日本木造住宅産業協会

(一社)日本木造住宅産業協会(略称/木住協)は、木造軸組工法住宅等の普及と健全な発展に寄与することを目的とした法人です。

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「経・緯…縦糸と横糸とが織り成す」 書家 宇佐美 志都

新聞紙陰陽、白黒、男女…
この世には、相対するものと思しき存在の両者によってこそ、成り立っているものが多い。

時をさかのぼれば、政治・経済を録する目的があったからこそ、文化の発展、存続や栄華があり、
一方、文化の基盤があったからこその、経済的発展も然りであった。

日々の暮らしの中に、その存在の形は様々あれど、「経済」という要素は不可欠。
「経」・「済」に加えて、「緯」の成り立ちを、今年の最後に、紐解いてみたいと思う。

「経」は、織機に縦糸を張りかけた象形。偏は、糸へん。
そして、横糸の存在は、「緯」が表わしている。
縦糸と横糸の関係を表わしているのが、「経緯」という言葉であり、
私たちは、その「経緯」を経てこそ、ひとつのことを成すことができる。

「済」は、水を越える、渡ることを成し遂げるという意味から由来する。
大きな流れ、ほんの小さな川でも、その水を越えることは、大きな挑戦であったことがうかがえる。
旁部分「斎」は、神事に奉仕する女性が簪(かんざし)を刺し、祭卓の前に居ること。
つまり、祭卓の前で、神事にご奉仕することを、「斎」と云った。

人生、様々な「経緯」があって、今に至る。
そのひとつの縦糸と横糸が違えば、今という色は織り成されていない…。
ましてや、昔織った糸を切ろうとしても、今という糸が過去から繋がらなくなる…。

自身の縦糸と横糸を、この秋・冬、じっくりとまた編み込んでみてはどうか。

※協会機関誌「木芽」2012年秋号(Vol.145)より転載

宇佐美 志都

宇佐美 志都(しづ) 書家・文字文化随筆家

認定NPO法人文字文化研究所認定講師を、文化勲章受章漢字学者の故・白川静氏より拝命。
書家としての活動及び、文字の成り立ち・日本の慣習についての執筆・講演を各地で行っている。
NHKにて、「国語の時間ですよ。宇佐美志都の今月のひと筆」等の番組も担当してきた。

宇佐美 志都ホームページはこちら

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