日本木造住宅産業協会

(一社)日本木造住宅産業協会(略称/木住協)は、木造軸組工法住宅等の普及と健全な発展に寄与することを目的とした法人です。

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住まいの情報

Part12:水中で活躍する木

マツ杭東京駅前にあった「丸の内ビルヂング」が取り壊された時、立派なマツ杭が掘り起こされた事が話題となりましたが、覚えていらっしゃるでしょうか?

すでに、76年もの間、地中にあったにもかかわらず、腐朽せずに建設当初のままの姿で現代までビルを支え続けました。現在の「丸の内ビルディング」にそのマツ杭がアートとして展示してあり、腐朽のなかった事を確認する事ができます。その展示案内によると、「丸の内ビルディング」は長さ約15mのマツ杭5,443本によって支えられ、解体時点でもマツの香りが漂うほどだったといいます。

どうして木は腐らなかったのでしょうか?木材を腐らせる腐朽菌には、養分と水分と酸素と適温が必要であり、このうち一つでも欠けると活発に活動できません。

「丸の内ビルヂング」のマツ杭は、水分の多い土中にあったため酸素がなかった事が腐朽しない大きな要因でした。酸素を与えない事によって腐朽菌の活動を抑える事ができたのです。

また、特にマツ材は水中での保存性が大きいと言われています。同じように、樹種の性質によって積極的に水中で使用されている木材があります。世の中で一番重い木材であるリグナムバイタという種類の木材で、主に船のスクリューの軸受けに使われています。リグナムバイタの比重は1.3で当然水に沈みます。耐久性が非常に高くて硬く、樹脂分が多く、スクリューの軸回転により樹脂が滲み出る自滑作用によって滑らかな回転をさせています。水に沈む事、硬くて耐久性がある事、自滑作用がある事など、まさにスクリューの軸受けのためにあるような素材です。このリグナムバイタに代わる様な優れた軸受け材料はないと言われています。

 腐朽菌の繁殖条件対策
養分糖分、窒素化合物、リグニン等(つまり木材)-
水分大気中湿度85%以上、木材中の含水率25%~200%木材中の含水率20%以下にする
温度3度~45度(30度前後が問題あり)3度以下だと問題が少ない
酸素空気がなければならない水中の木材は腐らない

現代の住宅においても、設計や施工によって、水分を上手にコントロールし、腐朽菌の活動を抑え、さらに樹種を適材適所に配置する事で、木材の高い耐久性を引き出す事が可能です。

参考文献

木材工業ハンドブック(改訂3版) 丸善株式会社

エコマテリアルとしての木材 有馬孝禮著

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