意すべき点はありますか?」というもの。色については、好きな色を使って、施主好みのインテリアにすればよいのですが、どうやら「色選びに失敗するのではないか」とか、「色をつけたら派手になりはしないか」などと、心配される向きもあるようです。

インテリアに塗料を使う欧米では、色彩によるリフォームもこまめに行うようですが、日本の住宅の場合は、これまで壁はオフホワイトやベージュといった無難な色が一般的で、壁面に大胆な色を使う機会が少なかったので、一面だけでも色を変えるとなると勇気がいるのかもしれません。そうした不安を解消するために、今回はアクセントの壁についてお話しましょう。

一壁をアクセントとして色を変えるなら

スウェーデンの住宅(キッチン・ダイニング)ベースとなる壁に対して一壁だけ色を変える場合、大切なのは、その部屋のどの壁の色をアクセントにしたらインテリアが生き生きするか、ということです。当然のことですが、壁面に背の高い家具などが置かれる場合は、その壁にアクセントとして色を変えても意味がありません。また、窓や建具などがある壁面も避けます。色が面的にあらわれないのでは、アクセントカラーの効果が半減してしまうからです。色替えをする壁面は、一面がまるまる確保できる壁を選ぶとよいでしょう。もしもその壁に絵をかける場合は、その絵がアイ・ストップにもなるので、それを強調するためにも、壁の色を変えて、アクセントウォールにするのは好ましいといえます。

次に、色の選び方です。インテリアの色については、施主の好みで構いませんが、彩度の高い鮮やかな色の場合は、壁の面積と色の見え方を考慮します。赤や黄色などのように、鮮やかな色を大きな壁の一面に使うと、鮮やかさが倍増されて見えるので、部屋が狭く感じられてしまいます。広い壁面に高彩度色を使う場合はそのことも考えて、若干、鮮やかさを落とした色を選ぶとよいでしょう。どうしてもその色をアクセントとして使いたい場合は、部屋の中の小さな面積の一壁や部分的にあられた壁、柱形の部分だけにします。それだけでもインテリアの雰囲気はガラッと変わりますので、リフォームや模様替え時に、部分的にでも色をつけるのはおすすめです。

柱形に色をつけた例・ベッドヘッドのアクセント一方、パステルイエローや、パステルピンクなどの淡い色調は、大きな面にすると実際よりも、明度が高く白っぽく感じられるので、ベース部分の壁の色との差が感じられず、アクセントウォールとしての効果を発揮しない場合があります。アクセントとして色を使う場合は、明度の差や彩度の差があるものを選ぶとよいでしょう。さらに、柄と方向性についても配慮します。一見、無地に見える壁紙でも、よくみると方向性があるものがあります。2色以上の色を変える場合は、この方向性を合わせるのがポイントです。

たとえば、基本となる壁が横方向にラインが出てくるような場合、アクセントカラーをつける壁も、同じように横ラインに方向性が揃うようにします。壁が縦ラインの場合は、アクセントとする壁も縦に目がいくようにするのです。こうすると色に変化をつけても、方向性が揃うので、安定感があるのです。花柄などのように方向性のない模様をアクセントウォールにする場合は、基本となる壁はできるだけプレーンな無地を選びます。そうすると、大胆な柄が一枚の絵のようになり、その壁そのものがアクセントとして際立ちます。

また、ベースとなる壁とアクセントの壁の色の関係は、トーンをそろえるのがコツです。トーンというのは「色の調子」のことで、よく「パステルトーン」とか「ヴィヴィットトーン」といった色の強弱をいいますが、それとは別に、やや黄色みを感じる赤(朱赤)とか、やや青みを感じる赤(紅赤)というように、同じ色でも色みが異なるものがあります。2色以上の色を同じ部屋に組み合わせる場合は、この色みの調子を揃えると、色を変えても壁に連続性がうまれ、空間が落ち着きます。色でお困りのお客様には、このように色彩のアドバイスをしてはいかがでしょう。

※協会機関誌「木芽」2011年秋号(Vol.141)より転載

葛西紀巳子

アメニティ&カラープランナー 葛西紀巳子(かさいきみこ)

(有)色彩環境計画室 代表。東京生まれ。「快適な環境づくり」を心理的、生理的側面から色彩計画し、設計を行っている。
東京家政大学非常勤講師。著書『くらしの色彩物語〜住・環境・色彩アメニティ〜』(フロムライフ)など多数。
‘06年11月には「色彩環境へのまなざし」(密書房)を発刊。

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