日本木造住宅産業協会

(一社)日本木造住宅産業協会(略称/木住協)は、木造軸組工法住宅等の普及と健全な発展に寄与することを目的とした法人です。

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住まいの情報

Part15:桐の箪笥と桐の下駄

桐タンス桐(きり)は成長が早い事で有名です。昔は、女の子が生まれた時に桐を植えて、お嫁に行くときにはその桐を使って箪笥(たんす)を作り嫁入り道具として持たせたと言われています。杉の木だったら、育ちやすい地域でも20年目で直径20cm(胸高直径)くらい、目の詰まったものだと、12、3cm(胸高直径)くらいにしかならないので誰も嫁入りの時に杉の箪笥を作ろうとは思いません。桐の木の成長が早いからこそのお話です。成長が早いということも関連するのですが、軽い、寸法が狂いにくい、燃えにくい、柔らかいといった特徴があります。その性能があるためか、そんな物語性を託されるような『格』といったらよいのでしょうか、それが備わっています。

軽い

箪笥類に用いられる広葉樹の中で、桐は比重(気乾比重)が0.29※とケヤキの0.62※、アカガシの0.92※よりもダントツに軽い事がわかります。その軽さは日本で産出される木の中でも最小です。昔は箪笥の両側面の上方に四角形の鉄輪をし、そこに棹を差し込み肩にかついで移動したといい、持ち運びに最適だったと思います。他にも、例えば化粧箱や長火鉢など持ち運びをする指物にも桐は多用されています。

軽い

箪笥類に用いられる広葉樹の中で、桐は比重(気乾比重)が0.29※とケヤキの0.62※、アカガシの0.92※よりもダントツに軽い事がわかります。その軽さは日本で産出される木の中でも最小です。昔は箪笥の両側面の上方に四角形の鉄輪をし、そこに棹を差し込み肩にかついで移動したといい、持ち運びに最適だったと思います。他にも、例えば化粧箱や長火鉢など持ち運びをする指物にも桐は多用されています。

寸法が狂いにくい

桐は、寸法変化が少ない材料です。それはなぜでしょうか。桐は、密度が小さいという特徴があります。木材において密度が小さいのは、体積中の実質の部分が少なく空隙が多いということです。伸び縮みするのは実質の部分なので、その実質が少ないという事が、寸法が狂いにくいという理由です。 この寸法が狂いにくいという性質をいかし、木の伸び縮みを心配せずにぴったりの寸法で精密な製品を作ることができるため、できあがった製品には隙間がなく湿気を通さないという特性が生まれます。桐の製品はあまりにも精密に作れるために、一つの引き出しを閉めると空気が逃げずに別の引き出しが押し出されるという珍事が起き、わざわざ空気孔をあける程だといいます。

燃えにくい

桐には、高い断熱性能があります。火災の後に、焦げた桐の箪笥の中で無傷で残った着物の話を聞いたことがある人は多いでしょう。これには、密度が小さく、早材、晩材部分の区別が明確でない点が関係しています。ヒノキのように早材、晩材がはっきりしている木材と比べると、桐は空隙が多く、均一な材質で、熱伝導のムラが少ないといえます。

イラスト:ゲタ柔らかい

柔らかい材質である桐ですが、下駄にもよく使用されているのはどういうわけでしょうか。柔らかい桐は、他の材よりも減りも早く不利なのではないでしょうか。それにはこんな桐ならではの理由がありました。

今のように道路が舗装されていない時、桐の下駄を履いて出ると、すぐに砂利が下駄の歯にめり込みます。それがビッシリと下駄の歯の裏面を埋めると馬の蹄鉄のような役割を果たし、下駄の減りを少なくさせます。皮膚に触れる部分は柔らかくほどよい弾力性があり、気持ちの良い物です。

このような桐の性能を考えると、住宅の壁材や床材に使用しない手はありません。狂いが少なく、断熱性能も高く、なにより肌触りがよく、転んだりぶつかったりした時の安全性が高い桐を贅沢に使用してみてはいかがでしょうか。

参考文献

※ 木材の住科学 木造建築を考える 有馬孝禮

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