日本木造住宅産業協会

(一社)日本木造住宅産業協会(略称/木住協)は、木造軸組工法住宅等の普及と健全な発展に寄与することを目的とした法人です。

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住まいの情報

Part27:適材適所

「適材適所」とは言わずとしれた日本に馴染みの深い熟語で、それぞれ違う能力を持つ人材をその能力を最大限に発揮できるような地位に配置し起用すべきであるという意味を持っています。誰もがトップを目指すのではなく、得意分野を伸ばしていくのに長けている日本ならではの言葉ではないでしょうか。

丸太この「適材適所」という言葉。実は大工さんが、適切な木材を適切な場所に使わなければ建物が長持ちしない事を教える言葉からきています。適材適所の意味合いを伝える最も古い文章は、日本書紀に載っています。スサノオノミコトが、ひげを抜いて植えるとスギになり、胸毛を抜いて植えるとヒノキになり、尻毛を抜いて植えるとマキになり、眉毛を抜いて植えるとクスノキになったといい、スサノオノミコトは、この木々が成長したら、スギとクスは船に、ヒノキは建物に、マキは棺材にするよう子どもたちに教えています。

スギはまっすぐに生える姿からその名前が由来していると言い、まっすぐな心をスギに例えて言う「心の杉」という言葉があるように、その素直さが日本人に親しまれてきました。軽くて引き裂きやすく柔らかいスギは、加工しやすく道具の調っていなかった頃はもちろんのこと、現在も構造材の主流です。

ヒノキは「火の木」の意味で古代にこの木をこすって火をおこしたことがその名前に由来していると言います。「木はヒノキ」という言葉があるように、ヒノキは日本の木の中でも王座に君臨していると言っていいでしょう。ヒノキはスギよりも堅く床材に打って付けです。ただ、光沢があり、場合によっては目にはまぶしく感じることもあります。壁材に使用する時は、配分を考慮するか、目に優しいスギを使うことも考えてはいかがでしょうか。

マキ、つまりコウヤマキは、スギと同じく加工しやすいことが特徴で、かつ、水湿に優れていてスサノオノミコトが棺材に使用するように教えたのも、湿度に強く長持ちするためだったのでしょう。その性質から今も浴室用材に使用されています。

大木に成長するクスノキは船材として使用されてきました。古代では、丸太をくり抜いて船を造ったことも考えると、大きな船を造るには大木であるほうが有利だったのでしょう。もちろん、スサノオノミコトの教えにないものでも、それぞれの樹種の特性によって適切な使い方をするとよいものはたくさんあります。樹種選びの時に気をつけたいですね。

参考文献

※1ホームページ「小原二郎先生の知識」、小原二郎

※2「シリーズ木の文化(1)樹の事典」、平井信二他、朝日新聞社

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