日本木造住宅産業協会

(一社)日本木造住宅産業協会(略称/木住協)は、木造軸組工法住宅等の普及と健全な発展に寄与することを目的とした法人です。

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「鳥・集・進…鳥は木に集い、鳥は進む方角を示した」 書家 宇佐美 志都

夕焼け木の上に鳥が集った姿が、まさに、「集」という漢字の成り立ち。
「隹(すい)」は、鳥の形を略した形で、鳥の全形を表わした象形が、「鳥」である。

旅をする時や、進軍する時には、鳥を旅の友として携えて行き、鳥の進む方角や
それらの集まり方を見て、進路を決めるという「鳥占(とりうち)」によって、
軍の進退を決めていた。

故に、神域である神社と、私たちの日常の場を画する為の結界である門を、
「鳥居」と呼ぶのも、鳥を神聖なる存在とする観念からであろう。
また、「日本三鳥居」なるものもあり、吉野の「銅(かね)の鳥居」、安芸の宮島の「朱丹の大鳥居」、
大阪四天王寺の「石の鳥居」は、いずれも重要文化財で、宮島の厳島神社の鳥居は、
世界遺産に登録されていることは、記憶にも目にも鮮やかであろう。

更に、古来より東洋では、鳥や魚は、人間の文を運んでくれるものとして考えられていた。
つまり、己の心や魂を相手に伝える為の仲立ちをしてくれる存在でもあったのだ。
よって、文人達の交わす手紙の封印には、鳥や魚の図象を用い、自らが恙(つつが)無いことを
文(ふみ)にしたため、それが無事に相手に届くことを念じていた。

花鳥風月。
花を愛で、鳥が木に集い歌い、風に頬撫でられ、月の明かりを慈しむ…。
大地の揺れによるズレを案じることも、もちろん忘れてはならぬことではあるが、
気付かぬうちに生じている私たちの心のズレの警鐘にも気付きたい。

花鳥風月の心が、今年度、この日本列島に満開になりますように。
そして、一年を迎えた御魂に、合掌。

※協会機関誌「木芽」2012年春号(Vol.143)より転載

宇佐美 志都

宇佐美 志都(しづ) 書家・文字文化随筆家

認定NPO法人文字文化研究所認定講師を、文化勲章受章漢字学者の故・白川静氏より拝命。
書家としての活動及び、文字の成り立ち・日本の慣習についての執筆・講演を各地で行っている。
NHKにて、「国語の時間ですよ。宇佐美志都の今月のひと筆」等の番組も担当してきた。

宇佐美 志都ホームページはこちら

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