日本木造住宅産業協会

(一社)日本木造住宅産業協会(略称/木住協)は、木造軸組工法住宅等の普及と健全な発展に寄与することを目的とした法人です。

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住まいの情報

芝棟(しばむね) (株)根岸俊雄都市建築事務所 代表取締役 根岸 俊雄

イラスト:芝棟(しばむね)写真は前橋市にある阿久沢家住宅です。この民家は、茅葺寄棟造りの桁行八間(15.3m)、梁間四間半(8.2m)の建物で、建造年代は17世紀と推定され、国指定重要文化財になっています。この住宅の屋根、棟部分をよくご覧下さい。緑色の植物が生えていますね。これが芝棟(しばむね)と言われるものです。

芝棟とは、茅葺屋根において棟からの雨漏りを防ぐための棟仕舞の一種です。まず棟の上に土を載せてしっかりと押さえ、次にその土が風雨に流されないように芝を植え、そしてその根が張ることで棟をしっかり固めるという、伝統的な技法なのです。棟に植える植物には、芝の他、イチハツ(アヤメの一種)、ショウブ、オニユリ、桔梗、イワマツなどがあります。まるで「屋根の花園」ですね。いずれもしっかりと根が張り、日照りに強く、そして花の咲く植物です。ですから、棟に花が咲けば、植えられている植物の根が張り、棟がしっかりと固められているという印になるのでした。

芝棟(しばむね)協力:前橋市教育委員会芝棟にはその他にもいろいろな植物が混生していました。野辺から採ってきた芝土には、いろいろな種子や球根や根茎などが混入していました。さらに、風や鳥によってもたらされる種子も多くありました。

また、地方によっては「もっぱら装飾の目的」でいろいろな草木を植え込むということもありました。こうなるともう芝棟は「屋上植物園」みたいになってしまいますね。

遠野地方を10年程前に旅行したある人が、「緑豊な田園の向こうに並ぶ茅葺民家、屋根にはオレンジや紫の花が咲き乱れる光景は、忘れられません」という感想を述べています。芝棟は象徴的な屋上緑化の元祖です。現代の住居においてもあったら楽しいと思います。どうにか工夫して残していきたい日本文化ですね。

※協会機関誌「木芽」2012年夏号(Vol.144)より転載

根岸俊雄

建築家 : 根岸俊雄(ねぎしとしお)

根岸俊雄都市建築事務所:代表取締役

平成12,13,20年度「彩の国さいたま景観賞」受賞

著作「住まいは十の箱づくりから」、「おばあちゃんちの楽しかった土間」

木住協 木造ハウジングコーディネーター研修講師

根岸俊雄ホームページはこちら

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