日本木造住宅産業協会

(一社)日本木造住宅産業協会(略称/木住協)は、木造軸組工法住宅等の普及と健全な発展に寄与することを目的とした法人です。

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住まいの情報

鍾馗様(しょうきさま) (株)根岸俊雄都市建築事務所 代表取締役 根岸 俊雄

イラスト:鍾馗様(しょうきさま)三重県の関町関宿は江戸から47番目の宿場町で、約1.8kmにわたって家並みが続き、旧宿場町の規模をよく伝えています。町家の1階軒下には幕板や持ち送りが見られ、塗屋造や真壁造、また2階建や平屋の町家が混在し、バラエティーに富んだ街並み景観が楽しめます。さて写真は、その関宿のある建物の1階屋根の部分です。ちょっと怖い顔をした置物が乗っていますね。鍾馗様(しょうきさま)です。

鍾馗は伝説では中国・唐代の人で、初代皇帝の高祖の時代に科挙の試験に挑みますが不合格となり、失望して石段に頭をぶつけて死んでしまいます。それを哀れんだ高祖は彼を科挙合格者とし、丁重に葬りました。

時代は流れ、第六代皇帝玄宗が高熱で寝込んでいた際に夢に鍾馗が現れ、取り付いていた悪鬼を退治しました。高祖が大切に祭ってくれたお礼だと言うのでした。そこで玄宗は夢に出てきた鍾馗の姿を絵師に描かせ、邪気を祓う力があるものとして広めさせたのでした。

鍾馗様(しょうきさま)協力:亀山市この鍾馗様が江戸時代末の19世紀に日本に伝わり、関東では五月の節句の幟(のぼり)の絵柄や武者人形として現わされ、学業成就の効験があるとされました。また近畿では瓦製の鍾馗像を小屋根などに置いて、魔除けや火除けや病気快癒などの役目をするようになりました。

鍾馗様が置かれている街並みを歩くことは、たいへん楽しい経験となります。鍾馗様の表情はひとつひとつが異なります。いかにも荒ぶる神らしい獰猛な面構えの鍾馗様もいれば、ほとんどエビスさんと見紛うようなにこやかな鍾馗様もいます。

街のたいへん優れた演出物となっています。現代でもこのような「建築飾り」が欲しいものですね。 みなさんも今度古い街を歩く時は、どうぞ小屋根部分を注意して見て下さい。

※協会機関誌「木芽」2012年秋号(Vol.145)より転載

根岸俊雄

建築家 : 根岸俊雄(ねぎしとしお)

根岸俊雄都市建築事務所:代表取締役

平成12,13,20年度「彩の国さいたま景観賞」受賞

著作「住まいは十の箱づくりから」、「おばあちゃんちの楽しかった土間」

木住協 木造ハウジングコーディネーター研修講師

根岸俊雄ホームページはこちら

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