日本木造住宅産業協会

(一社)日本木造住宅産業協会(略称/木住協)は、木造軸組工法住宅等の普及と健全な発展に寄与することを目的とした法人です。

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住まいの情報

Part22:木造軸組工法で調湿効果を高めよう

土塀湿度が高すぎると不快感が増し、湿度が低いと、風邪をひきやすくなるなど、湿度が体に与える影響が大きいことを体感している方は多いはずです。生理学的に人が過ごしやすい相対湿度*1は40%~70%の範囲で、また、相対湿度がほぼ50%のあたりで、バクテリアやウィルス、カビ、ダニが活性化せず、呼吸疾患やアレルギー鼻炎、喘息などが少なくなることがわかっています。冬季の室内は乾燥しがちですし、梅雨時にはジトジトとして、自然に相対湿度が50%になることはありませんよね。そこで、室内の湿度をコントロールする必要性が高まるわけです。今回は湿度調節(調湿)のお話をしましょう。

木造の建物で湿度調節(調湿)を語る時にかかせないお話に、正倉院のお話があります。以前はその校倉造の組み合わさった木が膨張と収縮を繰り返すために吸放湿され宝物を守ってきたとの誤った認識が流布されていました。しかし、それは違っていたのです。実は、正倉院の中のスギの保存箱が調湿を行い、宝物を守ってきました。現在私たちが千二百年の時を経て素晴らしい美術工芸品を見ることができるのもこのスギの保存箱のおかげです。

イラスト:エアコンさて、正倉院の保存箱に使われているようなスギにもあるという、調湿機能とはどのようなものなのでしょうか。それは、住まいの湿度が高くなると、余分な湿気を吸い込みサラサラ感をもたらす「吸湿能力」を発揮し、住まいの湿度が低くなるとため込んでおいた湿気を放出し潤い感をもたらす「放湿能力」を発揮するものです。建材には、水蒸気の大きさよりも大きい穴が無数に空いていて、環境に応じて、その無数の穴に水蒸気を蓄えたり、出したりすることができます。例えば平均的な木造住宅は1年間にドラム缶2本分もの水分を吸放湿するといわれています。*2

それは木材にも無数の細胞の穴があるからです。同じような調湿機能を持つものに、土塗り壁や漆喰、珪藻土などがあります。そして、木造軸組工法住宅は、昔から土塗り壁などが使用されていて、本格的な土塗り壁は難しくなってきているとはいっても、デザイン的に見慣れており、軸組みによく似あいます。ここ数年では、ホームセンターなどで買い求め自分で塗られる方も多くいらっしゃいます。

そして、巷間では、調湿効果のあるエアコンなども人気があるといいます。しかし、エアコンには電気エネルギーがかかります。室内の内装が木だったり土壁やはたまた調湿建材だったりすると、そのエアコンの使用量自体も減らすことができるかもしれません。環境的にも、経済的にも、お得で、そしてなにより、快適さが増すのではないでしょうか。

参考文献

※1空気はその温度によって、含むことのできる水蒸気量が違います。「絶対湿度」は、ある空気中に含まれる水蒸気量を言います。
「相対湿度」は、ある温度の空気中に水蒸気として存在できる最大量と現在の水蒸気量の比をいいます。

※2壁装と調湿 上村武+小原二郎+所荘吉 彰国社 P40

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