日本木造住宅産業協会

(一社)日本木造住宅産業協会(略称/木住協)は、木造軸組工法住宅等の普及と健全な発展に寄与することを目的とした法人です。

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「辰」「龍」…地這う貝の姿・天舞う龍の姿 書家 宇佐美 志都

貝合わせ謹賀新年
今年は、まさに、謹んで新年の挨拶を交わされたことだろうと思います。

たつ年の今年は、「辰」と「龍」の漢字がお目見え。
「辰」は、実は、貝の姿から成る象形文字。一・二画目で、貝の甲羅を表わし、
三・四画目は、貝の中の肉を、五・六・七画目で、貝の足を表現。

つまり、貝の類が、足を出して動いている象形を源としています。
辰は、「内なる生命がはじめて発動するという観念もあり、そこに呪的な信仰が生まれた」
ともされています。「辰」を内包する漢字には、「娠」「振」「震」などがありますが、
まだ目に見えない生命の誕生やうごめきと、大地の動きを、生命の発動として
同じ次元で感じ取り、同じ象形「辰」を当てているところに、先人達が、
自然とより一体感を持っていたことが伺い知れます。

そもそも、十二支とは、生命の循環や農耕儀礼に基づく、生命のうごめきを十二種類、
十二段階に表記したもので、動物(十二支獣)とはなんら関係のないものでした。
生命の循環過程を当てはめた概念をより理解し易いようにと、いつぞやかに十二支獣を当てはめ、
その認識や記憶がし易いようにと、現在の十二支=十二支獣とするようになったそうです。
※下記参考事例
※「子・ねずみ」:生命の息吹の象徴である「子」の意味に、小さな「ねずみ」という動物を当てた。
※「丑・牛」:指先に力を入れて曲げ強くものを執る象形「丑」に、力強い「牛」を当てた。

話を、今年の話に。
「龍」は、神獣とされた古代の想像上の動物。生命の発動を意味する十二支の年に、
この「龍」が当てはめられているのは、古代の人々が、天空に潜み住む龍の姿に自然界の想いを託した
気持ちの表れかも知れませんね。ちなみに、「龍」の漢字は、「冠飾をつけた蛇身の獣の形」とされ、
「竜」の漢字が生まれ、「龍」の漢字が生まれました。また、竜巻や、雲の象形から、
それらの象形文字は生まれました。

今年一年が、どうか心身共に安らかなる一年となりますように。

※協会機関誌「木芽」2012年新春号(Vol.142)より転載

宇佐美 志都

宇佐美 志都(しづ) 書家・文字文化随筆家

認定NPO法人文字文化研究所認定講師を、文化勲章受章漢字学者の故・白川静氏より拝命。
書家としての活動及び、文字の成り立ち・日本の慣習についての執筆・講演を各地で行っている。
NHKにて、「国語の時間ですよ。宇佐美志都の今月のひと筆」等の番組も担当してきた。

宇佐美 志都ホームページはこちら

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