日本木造住宅産業協会

(一社)日本木造住宅産業協会(略称/木住協)は、木造軸組工法住宅等の普及と健全な発展に寄与することを目的とした法人です。

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Part21:音を響かせる…楽器

イラスト:ピアノ演奏バイオリンやピアノなどの弦楽器が、音を大きく響かせるために幅広の木部を必要としている事は、皆さんご存じのことでしょう。私たちが耳にする多くの弦楽器の音色は弦そのものから出ている音は少なく、大半は、弦から発せられた振動がこの木部によって響いているのが聞こえているのです。

例えば、輪ゴムを指にかけて弾(はじ)いてもそれほどの音は出ませんが、それを固くて薄い板状のものに引っ掛けて弾くと大きく響くというのと同じ原理です。バイオリンやピアノは、発明当初から木によって製造されていました。そして、名器と呼ばれるバイオリンなどは、何百年も弾き継がれ、さらに良い音になっていくと言われています。ではなぜ、数ある材料の中で「木」でなければならないのでしょうか?

バイオリン答えは、木には「軽いわりには強い」「組織に方向性がある」「加工しやすい」という特性があるからです。木が軽いわりには強いとどうなるかというと、音を早く伝えると同時に振動による力を効率よく音に変換できます*1。これは、木が音の反射材として優れている理由として挙げられるものです。この、音を変換する度合いは、木目(木理)の方向によっても違ってきます。琴の材料であるキリで調査した場合、木目(木理)方向を1とすると、その直角方向の振動エネルギーの時間当たりの損失は約2倍となっていました*2。木目が音に与える影響はまだ解明されていませんが、どうも、木の組織の方向性によるほどよい振動の打ち消しが、まろやかな音を作り出されているのではないかとも考えられているようです。

さらに、鉄やガラスなどと違って、木は加工しやすく、削って厚さを微妙に変えることも可能です。バイオリンの場合、表板にはスプルース、裏板にはカエデを使用しており、板厚の配分に気づかいつつ制作されるといいます*2。また、楽器によって使われる樹種も決まっています。琴にはキリ、ピアノ内部の響板にはスプルース、クラリネットにはアフリカンブラックウッド*3、マリンバにはインディアンローズウッド*3などを使用しています。

足下の床材にしても、演奏するホールの床材をヒノキからナラに変えたら、オーケストラのメンバーから「音がよくなった」との感想が寄せられた話*4もあります。木だったらなんでもいいと言うわけではなく、やはり樹種の使い分けも大切なのですね。木と音についての解明はまだまだなされていませんが、そこがまた、神秘的な魅力に思えませんか?

参考文献

※1木のびっくり話100 小幡谷英一 日本木材学会

※2木質環境の科学 山田正編 安藤由典 海青社

※3木と建築16 岡野健 木造建築研究フォラム

※4木と建築16 川上福司 木造建築研究フォラム

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