日本木造住宅産業協会

(一社)日本木造住宅産業協会(略称/木住協)は、木造軸組工法住宅等の普及と健全な発展に寄与することを目的とした法人です。

お問い合せ
  • 文字の大きさ
  • 標準
  • 拡大
Menu

住まいの情報

「雷 …稲妻の姿は、神の申し文」 書家 宇佐美 志都

雷電力の見直しを、こういう状況になってからしか出来ないのは、
人間の愚かさのひとつなのかも知れない。

「電」とは、雨冠と、「申」から成り立っている。
「申」は、電光の象形で、天から地へと稲妻が落ちている形なのである。
漢字の成り立ちから見ると、「電」は、私たち自らが生み出せるものではなく、自然の中から
生み出されたものを授かる…といったところなのだろうか。
自発型ではなく、受動型であったことが、少なくとも、
漢字の生まれた約五千年頃前からの資料からは、そう読み解ける。

果てなく広がる天空には、神が潜むとされてきた。
そして、その偉大なる天に現れる威光は神の姿と考えられており、「申」という漢字自体が、
「神」という意味でしばらく使われてきた。
天にいななく稲妻の姿は、「天の申し文」であったとでも申し上げようか。
しかし、「申」という漢字自体が、「申す」という意味に用いられてきたので、
「神」の意味を表わす際は、祭に使う机の形の象形を篇に加え、「神」という漢字が生まれた。

元来、神とは自然を崇拝する心から生まれた「自然神」であった。その後に、祖先の霊をも
神として、お祀りするようになった故、そもそも人間が崇めていたのは、「自然」だったのである。

しかし、現代のとある一説から引用すると、昨今は、「電」を自然神の声と感ずるどころか、
「電」を手中に治めんばかりの人間の姿もあったようで、我らの想いを何処どやに申し立て上げたら
よいのかと、国民の心の乱気流の行方の予報は未だ立っていない。

今年三月十一日以降には、『「電」を見直すべし』という、天の申し文が、現代社会に下されたのかも
知れないという、文字学的な読み解き方を、私はささやいてみたい。

陰日なたとなり、復興に向け取り組まれておられる住宅業界の皆々様のお姿に、心より御礼申し上げます。

※協会機関誌「木芽」2011年夏号(Vol.140)より転載

宇佐美 志都

宇佐美 志都(しづ) 書家・文字文化随筆家

認定NPO法人文字文化研究所認定講師を、文化勲章受章漢字学者の故・白川静氏より拝命。
書家としての活動及び、文字の成り立ち・日本の慣習についての執筆・講演を各地で行っている。
NHKにて、「国語の時間ですよ。宇佐美志都の今月のひと筆」等の番組も担当してきた。

宇佐美 志都ホームページはこちら

ページのトップに戻る